MAD111 世紀末総支配人伝説 怒りのヌカ・ワールド   作:溶けない氷

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米海軍の説明文
『骨董品の戦艦あるでしょ
古くても装甲厚いから簡単には沈まないでしょ
これにギガトン級のでっかい水爆積むでしょ(広島級の7万倍
上海あたりに突っ込ませて自爆させれば一気にやっつけられます』

この人たちみんな頭おかしい 

第3次世界大戦ってどうだった?
「ほーら、お薬の支給だよー(サイコやジェットをプシュープシュ投与」
「やろう!ぶっ殺してらぁ(戦術核ポーン)」

ヤク中の兵隊が戦術核を投げつけてくる狂気の世界
中国側もにたようなもんだろう


USS マサチューセッツ

話は少し戻る

「ふむ、”にフォン”とは異世界から出現した侵略者か。

そして”ジェッタい”が奴らの軍隊の名称。

科学水準はおよそ20世紀後半レベルといったところか」

 

総支配人はこの前遭遇した謎の軍隊と国について考察する。

 

「ならば核弾頭を配備していると考えるのが適当か・・・

チンピラと骨董品で正規軍と戦う羽目になるかもしれん。

ふむ・・・とんでもなく予算と資源を食うが・・・あれをやるしかないな」

 

総支配人はそう言うと、郊外にある核融合炉に足を向ける。

この砦は故郷のマサチューセッツ州に条件が似た良港に面しており、かつ略奪軍が帝国を荒らし回るのに適した中央に近い場所に設置されている。

この場所の戦略的な有利さに帝国が気づかないわけはなく、当然のように軍隊が駐留し防衛に当たっていたが今は皆カカシと練り混ぜられてしまった。

総支配人の考えではまずは海を支配すべきが考えであった。

 

「AN-D0、”フィラデルフィア装置”の出力を最大級にまで準備」

総支配人は配下のロボットのMrハンディに巨大な・・かつて自分が手作りしたテレポーテーション装置の超巨大版を用意させた。

あまりにも巨大なために結局山一つを水爆で吹き飛ばして用地を確保しなければならなかったほどの設備。

これだけの設備を作っても、工作精度の質の悪さのため使えるのはおそらくはこの一回こっきりだろう。

 

総支配人の考えることは単純であった。

自衛隊が74式戦車やF-4ファントムといった強力な武器を異世界から持ち込むと言うのならば

こちらも対抗して強力な武器をウェイストランドから持ち込んで強化しようと言うのだ。

実際、向こうが戦術核爆弾を使えばこちらには対抗するすべがない。

せいぜいどこに飛んでいくかわからない年代物のポンコツ戦略核ミサイルが相手に当たることを期待してやたらめったら撃つしかない。

それでいて核ミサイルの打ち合いになったら向こうにはまず敵わないだろう。

そして、ウェイストランドの文明レベルは中世から見てもひどいもの。

強力な文明の利器など今や殆ど失われていた。

M61戦車や超音速戦闘機スティングレイなどは200年も放置されていたためにもはや鉄の塊にすぎず使い物にならなかった。

ゲートの性質をよくわからないが使えそうな物はなんでも利用して本来なら持ち込めないほどのサイズの物を持ち込む、それも一回限りで最大級の戦力を保有しているもの・・・

総支配人には心当たりが一つだけあった。

 

戦艦  USSマサチューセッツ

1942年竣工

地上砲撃しかしたことない

武装

40cm核砲弾

巡行核ミサイル

対空核ミサイル

核魚雷

核爆雷

硬X線レーザー砲

核動力

(恐ろしい事に実際に全部冷戦中に作られた)

ロボット操縦でありったけの核兵器を狂ったように撃ちまくりながら全速前進し

撃ち尽くしたら中国の港湾都市に突っ込んで反応炉を暴走させ

戦艦そのものを巨大な水爆として使う

紺碧の艦隊のヘルや大和もびっくりの特攻作戦の予定だった

共産主義者は死ぬ 

 

流石は帆船に原子力ロケットをつけて飛ばそうとした国である、頭おかしい

 

この300年以上前の博物館そのものの戦艦もロボットが艦長となって今も出撃命令を待っていたが

(前任の人間の艦長は頭のおかしすぎる作戦に反対していたので飛ばされてロボットが据え付けられた

「私が世紀末大統領だ(説得」

 

「おお!確かにあなたは大統領として登録されております!

最高司令官、いつでもご命令を!勝利か死か!

栄光ある合衆国海軍は永久不滅であります!」

アイアンサイズ艦長と同型ロボットの艦長が答える。

ロボットなので完全にイエスマンだ。

 

そう、総支配人は今や合衆国大統領として登録されていた

具体的にはボイルストンクラブで死んでた前大統領から盗んだパスコードを使ったハッキングで。

「なんだ?こいつら元大統領に議員い州知事?ふーん、絶望して自殺した?

メンタル弱いなぁ。たかが世界が滅んだ程度で死んでたんじゃ人類滅亡しちまう。

おっと、もうほぼ滅亡してたな!」

 

だが、係留されていた戦艦をあのゲートを通すことはできない。

ならばどうするか?それがこのフィラデルフィア装置と呼ばれるテレポート装置を巨大にしたものだ。

マサチューセッツ州から博物館をフォルマル大陸の砦の近くの海にワープさせ戦力とする前代未聞の計画であった。

4万6千トンもの戦艦をテレポートさせるなど前代未聞、

一歩間違えれば対消滅を起こして惑星が蒸発してしまうかもしれない無茶な計画だったが

「まぁなんとかなるだろ」

と実に楽観的な勢いで計画を実行することにした。

「大統領閣下!反応炉の臨界まであと5秒!テレポーテーション成功確率は30%

5・4・3・2・1・・・」

 

その瞬間、世界は一変した。

テレポーテーションの衝撃で巨大な津波が帝国の沿岸部に押し寄せ、

漁村はことごとく壊滅的打撃を受け、港湾都市に押し寄せた津波は波止場も船も商店も押し流し

河川から逆流した海水は農地へと流れ込んで塩害で作物を一気にダメにしてしまった。

収穫できない作物、不作は盗賊による荒廃とあいまって多くの餓死者を出すだろう。

「ヌカコーラがあればヘーキヘーキ」

総支配人は自分はヌカコーラとグールを主食にウェイストランドで生き延びてこれたのだから

フォルマル大陸の民衆もたかが農作物が全滅した程度で飢えるとは思わない。

これで少しでもジェッタいとの戦力差を埋められればいいのだが・・と総支配人は思った。

骨董品の戦艦なぞ、飛行機の前ではただのマトでしかないのはわかりきったこと。

限られた戦力、限られた武器、それでも人類は戦わなければならないのだ。

生きるために


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