MAD111 世紀末総支配人伝説 怒りのヌカ・ワールド   作:溶けない氷

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64式小銃
ゲートで登場する自衛隊の小銃
2287年のコンバットライフル相当

ハンドメイドライフル
ヌカワールドでの一般的な小銃
ぶっちゃけ手作りAK47
コマンドーっぽい銃床がお気に入り
ショベルから小銃を作る連邦のレイダーの器用さよ

パイプガン
腐る程手に入る
ご自由にお持ち帰りください
弾が出ればいい人向け
銃も安いし弾も安い
38口径拳銃弾使用の粗末な銃 
自衛隊の9mm機関拳銃相当
見た目が錆びたステンガンっぽい
ステンガンも一部ではパイプガンと呼ばれていた
思ったんだが拳銃弾を使うんだから、オートならサブマシンガンでは?

日本
総支配人が生まれる前に中国に併合された
2067年の最終戦争勃発時には単なる中国の一部分
民族浄化されたかどうかは不明だがチベットやウイグル同様になったと思われる
その後は不明だが核戦争で消滅した結果には変わりがない

中国 
資源の枯渇から油田を求めて2067年にアメリカ・アラスカに侵攻
十年以上続いた地獄のような戦争を終わらせるために核攻撃をした
結果として地球そのものが第3次世界大戦すら生ぬるいリアル世紀末になった

総支配人
デズの声になぜかイラっとした
なのでレールロード壊滅には反省の念は無い
BoSには悪いことをした・・・これが戦争なのか・・・
このカルマ値と世界征服の野望持ちだと
実はアルドゥインかも
「世界を喰らいし者」だとしても
喰うべき世界は寝ているうちに燃え尽きて
放射能塗れの灰になっていたというオチ

ヌカレイダー
蛮族
銃を使う
化学兵器使う
核兵器もよく使う
ヌカコーラよりも安い命
ヒャッハー!エンジョイ&エキサイティング!
奪って犯して喰う 
帝国が進路や行動を予想できないのも道理、当の本人たちもその場のノリで決めている
総支配人
「自由にやれ!ここは自由の国だ!」
「ヒャッハー!」


Cap and Gun

「なるほどな、そういうことか。

銃を下ろせ、この小娘は既に用済みだ。

殺す価値も捕虜にする価値もない。

わかるか?0キャップだよ」

 

そう言ってピニャとハミルトンを持って帰って,身代金か奴隷市場に沈めるかしようとしていたマグスを止める。

わざと特地の言葉で話すのはこの場にいる物にもわかるように

「考えれば簡単なこと。偵察などという捕虜になる可能性も高い捨て石に重要人物を選ぶ理由。

それはこの小娘がもう重要でないから。

例のアルヌスの侵攻の失敗とやらで帝国の領地持ちの椅子の座には空白が大量にできた。

もともと、この小娘はどこぞの大領主に売っぱらって権力の確保に使う腹立ったんだろう。

だが、それも無用になった。

大領主が大勢いなくなった今なら御家お取り潰しからの天領への編入も簡単。

今となってはこの小娘をどこかに家に協力と引き換えに売る意味がない。

むしろ将来的に帝室に対抗できる大領主に”帝室の血”をくれてやる事になるからマイナスだな。

玉座を巡っての御家争いが目に浮かぶ。

こいつはもう、不良債権だよ。

むしろ、”名誉の戦死”を遂げてくれた方が皇帝にとってはラッキーだろう。

”帝国の為に命を捧げた悲劇のヒロイン” 実に大衆受けしそうな物語だ」

 

娘の死を願う父親という皇帝像を簡単に説明する総支配人。

これにはピニャもハミルトンも大いに怒り、皇帝陛下を侮辱するか!と眉間に青筋を立てる。

 

「侮辱?何を勘違いしている?

支配者にとって手持ち資産の有効活用は褒められこそすれ、非難されることではない。

お前たち小さき者の価値観で世界を測ろうとすることこそ侮辱だ」

 

そういうなり、ピニャとハミルトンに武器を返し伊丹に向き直って自衛隊の場所に先導するように命令する。

「PAは俺についてこい、邪魔するものは誰であろうと殺せ。

他のものはここにフォルマル邸に旗を掲げに行け」

 

総支配人に命令一下で素早く動きだすレイダー達。

戦闘能力が皆無のミュイとそのお付きの執事は他のレイダー達に囲まれながらフォルマル邸に戻り

イタリカが総支配人の支配下に入ったことを邸宅で待っている市民や残りの自衛隊員に伝えることになる。

 

自衛隊の降下部隊とスーパーミュータントの戦いは未だに続いていた。

昨日の夜からぶっ続けて戦闘を続けていたスーパーミュータントだが全く疲労の色を見せない。

むしろ血に酔ってますます攻撃的、かつ凶暴に降下した自衛隊員に攻撃を続けていた。

「死ねぇ!死ね人間!」

「狩野三曹がやられた!誰か援護しろ!」

今も自衛隊員の一人が銃弾を食らって倒れる。

市街地ゆえシリアでのロシア軍のような無差別大規模爆撃もできず、

そもそも自衛隊に戦略爆撃機は無いのでしようがないが。

歩兵と歩兵、ライフルとライフルの戦いではもはや差は存在しない。

筋肉ダルマのスーパーミュータントの方が圧倒的に有利になっていた。

「クソゥ!このままじゃ全滅しちまうぞ」

遮蔽物に隠れ、防御態勢をとっていた自衛隊だがスーパーミュータントの死を恐れない蛮勇と頑強な肉体、そしてやたらめったら撃ってくる銃弾の雨の前に次々と死傷者を増やしていく。

『弱い!弱いぞ緑のニンゲン!強いスーパーミュータントは弱いニンゲン喰ってやる!

喰ってお前らスーパーミュータントの力になる!それが正しいこと!』

64式小銃の7.62mmを喰らっても気にせずに直進して剣を振りかざし自衛隊員を切り裂かれた。

銃の撃ち合いで均衡が取れていた自衛隊とスーパーミュータント軍だが至近戦が白兵戦へと変わったことでこの均衡は一気に崩れた。

・・・・自衛隊の一角が崩れると側面をとったスーパーミュータントは怪力を生かして建物の壁を崩し防御陣地の他の自衛隊員に側面から襲いかかった。

スーパーミュータントが恐れられているのは野獣並みの怪力と銃火器を使える程度の知能の融合だけではない。

それは戦いのうまさ。

実弾飛び交う実戦が毎日のウェイストランドとあくまでも”演習”の日本の違い。

本能的に相手が弱いところを突くスーパーミュータントの動物の感は軍事組織のBoSですら脅威と認めている。

「う、うわぁぁぁ!」

側面を突かれた自衛隊は人間同士の戦いではありえないほどの大胆さで突っ込んでくるスーパーミュータントのハンマーで頭を砕かれた。

防御陣地のど真ん中に敵が出てきたのを皮切りに自衛隊員は次々とその強みを活かせずにやられていく。

そんな様子をアルヌスで残っていた建物の屋上から見ていた総支配人はその戦いぶりを見てどれほどの戦闘力かを計測する。

「よく訓練されてはいる、が実戦経験不足だな。

市街地への被害や味方撃ちを配慮するより、ヘリはありったけの火力を叩き込むべきだな」

 

はっきり言って冷酷な決断だが、アンカレッジでは味方を殺すことを恐れていては自分も味方も結局は殺すことになった。

もっともそんな冷酷な決断をせざるをえない世界というのは不幸な世界だろう。

「まぁいい、これ以上放っておいたら今度はこっちがスーパーミュータントを全部相手にせざるをえないしな。

そろそろ行くとしよう」

スーパーミュータントを横合いから思いっきり殴りつけられるタイミングを測っていた。

「いや、あの・・・・早く援護に行って欲しいんですけど・・・」

 

「俺に命令するのか?いいだろう。

まずお前が行って5、6発撃たれてくれないか。

それで敵の場所がはっきりとわかる」

「いやいやいや!死んじゃいますから!」

 

伊丹を囮に敵の正確な場所を測定しようという総支配人の決断。

実際のところはヘルメットのターゲッティングHUDを使えば簡単に予測できる。

今現在、自衛隊と交戦しているスーパーミュータントの数は30体ほど。

イタリカに攻め込んだ当初は60体以上だったのだからかなり減らせている。

200名以上の自衛隊を相手に市街戦という接近戦を活かせるフィールドで有利に立っている。

相当な数の死傷者が出ている様子だ。

総支配人の目には今もスーパーミュータントの居場所と自衛隊員の居場所が同時に表示され双方の動きが手に取るようにわかる。

とはいえ、細かい場所までわかるわけではないし伊丹の戦闘力を測りたいというのもある。

ジエイタイイン 脅威度30 実弾防御60  エネルギー防御10 放射能耐性5

目前の兵士は明らかに脅威度に対して防御力が極端に低い。

64式小銃の弾薬が308よりも威力の低い弱装弾だということから”二フォン”の文明具合がどの程度なのかいまいちよくわからなかった。

ウェイストランドに弾薬の威力を増やす者はいてもわざわざ減らす奴はいなかったからだ。

だが連射するためと考えるなら?

比較的高価な308を大量に使えるほど潤沢な生産力を持っているということになり、

脅威度はかなり高い。

高い工作精度がなければ作れない複雑な構造の銃を支給できる時点で豊かなのだろう。

古臭い内燃機関ながら戦闘ヘリを運用できる時点で優れた技術力を持っているに違いない。

 

「では行こう。

俺が制圧射撃でアグリー連中を引きつけてやる。

若造、お前は突破して自軍の現場指揮官と話をつけてこい。

間違ってもこっちに撃ってくるなよ、殲滅しなきゃならなくなるからな」

さらっと伊丹に銃撃戦の最中を突っ切って自衛隊の空挺団と話をつけてこいという総支配人の無茶な要求であった。

なお、-210年すれば総支配人の方が伊丹より五年以上若いのだが・・・

遠距離からの制圧射撃ということで総支配人もが正面から引き付けるから、レイダーT-60F2体に側面に回り込んでスーパーミュータントを撃ち殺すように指示する。

伊丹はその隙に銃弾を掻い潜って自衛隊の陣地に滑り込むだけの簡単な仕事だ。

銃弾が当たったら?

”災難と思って諦めな”(プレデター2感

 

「後退!後退しろ!」

ヘリが墜落し、搭乗者の救助に向かった自衛隊員であったが墜落現場の騒ぎに惹かれてやってきたスーパーミュータントの一団に襲撃され既に多数の死傷者を出していた。

これが開けた草原などで準備を整えた上での自衛隊であったならばスパミュも太刀打ちできなかったろう。

射程外からロケットや砲弾を撃ち込んでアルヌスのように一方的展開だったはずだ。

それをさせない為に接近戦に持ち込む程度の頭脳と分別と指揮系統は残っているのも元人間のスパミュが恐れられている理由だが。

なんでそんな余計なところだけは残ってるかって?

世紀末だからさ。

「ガッハッハっ!お前ら人間やっぱり弱い!兄弟は強い!サイキョー!ムテキ!

ここもスーパーミュータントのものになる!お前たちみんな新鮮な肉!」

調子に乗ったスパミュの一体が自衛隊員を殺して奪った64式小銃を右手で掲げて噴水のあった広場で振りかざす。

しかしそんな死亡フラグを満たしてしまったスーパーミュータントの命も長続きしなかった。

遠距離から飛来した赤い光線を受けてたちまち灰になるスーパーミュータント。

『あー!?兄弟やられた!?メタルマン!?メタルマンナンデェ!?』

『殺す!メタルマンもグリーンマンも殺して頭もぎ取る!』

二手に分かれて総支配人の方向に今度はスーパーミュータントが殺到してきた。

事前の計画もあっさり忘れて目の前の敵がいたらとりあえず叩きのめしに行くという実にわかりやすい行動だ。

・・・・唯一の計算違いは伊丹が進む方向とスーパーミュータントの一団が進む方向が被ってしまったことだろう。

 


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