MAD111 世紀末総支配人伝説 怒りのヌカ・ワールド   作:溶けない氷

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元々は荒野に住んでいた野蛮な種族で肉体は頑健だが汚らしく、
荒々しい部族であり、かろうじて人間で、
そして他者をうんざりさせる言語の“いんぐりっしゅ”を話す。
これは僅かに人間の言葉に似ている。
れいだぁ族は恐怖によって敵を逃げ出させた。
なぜなら彼らの浅黒い顔つきは恐ろしく、
そして彼らは寧ろ巨大な不細工な塊とも言うべき顔、
不気味に塗りたくった戦化粧である。
彼らの強健さはその野蛮な外見に現われている。
亜人と違い、人間ではあるらしいが大抵の亜人よりもずっと獣に近い。
彼らの背丈は高く、身動きは素早く、機敏な兵士で、
肩幅は広く、”ガン”という飛び道具を用いるのに巧みであり、
常に血の匂いを漂わせており、頑丈な首を持っている。
彼らは人間の形をしているが、野獣の獰猛さを有している。

れいだぁ族について



ミニニューク

誰でも簡単!手作り水爆!
この水爆の利点は・・・
誰でも、安価に核融合爆弾が作れます!
D-D反応なので安価な重水素だけでok!
トリチウムフリーなので長期保存ok!二百年経っても使えます!(実証済み)
小型・軽量・大威力!自爆を避けるため威力調整もできます。
融合反応だけなので汚染物質も残らない!綺麗な爆弾です!
占領も楽々!汚染が残らないので“使える核兵器”です!
放射線探知機にも引っかかりません!
あなたの国にも抑止力を!
(注*実際に起爆させることは、ご遠慮ください。
御神体として崇める、公園のモニュメントにする、二足歩行兵器に積んでロマン枠にするなど平和的にご利用ください)



顔つきは平たい顔の”ニホン族”と違い、むしろ帝国人に近い。
人間でありながら若々しい青年の姿をしており、200歳を超えているとは到底信じられない。
トーガに似た白く清潔な衣装に身を包んでおり、蛮族の砦でなければ帝国の貴族だといっても通じたろう。
極めて強大な戦士であり、戦場では常に先頭に立ち獰猛な蛮族の戦士も彼には敬意を示す。
戦い方は残忍で獰猛だが、一方で恐ろしく狡猾で彼がかつて属していた
”ふぉっくすはうんど族”という部族で学んだ戦術で戦う。
彼らは常に相手の不意をつき、相手方からすれば幽霊に襲われたとしか思えない。
極めて学問や技術を重視し、特に武器・防具の生産や改良には自ら手を加え、魔法や植物学についての知識を集めようと金銀を惜しまず蔵書を収集し学者を援助しようとしている。
生活は常に質素で彼の居室には飾りは殆どなく、机や椅子、ベッドに武器・防具が置かれている程度である。
金銀財宝といった物には全く興味を示さず、赤ん坊の頭ほどある金塊ですら”じゃんく”ゴミ呼ばわりする。
酒も健康に悪く頭脳を鈍らすとして全く飲まない。
酒や贅沢な食事は健康に悪いとして遠ざける。
女性関係は極めて多情で十人以上の愛妾を持つが、彼女たちは皆平民やあるいは亜人であり、政治・軍事には一切関わらせない。
唯一こだわりを見せるのは彼のみが作れる万能霊薬の”ぬかこぅら”のみであり
これはあらゆる万病を癒し滋養強壮にもよく効き、そしてとても美味しい飲み物で蛮族の間では通貨としても用いられる。
極めて支配欲が強く、支配地域の拡張を何よりも喜ぶ。
帝国はこのような手強い人物を相手にしていることを自覚すべきである。
蛮族王について

帝国文書館、帝都の靴職人ギルド内部の契約についての口論とそれから生じた暴力事件の報告に挟まって発見された。


Bit too close

伊丹が絶好の的になる建物の屋上から屋内へと滑り込むように窓から転げ入ると、それを見られたらしく階下からはスパミュがドアを蹴破って乱入してくる音が聞こえた。

「殺せ!人間殺せ!」

「捕まえてギタギタのぐちゃぐちゃにしてやるぅ!」

銃を構えながら口々に怒りの言葉を発するスパミュが屋内を捜索し始めた。

伊丹は連中に見つからないようにこの建物から脱出し、速やかに自衛隊と連絡を取りさらなる戦闘を防がなければならない。

さもなければ、レイダーとの戦闘で更に死傷者が増える一方だろう。

更に言えば今日のスパミュのおやつのメニューに伊丹も加わることになる。

伊丹は小銃を構えながらそっと階下の様子を伺っていたが、スパミュも住民が避難し目ぼしいものも無いという事に気がつくと下をうろうろし始めた。

何を探しているかと言えば、伊丹なのだがわざわざ鍋の中やタンスの中まで叩き壊して調べるというか目に付くもはみんな叩き壊してみる様子だった。

「くっそ、エルフや獣っこなら歓迎だけどファンタジー世界でオーガと一つ屋根の下とかシャレにならんでしょ」

小声で悪態をつきながら、敵の捜索を避けながら物陰から物陰へ。

相手がドアを開けて入ってきた時は一瞬の隙をついて視線を逃れ、ドアの横から廊下へと足音すら立てずにすり抜けた。

「あー、こっちにはいないぞぉ。

どこいったぁ人間?でっておいでぇ、すぐに済むからぁ」

すぐに生皮剥いでミートバッグの仲間入り、という意味なので全く嬉しく無いすぐであった。

おつむが足りないとは言え、狭い室内で敵の捜索を避けて発砲すらする事なくくぐり抜ける。

スニーキングスーツではなく、嵩張る防弾着を着た状態で音も立てずに移動することがどれだけ難しいか知っている人間なら今の伊丹のステルスは絶技だと断定できたろう。

それもこれも銃・銃剣・装具や脱落防止の金属部分に脱落防止のビニールテープを丁寧に巻いて消音にこだわったおかげだろう。

 

小銃を構えながら、用心してスパミュの捜索の目を逃れる伊丹だったが一階の窓から出ようとした次の瞬間にあちこちの窓から屋内に投げ込まれた大量のフラググレネードの爆発で吹っ飛ばされる。

家を震わせる轟音とともに爆発の衝撃波が伊丹を襲い、スパミュもろとも吹き飛ばされ更に衝撃で家の柱が折れ家自体がメキメキと軋みながら崩れ始めた。

「ニゲロォ!崩れる!」

伊丹も爆風で飛んできた木の破片が防弾着に突き刺さったのも気にもとめずに家から滑りだすように逃げ出すと同時に入り口から出ようとしていたスパミュに64式の弾倉20発をありったけぶちまける。

「イデェェェェ!」

弾丸は表層で止められたものの、伊丹の放った弾丸で足を潰され出口でつっかえたスパミュはそのまま崩れ落ちる家の下敷きになって潰された。

「全く、なんて日だ・・・」

 

もちろん、グレネードを伊丹とスパミュの家に叩き込んだのは総支配人である。

別に彼に悪意があるわけではない、まぁ手榴弾くらいなら死んだりはしないだろうと思ったので牽制として放り込んでやっただけなのだがうまく爆風を壁で避けたようだ。

自衛隊の手榴弾なら普通の家は吹っ飛ぶが、遮蔽物で爆風の直撃さえ避けられれば何とかするだろう。

「生きてたか、まぁ動きは悪くなかったな」

あの兵士の動きは緻密で大胆、明らかに一般的な歩兵のそれではなく特殊部隊かそれに類する精鋭部隊のそれだった。

向こうに展開している部隊員も明らかに正規軍の動きをしており、極めて高価な航空兵力を保有している時点でヌカワールドのようにゴミの山から引っ張り出してきた骨董品をだましだまし動かしているようではなさそうだ。

内燃機関・新造の火器・航空兵力・何よりも近代戦に対応した正規の軍の教育を受けた士官。

いずれも高価な代物。

明らかにグリーンランドの寄せ集めとは文明レベルが違う。

エネルギー兵器が見られない理由はわからないが、

20世紀後半か21世紀初頭相当の軍事テクノロジーの集団だろう。

ならば当然、核兵器で武装しているだろう。

核兵器の撃ち合いは避けたいところだが、連中がこの大陸を全部欲しいというのならば争いは避けては通れないだろうから、例の発掘したモノを使えるようにしなくてはな・・・

脅威度設定に戦闘ヘリ・輸送ヘリを捉えながらいつでも射撃態勢に持って行けるように射線に入らないようにしながら“じぇったい”の方に近づいていく。

 

 

爆風で防弾着には焦げ目ができ、木の破片が刺さりボロボロだった伊丹だったが。

もう追撃のスパミュが出てこないことを確認すると、また自衛隊の降下部隊の方に手を振りながら近づいていく。

「止まれ!誰か!?」

「第3偵察隊の隊長、伊丹二尉」

誰何を受け、攻撃を受けたヘリの側の臨時の監視所となった家屋で立哨に今までの状況を説明し空挺部隊の指揮所に通される伊丹だったが。

それを物陰に隠れながら観察する総支配人とレイダー達には気がついていなかった。

光学迷彩のステルスボーイを使っていたのだから当然だが・・・

「俺が合図をしたらヘリを落とせ、手打ちが物別れに終わったら一人も生かして帰すな。

目撃者は消せ」

総支配人の非情な命令だが、ウェイストランドの普通のレイダーに比べれば話し合いをするのだからかなり良心的で理性的な部類だろう。

 


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