剣心によって心を取り戻したが、織斑一夏は幻想郷の生活と修練で培った魔力が災いして、ISを起動させてしまったのであった。
箒も、剣心が約束していた、中学卒業という期限を終えて、強制的に天馬と離れ離れになってしまったのであった。
「箒‼」
「天馬、ごめん、わたしは」
「大丈夫‼ 箒、いい、適正が無いだろうが関係ないよ、いつか、ボクが会いに行くから‼」
「ああ、元気でな」
天馬と一緒に野井原の地の学校を六年間過ごした箒は、ISのことをすっかり忘れて、統合失調症の症状も無くなったのである。
その間、箒は、実家が道場なのだが、天馬の武術に魅了された結果、天馬と同じ、天然理心流という、あらゆる分野の武術を学んだのであった。
そして、天馬は、次元転送で、箒を、実家の神社まで送り届けて、いつか会いに行くと約束を交わし、お互いの絆を深めたのであった。
その約束から、一週間が過ぎたのである。
そうあの事件、ルエル・サクラリッジのIS学園襲撃事件だ。
その被害は、アリーナを破壊し、ISすら、鉄屑と化し、唯一汎用機竜を纏っていた、異世界からの留学生、ルクス・アーカディアだけが魔物と戦い、連絡が遅れたことで到着が遅れた、龍美達が、すべての魔物を倒したが、織斑一夏を含む、総勢六人の命を失ったのであった。
それから一週間が過ぎた。
「IS学園前に到着‼」
「戻ってきたんだな、オレ達」
「ああ、ケリをつけに行くか」
「大丈夫かな、ボク達」
「安心して、星奈はわたしが守るから‼」
「行きましょ、織斑千冬とカタを付けに」
IS学園襲撃事件から二週間、四月の半ばを迎えるころ、ルーントレインという魔法の線路を走る列車から降りた六人の姿があった。
六人は、転入先のIS学園の門を潜ったのであった。
「皆さん‼ おはようございます‼」
「・・・・」
「実は、今日は、このクラスに転入生が来ます、五人です‼ 入ってきてください‼」
織斑一夏を失った被害は所属していた一年一組にも出てしまったらしく、完全に、ISという物に、恐怖を覚えていたのである。
副担任の、見た目は完全に学生しか見えない、教師、山田真耶が、転入生が来ることを言って、入ってくるように言ったのであった。
「それじゃ、自己紹介、お願いしますね」
「朝宮弥生だ‼ ヴェスタWSCの所属だ 特技は、武術とギターで、趣味は、ガーデニング、よろしく‼」
「スミレ・セイグリッド、ヴェスタWSCイギリス支部に所属しているわ、特技は、武芸、趣味は、裁縫、よろしく」
「弥生達と同じく、ヴェスタWSC所属、獅子神星奈、特技は、歌とダンス、趣味は、散歩、よろしく」
「同じく、ヴェスタWSCに所属している、御子神なぎさ、特技は、武術、趣味は、読書、よろしく」
誰も、女である四人に目もくれてなかったようで、
「同じく、ヴェスタWSCに所属している、天河天夏です、趣味は散歩と読書、特技は武芸全般、家事全般、よろしくお願いします‼」
「運気は来たわ‼」
「これで、心置きなくISに専念できる!」
【なんだ、この娘どもは‼ 男に飢えているか‼】
男である天夏が自己紹介をすると学園全体に響くほどの、声音で女子達の説教が響き渡ったのであった。
天夏達が席に着こうとした時、
「織斑千冬・・・先生」
「教師でありながら」
「正面から向き合えないんですか‼」
「出席簿だけで済んだことをありがたく思ってくださいね」
「おまえら‼ ちゃんと自己紹介を・・・」
「誰と勘違いをしているんだ。オレ達は、先生が知っている死んでいった奴らとは別人だ」
「チッ‼」
背後からの襲撃を察知した五人は、一斉に、背後から迫ってきた出席簿だけ攻撃して、出席簿が宙を舞い、襲撃者の頭上に落下したのであった。
その人物こそ、ISを世に広めた人物、モンド・グロッソ二連覇を果たした、ブリュンヒルデというお飾りにしがみ付いた、織斑千冬が怯んでおり、天夏達を睨んだが、天夏達が放つ気に圧倒されて、舌打ちをして、教壇に立ったのであった。