Aブロック初戦がまさかの天夏達に喧嘩を売りに来たドイツ軍からやってきたなぎさがラウラ・ボーデヴィッヒだったのと同じクローン技術で産まれて、同じ遺伝子を持つ双子、カルラ・ボーデヴィッヒと、人見知りが酷いコミュ障のグレイヴペアだったのである。
「天夏、わたしは、あのドイツ野郎を相手するから、グレイヴを頼む」
「一度、グレイヴとはやりたかったしな」
【いつでも、クロスブレイクライドなどできますよ、ですがイサミ様から教わった明鏡止水は使用禁止です‼】
【あの技は、ISにとっては反則だしな】
「承知‼ 天夏、上に注意だ‼」
試合開始と同時に天夏&弥生ペアはお互いの役割分担を決めて、二手に分担する作戦を決行したのである。
それに対して、カルラは自分の専用機「シュヴァルツ・ハーケン」という黒い遠距離型でAICというISをバインドする機能が搭載されているが、相手が神装機竜なので通用しないことに気づいてなく、ペアのグライヴのISより自分のISの方が上だと思っているのだった。
言っておくが、グライヴのISは十五世代のISなので、カルラのシュヴァルツ・ハーケンより五倍も世代が進んでいるので、
「もらった‼」
「おまえのお得意の死角からの串刺しか、厄介だな、虎牙破斬‼」
「退け‼」
「祓い給え‼ 清め給え‼」
「チッ‼」
「わたしがいること忘れんなよ、これダッグマッチトーナメントなんだからな」
「どこ行ったΣ(゚Д゚)‼」
一瞬で武術に置いて死角になる頭上に回り込み、愛用の槍と同じ形の槍で天夏に串刺しを仕掛けたが、実地研修と日頃の修練のおかげで避けて、反撃をしたのであった。
カルラはダッグマッチトーナメントであることを忘れていたのか、グライヴをそっちのけでプラズマを纏った空手チョップを繰り出してきたが、拡張領域から義姉とお揃いの弓と同じ名前の弓「天鹿児弓」を取り出して、上空から矢を放って、カルラを挑発し、ステルス状態になったので、管制室並びに会場が大騒ぎになったのであった。
「もう‼ あの子ったら‼」
「いいじゃねぇか」
ヴェスタWSCの役員で潜入していたカスミは、義妹のやりたい放題を試合会場で見ていたようで、厭きれてたようで、近くにいたユーリが励ましていたのであった。
「朝宮‼」
「此処だ‼ カスミお姉ちゃん直伝‼ 桜天鐘打‼」
「おいおい、火だけじゃないのか?」
「何ってるんだ? 属性はグライヴが三属性使えるから、そんなに驚くことないだろ?」
【かげろうは火属性が得意なクランですし】
管制室から織斑千冬が放送で怒り出したので、弥生はステルス状態で、天夏に気を取られているカルラの死角から素手で、地水火風の四連撃を叩き込んで、吹っ飛ばしたのであった。
天夏もグライヴと鍔迫り合いをしながら弥生と話すほど余裕があるので、突っ込んだのであった。