閻魔大王(真)と英雄王(偽)♀の物語   作:オキカ

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新しいネタ?を思いついて書きました。


序章
プロローグ[1]


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ーーーー????sideーーーー

 

ーー俺は、退屈で死にそうだ。

 

 

俺は閻魔大王。

地獄を統べる魔王。

 

 

 

今日も1日、地獄は平穏だ。

死んだ人間の魂が降りて来て、ソレを鬼と死神が捕まえる。

何の異変も無い平和な世界だ。

 

 

閻魔大王「…今日も居ないか」

 

 

俺は誰にも聞こえない様に小さく呟いた。

 

 

 

????「お前の興味を引く者か?」

 

 

 

ーーーふと、背後から声が聞こえた。

 

俺は振り返り、その声の主を見て少し溜息を吐いた。

 

 

閻魔大王「ハーデスさん、か…」

 

 

その人は俺の上司ーーというより、俺の師でもある冥王ハーデス。

 

 

俺はハーデスさんの姿を見て、再び溜息を吐いて疑問を投げかけた。

 

 

閻魔大王「何故、ここに?」

 

 

 

ハーデス「いやぁ、後輩が何か悩んでるらしいからな。その話を聞きに来たんだよ。まぁ、あんまり聞くまでも無い様だが…」

 

 

俺は仕方なく最近の悩みをハーデスさんに打ち解けた。

 

 

 

閻魔大王「ハーデスさん。俺…この地獄を統べる魔王になってから、ずっと感じてた事があるんだ」

 

 

ハーデス「ほう?何だ、言ってみろ」

 

 

俺はハーデスさんに向き直って、愉悦に染まったその顔を捉えながら話した。

 

 

閻魔大王「……さっきもアンタが言ってただろう?そう、俺の興味を引く者が居ないんだよ。この地獄ーー否、この世界には」

 

 

 

 

俺の最近の悩み。

それは、俺の興味を引く者が居ない事。

 

昔はまだ唯の鬼神だったから、色んな奴とも戦ったし、色んな女とも遊んだ。

果てはエジプトの太陽神ラーとも喧嘩した程のヤンチャっぷりだ。

昔ーー神代の頃は、とにかく楽しかった。

地球()』を滅ぼせる力を持つ奴が沢山いて、あらゆる世界がまだ一つだった時代。

 

あの頃の俺は、とにかく色んな事に興味が湧いて楽しんでいた。

 

 

ハーデス「成る程な。つまりはお前…」

 

 

閻魔大王「ああ、そうだ。俺は今、物凄くイラついてんだ。何一つとして俺を楽しませる事が出来ない。昔はいた神々や英雄達も神秘が廃れたこの時代では、ロクに信仰を集める事が出来ないでいる…」

 

 

ハーデス「あぁ、俺達もそうだ。特に俺なんかはお前よりも信仰が少なくなった。今じゃあ、そこいらの土地神共を下回る程の信仰度だ。このままでは…」

 

 

閻魔大王「ああ。俺達も消える」

 

 

 

俺達みたいな神々や神格化された英雄は、基本的に人間の信仰を集めてその存在を保っている。

世界最古の古代文明メソポタミアよりも前の神々は、西暦が始まった頃には消滅してしまった。

何故ならば、その神々の記録も無ければ、その神々のことを記憶している人間もいないからだ。知名度が薄れれば薄れる程に神々は衰退していく。

 

ハーデスさんはギリシア神話で最高位の知名度と信仰を誇る神なだけあってちょっと薄れた程度では消滅しないが、ここ最近はギリシア神話のオリュンポス十二神の神々が消滅している。

 

俺もインドや日本、中国ではそれなりの知名度と信仰を集めているので少しくらい信仰率が落ちた程度では消滅しない。

 

 

 

ハーデス「人間達は自分達の文明だけで生き延びている。俺達神々が出張る必要がもう無いのだろう」

 

 

 

閻魔大王「その結果がコレか。…フンっ、笑わせるぜ。人間が自力で生き延びれば生き延びる程に、俺達みたいな神々はどんどん死に絶えていくのか……」

 

 

 

俺達は、自身の未来に失望している。

人間に寄生しなければ生きられなくなった神々はこの世界ではもう長くは続かない。

 

なんの変化も異変も現さなくなった退屈な地獄を眺めていると、ふと地獄の天蓋から懐かしい気配を感じた。

 

 

 

閻魔大王「何っ…?」

 

 

ハーデス「この気配は……!」

 

 

 

俺達が地獄の天蓋を見つめていると、虚空に次元を割ったかの様な穴が空いた。

 

 

 

閻魔大王「まさかアンタが来るとは…」

 

 

ハーデス「……俺も驚いた」

 

 

 

そして、その虚空から一人の豊穣神が舞い降りた。

 

 

 

??「久方振りだな、冥界の王達よ」

 

 

 

閻魔大王「古代メソポタミアの守護神」

 

 

 

ハーデス「豊穣神、エア……」

 

 

 

ーーーー閻魔大王sideoutーーーー

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プロローグは二話構成で行きます。

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