インフィニット・ストラトス~龍神と白猫と自由   作:天龍神

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覆水盆に返らず

ゴールデンウイークを迎えて各自で楽しんでいる頃、IS学園では、

 

「強い、しかし、間違った強さだ・・・ふざけるな‼ 何が間違った強さだ‼」

 

ブリュンヒルデの名誉を掲げて、まるで日本版ヒトラーのように独裁者丸出しの問題発言並びヴェスタWSCの専用機奪取など実行しようとした、天夏の転生前の実姉、織斑千冬は、寮長室で、会議室で、天馬に言われた言葉が頭から離れないようで、いまだに天夏達に勝手な憎悪を表していたのであった

 

自らが犯した罪を受けるどころか、棚に上げた。

 

一方、

 

「もうすぐ、釈放か、けど、わたし、みんなに迷惑かけちゃったな、特に、箒ちゃんは、死んじゃった、もう謝ることもできない‼」

 

「篠ノ之束、面会だ」

 

「はい」

 

天界の更生施設の独房で、自らの過ちを織斑千冬と違い、悔いて、自分が作ったISによって実妹、箒は転生して生きているが、それを知らない天災、篠ノ之束は毎日泣いていた。

 

仲直りしたいと英霊ギルガメッシュを召喚し、陰から護衛してほしいと頼んだが、もう時すでに遅し、ルエル・サクラリッジ襲撃事件で、頭蓋骨ごと身体中の臓器を破壊された実妹の遺体をテレビで見て、自分が行った行為が妹の死を招いたのだと、自殺まで考えた、ギルガメッシュも元の座に帰って行ったところで、法王オズマを伴った龍姫達に一発殴られて、逮捕されて、今に至るのだ。

 

ちゃんと取り調べを受けて、更生の可能性を認められて、毎日のように、更生の研修を受けていたことで、明日、本釈放が執行されるのである。

 

そこに束を訪ねて、面会をしに来た人物がいると看守が束を呼びに来て、手錠を嵌められて、看守に付き添われて、面会室に入ったのだ。

 

「久しぶり、束さん」

 

「束様」

 

「くーちゃん、それと、たっちゃん」

 

「明日、釈放されます、織斑千冬はIS学園で、何事もなかったのように教師をしています」

 

「あの野郎‼ いっくんのこともほったらかして‼ 箒ちゃんごと見殺したあいつなんか知らない‼」

 

「束様、実は、箒様達のことでお話に参りました」

 

「え‼ だって、箒ちゃんの遺体だって」

 

「落ち着いてください、あなたの妹、篠ノ之箒は転生させました、織斑一夏達共に、ボクの姉が転生させました、ですが、会うかどうかは、あなた次第です」

 

「何っているの、会うに決まってる‼ たとえ拒絶されようと‼」

 

「わかりました、クロニクル、行こうか」

 

「束様、明日お迎えに行きますので」

 

面会の相手は助手のクロエ・クロニクルと、本当なら逆恨みしたい相手で自分を殴り飛ばした張本人の黒髪の長いポニーテールに私服の黒いジャケットに長ズボンを履いた、鳴流神家次女、鳴流神龍姫が面会に現れて、織斑千冬の現在の状況と、龍姫の実姉、龍美が転生させたことを告げたのである。

 

そう言って面会時間が終わったので、龍姫はクロエ・クロニクル共に面会室を出ていったのであった。


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