実技訓練前の模擬戦では実戦経験が豊富な理輝とアンナの貫録勝ちで終わり、専用気持ちによる講習が行われたのであった。
アンナは本当に素人なのかと疑いたいくらいに教師顔負けで漆黒騎士イリア直伝の教え方で教えていたのであった。
男子一同に群がったのは言うまでもない。
「お姉さま、どうして転入してきたんですか<`~´>‼」
「愛しい妹の為ですわ(^_-)-☆」
「どうするんですか、公務とかは‼」
「お父様達から、頑張って、織斑千冬を倒して来いと応援されたんですわよ‼」
「アンナは自給できるし、大丈夫だろ、それに引き換えあの暴力教師、家で酒ばっかのんでんじゃねぇ?」
「うん」
「フィルフィ、頷かなくても(´・ω・`)」
時は過ぎて昼休み、天夏達はお弁当を持ち寄って屋上のベンチに腰掛けてアンナがIS学園に転入してきた経緯を物凄い剣幕でスミレが問いただした所、転入するからには、織斑千冬を倒して来いという絶対条件を引っ提げて、チェルシーやウィリアムからも背中を押されたと答えて、アンナは大丈夫と弥生が言い、織斑千冬の自活力のことを暴露したのである。
フィルフィは龍姫に作り方を教わった、玉子焼きを食べながら頷き、ルクスは呆れた。
天馬達は相変わらずの様子だった。
一方で、
「聞いた? 織斑千冬が逮捕されて、今謹慎中らしいわよ」
「なんでも、理事長が雇っていた警備会社の人にISで襲い掛かったらしいのよ」
織斑家がある住宅では奥様方の井戸端会議が先日の伐刀者達の襲撃で理事長が天夏達を通じて雇っていた龍姫達をIS部隊が襲ったという内容だった。
「襲われた人は大丈夫だったらしいのよ、逆に、返り討ちにしたらしいのよ」
「それも、色男だって噂よ」
どうやらマスコミなどが謎の黒髪剣士ことユーリのことを記事に書いていたらしく、奥様方の井戸端会議は盛り上がっていたのであった。
「わたしはあいつらを許さない、わたしから一夏を奪った、紫仮面、そして、ユーリ」
織斑千冬は自宅謹慎なのか、台所でまたもや酒に溺れたらしく、弟達の命を奪ったのはルエル・サクラリッジなのだが、現在、生死不明と知らず、完全に龍姫達に憎悪を燃やしていたのであった。
「簪、送って行こうか?」
「大丈夫」
「よっこいしょと」
「キャ‼」
「困ったときはお互い様だろ、四組に送って来る‼」
「お~い、松葉杖、置いてってるぞ‼」
「それ、ボクが持って行ってあげるよ」
「そうね、簪はアタシ達と同じクラスだし」
「それじゃ、ルカ、イリア頼んだ」
屋上でお弁当を食べた天夏達は道中で学年別トーナメント襲撃事件で、負傷した簪と遭遇したので、弥生が慣れた様子で簪はお姫様抱っこで抱え上げて、簪のクラスに送り届けることにしたのだが、簪が使っていた松葉杖を置いて行ったので、偶然通りかかったルカとイリアに預けて、自分達のクラスに戻ったのであった。