なんとか暴走してカルラを助け出したのも束の間でISを纏った教師部隊に囲まれてしまった天夏達は、ユーリ達が殿を引き受けたことで突破口が出来たのでグライヴがお姫様抱っこで抱えて医務室まで運ぶことになったのであった。
「ったく、オレ達に構う癖に、侵入者には目も暮れねぇか」
「ISが最強なのよ‼」
「知るか‼ ハートブレイク‼」
「筋肉野郎に神聖なISがΣ(゚Д゚)‼」
「オレ様のこの鍛え抜かれた肉体相手に、そんな機械で挑むからそうなるんだ‼」
と完全に素手で上半身裸のノイシュタットの闘技場のチャンピオンのコングマンにはISの攻撃は簡単に避けられた挙句に破壊されたのであった。
「円閃牙‼ モンド・グロッソ二冠の織斑千冬、どうしたよ?」
「く‼」
「こんなおもちゃに乗ってる奴にオレが負けると、笑わせるな‼」
「嘘、あのブリュンヒルデが男に弄ばれてるΣ(゚Д゚)‼」
モンド・グロッソ二冠の織斑千冬と言ったところだろ、だが、それはISに関してで、幾多の戦場を潜り抜けてきたユーリが相手である以上、ユーリの我流剣術にはISの剣術は通用しないのだ、それを目の当たりにしたほかの教師達は我が目を疑ったのである。
ISを纏えば最強の織斑千冬がいとも簡単に生身でニバンボシと呼ばれる日本刀を振るっている男のユーリに完膚なきまで遊ばれているのだから。
「おまえは人にものを教える器じゃねぇよ‼ 飛ばして行きますか‼」
「‼」
「人間が光ってるΣ(゚Д゚)‼」
「オーバーリミッツすら知らないとはな、どんだけISに頼ってんだよ‼」
「わたしはぁっぁぁあ‼」
ISによって歪んだこの世界にケリを付けることにしたユーリはオーバーリミッツを発動し虹色の闘気を放出したのだが、初めてみるオーバーリミッツに目が点になったIS部隊はまさか人間が光るとは思ってなかったのだから仕方ないのだ。
オーバーリミッツで強化したユーリはそのままIS「打鉄」を纏った織斑千冬に特攻していったのである。
一応サブマシンガンが搭載されてるがそんな武器ですらユーリには通用しないくらいの戦場を潜り抜けてきたのだ、織斑千冬にありたっけの技を叩き込み、そして、
「お終いにしようぜ‼ 閃け‼ 鮮烈なる刃‼ 無辺の闇を鋭く切り裂き‼ 仇名す物を微塵に砕く‼ 決まった‼ 漸毅狼影陣‼」
「わたしぁぁっぁぁぁぁぁ‼」
「ISのこと何にも知らねぇオレたちが言っても説得力ねぇかもしんねけど、篠ノ之束はISをこんなことに使うために作ったんじゃねぇ‼」
「嘘‼ 嘘‼ 嘘・・・・・ブリュンヒルデが男に負けた・・・」
IS「打鉄」が只の鉄屑になり果ててコアは無事だが気絶したブリュンヒルデこと織斑千冬に向けてユーリが篠ノ之束はそんなことのためにISを作ったのでないと言って、いつ拾ったのか鞘に刀を納めて、アリーナを仲間達と一緒に後にしたのである。
IS教師部隊はこの光景を目の当たりにしても受け入れずに、ただブリュンヒルデの落日を見てるのであった。