インフィニット・ストラトス~龍神と白猫と自由   作:天龍神

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白き侍と紅き巫女の覚醒

まさか銀の福音を囮にされてしまうという元時空管理局上層部だった者の逆恨みの罠によって意識を失って負傷してしまった天夏と弥生は異世界の医師たちが治療を施していたのであった。

 

未だに弟の死を受け入れられない織斑千冬は天夏と一夏を重ねていたのである。

 

「龍美さん‼ 天夏と弥生は‼」

 

「一命はとりとめたが、後は意識が戻ればの話になる」

 

「貴様らの所為だ‼ あの時、もう少し早く来ていれば‼」

 

「だからって、暴力を振るうのはどうかしてるわよ‼」

 

「部外者は引っ込んでろ‼」

 

「部外者? あなたが謹慎中に赴任してきた、スコール・ミューゼルよ」

 

治療を行っていた医療チームがやってきたので、朱音達が二人の容態を聞くと一命はとりとめたがまだ意識がはっきりしないというのだ。

 

そして、織斑千冬は今度は龍美に殴りかかったところで、ミューゼルに腕を掴まれて、止められたのであった。

 

【朱音、あなたがどうしようと、あなたに付き従います、それがわたし達の役目です】

 

【行くのだろ、戦場へ‼】

 

「ああ、もちろんだ‼」

 

「待ってください‼ 指示が・・・」

 

「オレは残ります、天夏と弥生のことが心配ですから」

 

「それが妥当な判断です、弾さん、咎める気はないですよ、わたしも軍師でしたから、では、通信しながらこちらから指示を出しましょう‼」

 

朱音が天夏の代わりにパーティーメンバーを率いることになったので、ディセンダントは主に従うと言い、他の装甲機竜も決まっていた、朱音達はもう一度、空へ向かったのであった。

 

山田先生が止めることが出来ずに、弾はこれが死ぬかもしれないという恐怖に襲われてしまったので、ローエンが行くのも自由と諭して、弾は親友の側にいることにしたのであった。

 

天夏と弥生は別々に不思議な空間にいたのであった。

 

「ここは?」

 

「お待ちしてました、先導者」

 

「まさか?」

 

「はい、わたしは織斑千冬が乗り込んでいたあの忌まわしきIS、白騎士のコアだった者、今は、宝石の精霊の一柱、サロメと言います、念話であなた様に語り掛けています」

 

「やっぱり、あの事件は‼」

 

「はい、織斑千冬が篠ノ之束を唆す形でやらせ、わたしを無理矢理に使役して行った行為です」

 

「そうか、サロメ、オレを先導者として受け入れているのか?」

 

「はい、この身と剣は主、織斑一夏もとい天河天夏のために」

 

「命令だ、オレと一緒に戦ってくれ‼」

 

「承知いたしたしました‼」

 

不思議な空間で、白銀の甲冑を身に着けた女騎士が歩み寄って来て、天夏の前で跪いて白騎士事件のことを全て明かして、天夏はその女騎士サロメに一緒に戦ってくれと命令として言ったのであった。

 

サロメはもちろんだと言い、光に包まれたのであった。

 

「また、来ちまったんだな、リヴェータさん」

 

「ええ、それと」

 

「力を貸すでござるよ、弥生殿」

 

「ボク達は弥生だよ」

 

「あなたはわたし」

 

「ありがとう、わたしは「一人じゃない」、最後にしようか、「篠ノ之箒」して最後の仕事だ‼ 力を貸してくれ‼」

 

「勿論(よ)(だよ)(ござる)‼」

 

弥生は和風庭園で満月の光が照らす夜空の下で、リヴェータを含む容姿が様々な自身の人格に手を引かれて起こされて、そして「篠ノ之箒」として最後の仕事を果たすため現実世界に戻って行ったのであった。

 

「天河君‼ 朝宮さん‼」

 

「弥生‼ おまえ‼」

 

「・・・・」

 

「嘘でしょ、感情が‼」

 

「行こうぜ‼」

 

「ダメです‼ 特に、朝宮さんは‼」

 

「行かせてやれよ‼」

 

「わかりました」

 

意識が戻った二人は起き上がって、朱音たちの元へ向かうことにしたのだが、弥生の目にハイライトが無かったのであった。

 

山田先生が止めに入ったが弾とアドリビトム組から応援で駆け着けてきたガラド達の後押しをされて、天夏は感情が壊れているが心の炎を燃やし続ける弥生を連れてまた空へ向かったのであった。

 


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