MAD111 世紀末総支配人伝説 怒りのヌカ・ワールド   作:溶けない氷

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ハハッ!僕キャッピー!下郎の皆様こんにちは!
(世界一有名なネズミの声で)
こちらは毎日ヒャッハーな笑顔溢れるヌカワールドDEATH!
ただいま奴隷のバーゲン中!薬も酒もコーラもあるよ!



Rocket69

レイダーどもに”炎龍退治するぞ”と言った総支配人であったが、

付いてくる者はいなかった。

連中は身勝手でわがまま、好き放題の権化なので予想はしていた。

足手纏いにしかならないならそもそも必要ないので問題はなかったが。

はっきし言って、ヤオの要求なんぞ聞く気は当初は全くなかった。

適当に孕ませたらそれで充分と思っていたのだが

あまりにも必死に勇者を探していると頼み込むので話を聞く気になった。

「ま、待て。待ってくれ!私の部族を苦しめている炎龍を倒す勇者を探す途中なんだ。

これが終わったらいくらでも好きに・・いや、倒してくれた相手に捧げなければいかんのか?

と、とにかく話を聞いてくれ!」

 

 

人々を苦しめる悪しき獣を放っておくわけにはいかない!(棒

おっ、トカゲ頭ねじ切って新しい部屋飾り取り付けるか!

とか、ヌカ再現装置にDNAサンプル放り込んで量産すれば最強のペットじゃないか?

ドラゴンライダー総支配人カッコイイ、ノロマな馬鹿どもを上から撃ちまくって殺しまくるの最高!

とかは思ってないよ、多分。

キャップ!暴力!SEX!しか頭にないレイダーにとっては総支配人がトカゲの頭をネジ切るのには興味がないらしい。

それぞれが身勝手に動き回り、強い者は避け必ず自分より弱く金持ちを主に襲うレイダーにとってわざわざ遠征して1キャップにもならないドラゴン退治は割に合わない仕事だった。

ゆえに今のお供は仕事が終わったら子供を産む契約をしたヤオと犬だけ。

蒼く輝く車に拳銃、クレンヴの歯、バット、突撃銃、対戦車レーザー砲、劣化ウラン弾、ロケット、核弾頭といった武器弾薬とPAを積み込み助手席にヤオを押し込む。

「流石に詰め込みすぎたか?」

 

「さっさと乗れ、行くぞ

ろくな地図が無いのでは日没までに着かないと一夜を明かす羽目になるぞ」

「ああ、それにしてもこれがお前たちの噂の馬なし馬車か?

到底動きそうには見えないが魔法の道具なのか?」

青く輝く自動車だが速そうには見えないらしい。

 

だがその感想も1万8000馬力のV8核融合エンジンの耳をつんざく轟音を吹かすでどこかに吹き飛んだ。

 

人間に制御できるとは思えないオスプレイの1.5倍もの出力の狂ったエンジンが生み出す力は大型ヘリにもそのまま使える程。

航空機のエンジンをそのまま車に取り付けたんじゃないだろうか。

戦前アメリカ人の頭が悪すぎる倫理観ならありそうだ。

後部にPAをワイヤーで固定しトランクには武器を満載。

 

「す・・凄まじい声を出すのだな

これは魔法生物なのか?」

「いちいち質問の多い女だな。

黙っていないと犬肉の餌肉にするぞ」

わふっとドッグミートが反応するが

「冗談だよ、ちゃんとした餌なら用意してある」

頭を撫でてやるとパタパタと尻尾を振って喜びを表現する犬。

「わ、私は犬の餌以下なのか・・・・」

落ち込むヤオを無視してアクセルを踏み込むと一瞬で砦の格納庫から弾丸のように飛び出し道を歩いていた間抜けな奴隷を一匹轢き殺す。

跳ね飛ばされた体がボンネットで跳ね返り、全面窓ガラスに叩きつけられ血と脳漿の痕跡を残して一瞬で後方に消えていく。

「おい!誰か殺したぞ!」

加速で大抵のやつは息も絶え絶えになるのだがこの女は青い顔をしつつも外を気にする余裕すらある・・

部族でも優秀な戦士というのは嘘ではない、これなら優秀な子孫を残せるだろうとむしろ総支配人は感心した。

「壊れてはいない」

「そういう意味ではないのだが・・」

世紀末世界では人命はゴミより安いので問題はない。

「外に出たら加速する。

吐くな、死ぬぞ」

「ま!待ってくれ!まだ心の準備が!」

だがもう遅い、街中で既に100kmを出していた頭のおかしい車は開けた町の外に出ると更にアクセルを踏んで500kmにまで加速する.

 

最高速度の半分以下の安全運転だが加速した途端ヤオは

「グエェ」とヒキガエルが潰れたような呻き声を出してシートに押し付けられる。

全身の骨が軋み、筋肉が悲鳴をあげ失神してしまった。

「なんだ、寝たのか」

 

車は轟音を立てながらエルベ藩王国のダークエルフたちの領域

炎龍の塒へと進んでいく。

運転しながら集めた炎龍のデータを元に狩を想定する

(破壊力の点なら核弾頭を使うのが最も確実、次点で核地雷

最大出力10ktなら確実に殺せる

だが前者はHEATロケットを回避したことから直撃は難しい

後者は確実に着地する場所を想定できなければ無意味か・・)

総支配人は緑の人の鉄の逸物が歩兵用の対戦車ロケットだと目星をつけていた。

無誘導では空中の目標に命中させるのは難しく、初速の遅い核弾頭では直撃は期待できないだろう。

炎龍は空中機動力が高い、故に

(レーザー砲で翼をもいでから、確実に当てるしかないな)

それでも駄目だったらアトムの審判で亜屠無殺拳を披露するしかない。

逆に炎龍の名前にもある炎はPAを着込んでいれば脅威とはならない。

炎龍の炎のブレスは最高で1300度

ゲル状の燃料を口から発射し点火させることから、人間の火炎放射器と原理はほぼ同じと推定される。

生身の生物相手なら大した飛び道具も肉体もひ弱なこの世界では脅威に違いない。

PAはロケットの4000度の噴射炎にも平然と耐えるので余程長時間でなければ問題はない。

炎で火薬が暴発する危険性はある、同行しているヤオがローストにされる危険性もあるが

前者は武器を耐爆箱にでも入れるか、分散しておけばいい。

後者は戦争に被害はつきものと諦めてもらおう。


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