前回の投稿から間が開いてしまってすいません。何せこちらを書く時間的な余裕がなかったもので・・・。
久しぶりのくせに相変わらずの駄文ですが、生温かい目で読んでくだされば幸いです。
話がまとまり、八幡と紗夜は模擬戦のためにそれぞれ定位置についた。
「...んじゃ、準備ができたらお前のタイミングで始めてくれ。」
八幡はそう言い、武器も構えずに紗夜を待った。
「...分かった。」
一方の紗夜はそんな八幡を気にした様子もなくマイペースに武器を構える。
「...準備オッケー。」
-模擬戦開始-
模擬戦の開始と共に紗夜は煌式武装の引き金を引く。
「三十八式煌型擲弾銃ヘルネクラウム...《バースト》。...どどーん。」
何やら気の抜けるような声とは裏腹の、いかにも食らったらアウトな感じの弾丸が放たれた。
「それはヤバイな。」
八幡はその弾丸を人を避けるかのように避けた。普通に見れば回避自体難しいはずだが、八幡にすれば特別難しくもない。
弾丸は八幡の後方で爆発し、凄まじい爆音と共にトレーニングルームの床をえぐった。
「...ほんと、とんでもない威力だな。流石にこれを食らったら俺でもヤバイわ。」
「...こともなげに避けておいてよく言う。」
二人は顔色を変えずに話す。と同時に今のたった攻撃し、たった一回避けただけの攻防について考えをまとめていた。
(確かに威力は上々。銃の腕も申し分ない。だけど一発一発のインターバルは長いっぽいな。)
(完全に見切られた上で避けられた。多分この距離で単発じゃ一発も当たらない。でも連射もできない。ならもう少し近づくか...。)
僅かな硬直の後、先に動いたのは八幡だった。一気に紗夜との距離を詰めて接近戦に持ち込む。
「じゃ、今度は接近戦だな!」
そう叫びながら武器を持たずに一気に殴りかかる。右のパンチからのミドル。そこから左の裏拳と流れる様に攻撃を仕掛ける。
「っく!!」
その連撃を紗夜はなんとか凌いでいる。
「へぇ...これはこれは。」
八幡は攻撃しながら素直に関心していた。言うまでもなく八幡は体術に関しても超一流の域に達している。確かにある程度の手加減はしているものの、それでも簡単に捌ききれるようなぬるい攻撃ではない。そもそも八幡の手加減した状態が既に《冒頭の十二人》クラスなのだ。仮に序列外の者や、接近戦を不得意としている者ならば、とうに校章を砕かれているだろう。恐らく序列5位のユリスでも同様だろう。
だが紗夜はギリギリと言っても八幡の攻撃を回避している。しかもばかでかい
紗夜が遠距離戦を得意としていることは間違いないだろうが、動きをみる限り紗夜は接近戦の心得もあるようだ。それも序列上位に入れるレベルで。
「十分だな。」
そう呟くと八幡は紗夜から距離をとった。
「...なぜやめる?」
紗夜はそんな八幡に首を傾げる。紗夜からすれば、先ほどの接近戦での攻防はかなりギリギリだった。あのまま接近戦を続けていたら間違いなく遠くない内に校章が割られていただろう。
「いや、もう十分お前の実力を見ることはできたからな。」
だが八幡の目的はあくまで紗夜の実力を見ることであって、模擬戦に勝利することではない。
「上等だ。お前の実力なら小町のペアとしては文句ない。っつーかむしろ小町の方が足を引っ張るかな、こりゃ。」
「...で?もう模擬戦を続ける必要はないと?」
普段と変わらない無表情に僅かに不快の色を乗せて紗夜は八幡に問いかけた。
「お前が続けたいなら続けるが?」
「なら続ける。」
「...即答かよ。」
この即答は八幡としては意外だった。紗夜は何か理由がないとこういうものは面倒に思うと考えていたからだ。
「きっちり勝負はつける。あと手加減しないで欲しい。」
だが、紗夜はそれ以上に負けず嫌いでもあった。
「...わーったよ。じゃ、なるだけ全力でやらせてもらうよ。」
八幡はそう言うと小太刀型の煌式武装を取り出した。
「それでいい...バースト...どどーん。」
八幡が構えるとほぼ同時に紗夜はヘルネクラウムを撃った。それに対して八幡は避ける素振りを見せずに煌式武装を振り上げて...
「ふんっ!」
弾丸を真っ二つに叩き切った。
「なっ...!」
信じられないといった様子で固まる紗夜。それもそうだろう。避けられるとか盾のようなもので受け止められるくらいは想定内だが、明らかにサイズの足りない小太刀で綺麗に2つに切られるなど想定しているはずがない。仮に普通の剣や刀ならすぐに次のアクションを起こせたかもしれないが。この硬直に関して紗夜を責められようはずもない。
だが結果的にはその硬直がいけなかった。その一瞬の隙を八幡が見逃すはずがない。八幡は一瞬の硬直の隙をついて一気に紗夜に近づき...
-模擬線終了-
紗夜の校章を2つに切った。
ありがとうございました。
次回の投稿も間が開いてしまうことになると思いますが、よろしくお願いします。