MAD111 世紀末総支配人伝説 怒りのヌカ・ワールド   作:溶けない氷

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  私はアルファでありオメガである。最初であり最後である。私は渇く者には工場出荷したての炭酸が抜けていないヌカコーラのボトルからキャップと引き換えに飲ませる。
ヌカチェリーの書 第21章6節

Garden of Eden Creation Kit (G.E.C.K.) は Vault-Tec 社 の Future-Tec部門によって開発された惑星改造モジュールです。装置の目的は核戦争後の荒廃した大地を生き返らせることでした。設計や装置のコンセプトは Dr.スタニスラウス ブラウン (天才的で利己的なVault-Tecの研究者)によって作られ、完成しました。

アメリカの超技術の集大成
種類がいくつかある
2287年のマサチューセッツ州では遂に自立思考し行動、自動的に材料を収集し、農業・商業・住居・鉛筆から兵器まで生産する工業、娯楽施設、核融合発電所まで設営、巨大なVaultを短時間で建造し、敵を排除し、生命を創造し、自我を持ったロボットも生産し、文明を独力で再建し、従わない奴は説得(物理)もする最新機種が登場する。
言うまでもなく総支配人のことである。
予期せぬバグで世界征服を始めてもVault-Tecは一切の責任を負いません。

最近流行の異世界転移にはこれ持っていけばいいんじゃね?
時々即死級の核爆弾になるけど

ウェイストランド人
戦闘民族 
妖怪 新鮮な肉置いてけ 
死体は飾り
核爆弾を崇めたりする 
どうも志々雄真実級の超人が普通にいる様子

世紀末
文明が崩壊し、義務教育もないので文盲も普通
人間と区別がつかない人造人間が製造される一方で
殆どの人間は中世レベルの特地と比べても野蛮人扱いされてもやむを得ないほど


この世界では皇帝や領主の銅像とか街にありそう
だが一瞬で総支配人に解体され電球に変わる運命である

新アメリカ合衆国
帝国を消滅させた後に総支配人が特地に建設予定の国
総支配人 電気・水道・ヌカコーラ・核電池といった生活インフラの支配者
総支配人の血縁 科学者・市民
人造人間 エンジニア 
ロボット  総支配人に絶対服従の兵隊
レイダー 鉄砲玉
その他 知らんな、好きにしろ 

法律
力こそ正義!いい時代になったものだ 以上終わり

ヌカドルが公式貨幣
1ヌカドル=ヌカコーラ一本
タバコ・キャップ・薬・銃弾も通貨
硬貨?貯蓄?知らない概念ですね


地球・異世界を問わず貴金属・・・
硬貨や豪華な装飾品、王冠にも使われ王権の象徴には欠かせない・・・・
なのだがウェイストランド価値観では兵器の材料の一種でしかない
ベガスならともかく、連邦では牛糞とプラスチックが原料の最も安価な薬物のジェットと同じ価値しかない
こんなもんケツ拭く紙にもなりゃしねぇってのによ!状態の一歩手前

ヌカ・コーラのレシピ
世紀末的契約の書
門外不出の絶対権力の象徴 

民主主義
「昔は”でもくらしぃ”があって、世界は素晴らしかった云々カンヌン』
USS Democracy
「おっ、この船”でもくらしぃ”って書いてある!これが素晴らしいものだな!」
戦略核ミサイルがどっさり
「そうか、”でもくらしぃ”とはこういうことだったのか!
これが”けーもー”ということなのか。アトム様を讃えよ!」


Battle without Arms

自衛隊を代表して伊丹二尉、帝国を代表してピニャ皇女とハミルトン、

ミュイ伯爵令嬢とそのお付きの執事にメイド達、通訳としての役割を果たしたいとレレイが中心として同行することとなったが

問題は誰が共に同行するかという問題だった。

「桑原曹長はここに残って万が一に備えてください」

「しかし、誰かが付いて行くべきでしょう・・・」

「いえ、戦力の面から考えても小銃を持てる隊員は一人でも失うわけには行きません。

まぁ、俺のわがままですがね・・・・」

伊丹隊長はせめて自分の部隊の隊員は万が一が起こったとしても失いたくないという普段の勤務態度からは離れた責任感を見せた。

「それなら・・・私も行きます!」

と、元気よく手を挙げたのはエルフのテュカだが

「駄目、レレイが付いてきてくれるだけでも十分危険なんだ。

これ以上、危険を増やすわけにはいかない」

とはっきり断られしゅんとしてしまった。

伊丹としては気持ちは嬉しいが、これ以上の危険は冒せないと・・・

と思いきや

「それなら私がついてくわ、ヨージって何となく放っておけないし」

とちゃっかりいつのまにか出発組の側に混じっていたのはロウリィだった。

「ちょ!駄目ですよ、言ったでしょ万が一に備えてこれ以上の人員は割けないって・・・

それに怪我してるじゃないですか」

「怪我ならもう心配いらないわよ。その万が一に備えるために私がついて行くのよ。

大丈夫、いざって時には大暴れすればいいだけだし」

「確かに・・・って!交渉ぶっ壊れること前提にしちゃダメですから!

それより、伯爵令嬢は大丈夫ですか?その・・・」

 

レレイが翻訳するが、伊丹が言いたいことはわかる。

あまりにも幼すぎる

「ご懸念ご尤。しかし私もお飾りとはいえ領主としての責務と誇りがございます

・・・・本来ならば私達があなた達を巻き込んでしまった形の筈ですのにね・・・」

と、この事態を収めることに集中している。

むしろ、ここまでやってくれた伊丹達偵察隊と今も本来は敵のはずなのに死傷者を出している自衛隊に感謝していた。

 

伊丹達交渉団も白旗を掲げてゆっくりと相手が”話し合い”の場所に指定してきた場所の商館に六人が用心深く歩いてくる。

向こうは5人でくるとパシリが伝えてきた・・・

伝えてきたのだが・・・

 

 

「止まれグリーンマン。

フゥン、お前が例の異界の軍隊の兵隊だってか?

ひ弱なグリーンランド人を10万人ほど殺せた?だから何だ?

ここにはご自慢の榴弾砲は持ってこなかったのか?あるいは迫撃砲か?」

交渉の場に指定された建物の物陰から相手が銃を構えながら姿を現した。

商館に入るなり巨大なミニガンを突きつけられました。

と、いうか全員がこっちに銃を突きつけているんですけど・・・

今の伊丹は64式小銃を提げて対抗しているが、ミニガンを構えたパワーアーマー3体とどちらが有利かは考えるまでもない。

5人の内訳は青くてでかいのが一人、美人が一人、黒い鎧が2人に犬が一匹・・・

犬?いや人じゃないんですけど・・

そのうちに美人がこっちに銃を向けながら伊丹に話しかける。

「おかしな真似は無しだグリーンマン。

今、指一本でも動かしたら壁をあんたの脳みそでペイントするからね」

レレイが顔を蒼ざめながらマイルドに通訳するが、伊丹にもそのおおよその意味はわかる。

そういうなり物凄い力で大男が伊丹を壁に押し付け身体検査をし

荒々しく小銃と手持ちの9mm拳銃をもぎ取る。

ロウリィが動こうとするが伊丹は制して武器を置かせる。

「あんたらもだ、グリーンランダー。

バラバラ死体になりたくなきゃ武器をそこの箱の中に置きな」

『断る!我らは交渉に(BANG!』

毅然とした態度で臨もうとしたピニャであったが顔のすぐそばをマグスの44マグナムの弾丸が過ぎ去っていった感覚にへたり込んでしまった。

「おい、そこの嬢ちゃん。私のフランクに伝えな。

言うことを聞け、さもないと殺す』

レイダーの方々の威圧的な交渉にはロウリィもムッときて斧に力を込めるが、

その時に部屋の奥、青い鎧の男の空っぽで凄まじい殺気が全身を襲った。

(な・・・何よあれ・・・)

レレいの馬鹿げた噂話も納得だった・・・亜神の自分ですら未だにあそこまでの境地には至っていない。

そう、何の感慨もなく平然と人を”必要だから”殺す。

楽しむわけでも、狂気に駆られてでもない。

ただ、淡々とつまらない仕事をこなすように・・・

(面白いわぁ・・・・ヨージと出会ってから・・またこんな逸材に出会えるなんてね。

これも我が神のお導きってやつかしら)

ロウリィはこの傲慢な人間どもがどういう結末を出すのか亜神として見守ることにした。

 

『そこまでだ、マグス。必要はない』

『ちょっと!これは私の仕事で・・』

『この場の決定権はこの交渉が始まった時点で俺に移った、こいつらが話をしたいのは俺だ』

そう言うと、部下を下がらせ青い鎧の男が6人の目の前に出てくる。

伊丹もピニャもミュイもその巨体に圧倒されるように内心では緊張するが、背を伸ばし凛とした態度で臨む。

『さて、私が”総支配人”だ。要求はすでに伝えた。

受け入れるか、死ぬかどちらかだ』

開幕にこのど直球な脅し、だがウェイストランドでは紳士的な部類に入る。

 

『よろしいでしょうか、総支配人殿。

あなた様の要求はこうでした

”町の物資と人員を総支配人に献上しろ”と』

ミュイは総支配人からの要求には簡潔だけに交渉の余地はあると感じていた。

大雑把な要求は書かれていないことは話せという意志の表れだ。

『いかにも』

 

その点は断れないだろう、ならば受け入れて次に託すのみ。

『わかりました、献上いたしましょう。あなた方のお力は領主として伺っております。

抵抗は無意味、それもまた分かっております。

代わりに提案をよろしいでしょうか?』

 

『提案?聞こう』

 

『この町をあなた様の支配下に置き、一方では”ニホン”と”帝国”の商人に対しては自由で開かれた自由都市として開放致したいと商人たちが要望しております

つきましては我が家がイタリカ領主であり続けることと、

我々に引き続き自衛の為の武装と防衛の強化にご助力いただきたいのです』

 

『面白いことを言う。名目上は私に臣従するが、実質的には自由都市にせよと?

私にとってどんな得があると言うのだ?

お前たちが武装を強化し、”帝国”や”ニホン”と組んで私に反旗を翻すのを私が助けるようなものではないかね?』

 

『ご覧の通り、この街は今大きな被害を受けてしまいました・・・・

あなた様にとっては雑魚同然のたかが600の野盗ですら我々を打ちのめせるのです。

更には新しく出現した緑の怪異にとっては私どもの壁は薄衣も同然でした。

このような状況では商人たちがこのイタリカの街を出て行ってしまうでしょう。

防備の弱い街を拠点とする商人なぞ居りませぬゆえ。

そうなればこの街は自然と衰退し、領民の流出に歯止めが効かなくなればあなた様が臨む”農作物”すら献上できなくなりますでしょう

ゆえにこの度のあなた様の攻撃も無駄足だったと言うことになります』

 

『ほう・・・・献上品の安定供給を盾に逆に私を脅すか、子供ながらよくやる。

お飾りの領主だと聞いていたが、なかなかどうしてやるじゃないか』

 

総支配人は考える・・・確かに農民が逃げ出してしまってはここでなら順調に育つ可能性が高いヌカ・コーラの原料となるパッションフルーツの供給も危うくなってしまう・・・

ただでさえ、新しいヌカコーラ本位制度をスタートさせようと言うこの時期に大きな供給元でぐずつくのはまずい。

『たとえ、我々が力をつけたとしてもそれがどうしたと言うのでしょうか?

蟻がねずみに変わろうとドラゴンの前では無力であることは同じ』

 

この子供・・・実にあざといな。これで10歳かそこらか?

成る程、貴族という存在が人々の上に立ち続けられるわけだ。

 

『いいだろう、総支配人が安全を与えお前たちが農作物を献上する。

だが人質なしというわけにはいかないぞ?』

 

『もちろんです、大事な私の叔母を忠誠の証としてお受け取りください』

 

実のところ、ミュイを差し置いてイタリカの実権を握ろうと画策するあの二人を排除することもできる策だが

勿論総支配人は知らない。

 

『それで”ディール”だ.

・・・・さて、そちらのおふた方はどうかな?』

今度は伊丹とピニャに血がこびりついたスワッターを右手で玩びながら話しかける。

 

『話は聞いている・・・ピニャ皇女・・・皇帝の3女、だからなんだ?

そして・・・・お前はなんだ?迷彩服の東洋人?

お前は何者だ?チャイニーズなのか?

なぜここにいる?なぜ帝国と共闘している?

お前が属している軍隊は何だ?』

矢継ぎ早に伊丹に質問を浴びせかける総支配人だった・・・

例の軍隊がチャイニーズだったら盗んだUSSデモクラシーの SLBMで別のゲートを核攻撃しよう。

これが民主主義の力だ!(核爆発)


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