MAD111 世紀末総支配人伝説 怒りのヌカ・ワールド 作:溶けない氷
ヒロシマ級ピカドン
炎龍「ファッ!?」
総支配人
「人生色々あったけど黒王様が結局正しかった(世紀末世界を見渡してから ドリフターズを読む
人類からこの世界を守るんだ!
お前らは死ね(戦略核のプレゼント」
日本・帝国
「ファッ!?」
「さて・・・今回役員会議を招集してまで、ここに集まってもらったのは他でもない。
例のなんとか国のウラン鉱山のことだ」
「好きにしな、キャップにならないなら意味はない」
「石っころ掘りなんぞ趣味じゃない、ツルハシ持つのはあんたの仕事だ」
「どうでもいいから、もっと血を見たいね」
だめだこいつら、頭が悪すぎる。
「無論、お前らに理解してもらおうなんざ考えてない。
俺が言いたいのはこいつについてきたおまけの事さ」
総支配人が話を切り出したのは、エルベ藩王国で前から目をつけていたウラン鉱山だ。
総支配人の目標ははっきりしている。
この美しい世界を守らなければならない。
資源への欲望と黒々した政治的駆け引きで、侵略者は異世界の文明を連中の価値観で塗り潰し、彼らと手を握るどころか鉛弾を叩き込む。
互いのいいところを教え合うなんてこともなく、企業は一部の人間だけが儲かる一方的な取り引きを結ぶ。
そう言うやり方を取ろうとしているのだ、許せない。
企業・・・Vault-Tecやハルシジェンの同類の薄汚れた獣ども。
企業の手下、ジェッタイは完全に破滅しなければならない。
連中を引き込んだ帝国も同様。
有害な彼らは完全に破壊され新しい世界を受け入れねばならない。
門など未来永劫破壊されるべきだ。
世界は異世界の科学という存在なぞ知る必要はない。
知識や進歩などという誤った観念は必要ない。
世界は未来永劫永久に閉じた安寧の揺り籠であるべきだ。
そして私、総支配人は永久に生き続ける。
支配者、その血脈の中で。
「連中と協力する気はないのか?
帝国を倒すという目的は一緒なんだろ」
「無いな、俺の経験上
帝国と二フォンが講話したら今度は俺たちを”資産の整理”と称して消すだろう。
だから準備が不十分な今のうちに、こっちが消してやる」
今や元帝国の要塞を改造した本拠地の“砦”から距離があるせいで侵攻できずにいたが、今や3ヶ月でヌカワールドは大幅に拡張した。
兵員は流れ者の山賊・盗賊団に元王国の傭兵崩れそれに奴隷兵を吸収し総数30万人にまで拡張されている。
大抵は弾除けがわりにしかならない雑魚だが、それぞれのレイダー集団も現地で見込みのある人間・亜人を新しく採用している。
オペレーターズ
手段は問わない!キャップを持ってこい!
パックス
狼になれ!強い獣を狩って持ってこい!
ディサイプルズ
殺しあえ!生き残った奴だけだ!
それぞれのレイダー集団の特色あるリクルート方法でそれぞれを強化していた。
「なんだと言うのだ・・・ここは」
ヤオが故郷に現れた炎龍討伐をなしうる勇者を探しに出かけてからの粗筋はそれはそれは苦難に満ちたものだった。
カカシ
総支配人の支配領域を示し、弱者に恐怖と絶望を与えるために掲げられた鋼鉄の異形。
鉄と木材、殺された人間で作られ昼も夜も燃え盛って道を照らし出す様は地獄の道しるべとも言える。
元帝国領のあちこちに作られたそれはここが総支配人の物だと言うことを示し許しなく入ったものがどうなるかをも示している。
レイダーの植民地経営によって弱者は奴隷に。
だが強者はレイダーになった!
魔王軍に入れば殺しも強姦もやり放題という事でバカが入ってくるが、大抵は入団試験にすら耐えられず死ぬので大抵は下っ端でしかない。
魔王、そう魔王なのだ。
人類を再定義し、守ると誓った総支配人は今や魔王なのだ。
伊丹からすれば総支配人は敵で魔王だが、
総支配人からすれば自衛隊が魔王で伊丹はその一部。
この弱肉強食の修羅の国での生存確率は1%未満!
名無しの修羅ですら飛び道具無しで帝国兵士一個小隊を簡単に虐殺してしまうほどのバケモノ揃いなのだ。
いつからウェイストランドは修羅の国になった?
遂に帝国軍の駐屯地ですらレイダーに襲われるようになった。
奪うためではない、力を誇示するために殺しを楽しむ。
銃ではなくスワッターで、スワッターでなく素手で。
困難な方法で殺すほど尊敬を得られる。
武装した人間を素手で狩ることほど、レイダーの中で尊敬を得る方法はないのだ。
千人の帝国兵が守る駐屯地ですら、十人程度の飛び道具はおろかバットすら持たないレイダーに真昼間に正面から攻められて易々と陥落させられた。
「このような弱兵でも務まる軍なぞ聞いたことがないわ!
弱き者どもよ、死ね!ここは今より修羅の国の武の掟が支配する!」帝国兵は一人残さず皆殺しにされた。
駐屯地は焼き払われ、死体は人の外の馬返しの柵に残さず突き刺されカラスの餌となった。
時はまさに世紀末!
カカシの無残な光景を眺めて、ここは危ないと直感が告げ離れようとしたところをヒャッハー!どもに襲われあえなく囚われてしまった。
ヤオは総支配人の砦であられもない格好で囚われの身となっていた。鎖に繋がれ檻に入れられたその姿はダークエルフの戦士がこれからビリビリにひん剥かれて“くっ殺”展開を予想させた。
総支配人の支配下を抜けて炎龍を傷つけたと言う緑色の人々の元まで行こうとしたが、迷ったところをレイダーのディサイプルズに捕まって売り飛ばされてここにいる。
知っての通り、少数の遺伝子情報から構成された一族はたった一つの細菌、たった一つのウイルスでも絶滅する恐れがある。
それゆえ、この世界で血族が途絶える可能性を少しでも減らすためになるべく多くの母系遺伝子を取り込む必要があるので多くのサンプルを必要としていた。
要するにヤオもレアなダークエルフということで総支配人に献上されてしまった。
嫁き遅れヤオちゃんも遂に処女卒業だね!
・・・・
「おまけというのは炎龍・・・でっかい空飛ぶデスクローみたいなものさ。
そいつが俺の鉱山の近くで暴れてる・・・で、俺を頼ってこいつが来たわけさ」
今は総支配人の椅子のすぐそばで体を惜しげも無く晒し、まとわりついている。
「なんだい、またあんたの新しい女か?」
「ま、そう邪険にするな。俺とこいつの子供が新しい族長になる予定だ。
条件を満たせばな」
要するにヤオと総支配人の間に生まれた子供が十分に成長し、与えられた武器と道具を使いこなせる教育を受けた時にはダークエルフ族の新しい族長として彼の血族に貢献する契約を結んだが
それには暴れまわっている炎龍を退治してくれというものだった。
「おいおい、そりゃあんたの私事だろ。
手下を使いたきゃキャップ払いな、危険手当込みだよ」
「でか蜥蜴を殺して武勇を示そうってか?
そりゃいい、最近はガントレットもご無沙汰だしな。
あんたのご活躍がベッドの上ばっかなのも飽きて来たとこだ」
「どうだっていいさ、勝手にしな」
炎龍退治に実に非協力的なレイダーグループの役員連中だった。
炎龍退治に必要なのは・・・
1:核弾頭を問答無用で打ち込む
2:4連対戦車ミサイルの直撃
3:対戦車レーザー砲の集中射撃
考えた末、総支配人は1を選ぶことにした
クアンタムヌカランチャーの出力をナガサキクラスで叩き込めばいかにデカデスクローといえど撃破できるはずだ・・・
植民地支配、新大陸征服
科学の暴走と成長の神格化
そして核戦争による全ての破滅
結局、ドリフターズの黒王様が正しかったんだよ・・・・
だけどオークやゴブリンは嫌い
なので少数の人間だけが科学知識を持つ支配体制にするね
血族だけが核兵器や光学兵器で武装し後は中世レベル
これだけ力の差があれば反乱なんて無理だし
これなら資源を大衆のために浪費せずに済むから持続可能だよ!