ギルド受付役として生きていく・・・が、ブラックだ   作:パザー

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最近、描写が下手になってきて・・・若干スランプ・・・


exー03 この自己中勇者から研修を!

  

「っと、つまり何だ?ミツルギが体力、剣術面の指導でゆんゆんが魔法の制御、店主が最後に心構えを教えてくれる。んで俺は逐一ヘルプに回れと」 

 

 

海岸線沿い、波が一定のリズムで砂や貝などを運び、さらっていく音を背景に7人の男女は集まって何やら話し込んでいる。

沖では青髪の少女が何もない水上でターンを決めたりと考えられない神業を披露しているが誰もそれに見向きせずトボトボと少女は海から上がってきた。

 

 

「そういうことです。それでは研修に入ろうと思う。何か質問はあるかい?」

 

「特に無いな」

 

「右に同じく、です」

 

「私もだ」

 

 

ミツルギの問いかけに軽く返答を返しながら各々勝手に準備運動を始めたり、話を始めたりする。

特にめぐみんは何やら剣呑な雰囲気で講師役のゆんゆんに食って掛かってる。

 

 

「ゆんゆん!紅魔族随一の天才であるこの私に一体何を教えてくれるのでしょうね~?さぞ為になるんでしょうね~?」

 

「魔法の制御とか色々よ!」

 

「陰湿な姑か己は」ペシッ

 

 

露骨に嫌みな雰囲気を出しながらゆんゆんに絡んでいるめぐみんの頭を軽くサクがはたくとアウッと声を出して少しだけ大人しくなる。そしてその後ろではカズマとウィズが

 

 

「しっかし、ウィズが講師役か・・・店の方は大丈夫なのか?」

 

「えぇ、どうせお客さんも来ませんし・・・それより講師のバイト代を貰えないと今日のご飯も砂糖水になっちゃうんです・・・ここ最近、固形物をお腹に入れてませんから・・・」

 

「そ、そうか・・・」

 

 

なんだか負のオーラを放ちながら心なしかゲッソリとしているウィズを見てカズマが少し狼狽えていると再び沖に繰り出したアクアを回収してきたミツルギが息を切らしながら帰ってきた。

 

 

「で、では・・・研修に入ろうと思う・・・!」

 

「それさっきも聞いたんだが」

 

「えぇい!もう余計な口は挟まないでくれ!これ以上脱線していたらキリがない!」

 

「なぁなぁゆんゆん。あのミ・・・ふふふさん、意地でも自分のペースに乗せたいみたいだぜ?そうでもしないと出来ないんですかね~」ヒソヒソ

 

「サクさん!ミ・・・さんに失礼ですよ!でも・・・あぁして自己中心的な所は私もちょっと・・・」ヒソヒソ

 

「そこ!全部聞こえてるからね!!」

 

「お気になさらず~」

 

 

耳打ちしあっていたサクとゆんゆんに指を指しながら絡んできたミツルギを軽く流したが当の本人はさほど気に止める様子も見せず話を続けた。

 

 

「まず、基礎的な体力を図ろうと思うからあそこの灯台までランニングと行こう。別に辛くなったらその時点でギブアップしてもらっても構わない」

 

 

こうしてようやく、録でもない研修の幕が上がったのだった───

 

~*~

 

「ハァ・・・ハァ・・・!マ、マツラギィ!もう辛いから・・・ギブアップしてもいいかぁ!?」

 

 

砂浜で足をとられ走りにくい・・・という要素を含めても開幕5分でバテているカズマは必死のエスケープを出した。

 

そんな中、ノロマだと思っていたダクネス、体力の低いめぐみんにも追い抜かれカズマはビリをゆっくりと走っている。荒い呼吸を小刻みにしているその姿は今にも倒れてしまいそうだ。

 

 

「君・・・幾ら早く終わりたいからって無理があるよ?それとも何かい?君は魔法使いの女の子以下の体力をしてるって言うのか?」

 

「うるせぇ!これでも・・・全力なんだよ!!」

 

「えっ・・・本来、人にステータスを聞くのはマナー違反なんだけど・・・良かったら冒険者カードを見せてくれないかい?」

 

「ほ、ほらよっ!!」

 

 

必死の形相をしているカズマが叩きつけるように差し出した冒険者カードを見たミツルギは顔色を変えた後に態度を180度変えた。

 

 

「そ、その・・・大丈夫かい?辛いんだったらギブアップしても良いんだよ?ほら、肩貸すよ」

 

「や、やめろ!優しくすんな!俺はまだやれる!」

 

 

ミツルギの天然優男気質で二重に苦しめられるカズマさんでした。一方、他の講師組、サクにゆんゆん、ウィズはというと────

 

~*~

 

「はぁ・・・バカだろこの店主。頭の良いただのバカだろ・・・」

 

「ま、まぁサクさん・・・そう言わずに・・・」

 

 

日光にやられたウィズを木陰へと運び、南国っぽい木葉で呆れながら彼女の体を扇いでいましたとさ。

グルグルお目目で倒れているウィズを他所にこれからの研修が不安になりサクはもう一度深いため息を付く。

 

 

「はぁぁ・・・どうなることやら・・・っと、帰ってきたみたいだな」

 

「そうみたいですね・・・って、カズマさんどうしたんでしょう?やけに疲れてるような・・・」

 

 

フラフラと覚束ない足取りで帰ってきたカズマと愉快な仲間達。それぞれ軽く汗を掻いているがカズマの様に死にそうになっている者は誰一人としていない。

 

 

「それじゃあ・・・剣術に入ろうか・・・大丈夫?やれるかい?」

 

「優しくすんなって・・・言ってるだろ!・・・そんなより早くやるぞ!・・・」

 

「そうだな、それでは早くやるとしようではないか」

 

「何で君が進めてるんだい・・・」

 

 

ミツルギの用意した木刀を勝手に構え、勝手に始めようとするダクネスとカズマに憂鬱になりつつも彼も木刀を取り、内容を伝え始める。

 

 

「それじゃあ一人ずつ掛かってきてくれるかな?そうやって欠点を見つけて指導すらから」

 

「ちょっと待て、これでお前から1本取ったらもうやる意味もない。だから1本取ったら終わりでもいいか?」

 

「う~ん・・・それもそうか。良いよ、それで構わない」

 

「それではまず私からだ!行くぞ!」

 

 

勢い良く飛び出していったダクネスの木刀は空を切りミツルギの足元の砂を叩いた。

とんでもないノーコン具合である。

 

顔を赤くしたダクネスは直ぐ様弁明もとい、言い訳を始める。別にこの場にいる人達は彼女の剣が一切当たらないことを知っているにも関わらず。

 

 

「ち、違う!これは相手の足元の砂を勢い良く巻き上げて目潰し効果を狙うアレであって、外した訳では・・・!」

 

「はいはい、ノーコンなのは分かってるから。お前もう下がってろ」

 

「!?・・・意外と、悪く・・・ない・・・」

 

 

別の意味で赤くなったダクネスを他所に今度はカズマが飛びかかった。あのパーティーの中では唯一マトモに攻撃のできるメンバーだ。

木刀と木刀のぶつかり合う音が響き、ようやくそれっぽい雰囲気になってくる。

 

 

「一応、様にはなってんな・・・ん?この感じ・・」

 

 

サクが何やら感じ取ったのだがそれに気付いた者はおらず、また彼も気のせいだと済ませてしまう。

そんな中、つばぜり合いになっている両者は睨み合って動こうとしなかったがカズマが口を開く。

 

 

「所でマツラギ・・・お前が崇めてるアクアだが・・・後ろで溺れかけてるぞ」

 

「!?ア、アクア様!!?」

 

「隙あり!!」

 

 

良く考えれば幾らでも水の中に居られるアクアが溺れるなどあり得ない話なのだがそれでもミツルギの気を逸らすには十分。

名前を間違えられているのにも突っ込まず勢い良くカズマに背中を向けた。その隙に彼の頭頂部に勢い良く木刀が叩き付けられる。

 

 

「欠点その1、不意打ちに弱い」

 

「欠点その2・・・アクアに気を取られすぎだな」

 

 

カズマとダクネスに見下されながら何やら趣旨の違うことを言われているミツルギが悔しそうに言葉を放つ。

 

 

「誰が僕の欠点をあげろと・・・全く!こんなのは無効だ!到底1本とは言えない!」

 

「凄いですね~カズマさん・・・やっぱりレベルだけでは分からない強さというのもあるんですね・・・」

 

「カズマさんは凄いけど・・・ミ・・・さんも凄かったと思いますよ?・・・でも高レベルのソードマスターっていうプライドで意地でも負けを認めないのは・・・それに負けた後に言い訳するのって何だかめぐみんみたい・・・」

 

「おい、今のはどういう意味か聞かせてもらおうじゃないか」

 

 

再びゆんゆんに突っ掛かるめぐみんを他所に二人からの無意識な精神攻撃でミツルギのライフはもうボロボロになっていた。

 

 

「ご・・・だ・・・」

 

「え?なんて?」

 

「ごう・・・よ・・・」

 

「もっと大きな声で!」

 

「えぇい!何処の鈍感系主人公なんだ君たちは!合格だよ!合格だと言ってるんだ!!」

 

 

合格を貰ったカズマがダクネスに剣を当てれるようにしろと説教して、彼女が目を背けているなか、サクがスッと立ち上がった。

 

 

「合格おめっとさん。んじゃ俺からも1つ」

 

「ん?どうしたんだ?・・・こら!無言で逃げようとすんな!」

 

「相手すんのがいつも人間大な訳は無い。そこで大型モンスターの対処を俺が実践してやる」

 

「それはありがたいんだが・・・大型モンスターなんて何処にいるんだ?」

 

「真後ろ」

 

 

そう言うと沖からいきなり巨大なクラーケンが現れた。触腕を振り回し、海を割りながら進んでくるその姿は海の悪魔というに相応しい風格をしている。

 

サク以外の一同がアングリと口を開けているなか、サクだけは悠々と散歩でもするかのようにポケットに手を突っ込みながら海岸へと歩いていく。

 

 

「幾ら威力が高かろうと範囲が狭いんじゃ効果は薄い!だからデカブツを相手する時にゃあ・・・」

 

 

ウィズが息を呑んだ。彼女の視界に映った紅姫も持たず白い息を吐く彼の姿。それを見た瞬間普段では絶対に発しないような大声を上げる。

 

 

「皆さん今すぐ離れてください!!海岸からできる限り!!」

 

「な、何だ何だ!?」

 

 

切羽詰まった彼女の声に素直に従って退避した直後、サクが何やらスキルを使った。

 

 

『氷河の地平線』(グレイシア・ホライズン)!」

 

 

彼が海水を勢い良く踏みつけるとそこから海が凍りだし、辺り一面を氷漬けにしてしまった。

そんな異様な光景にポカンと呆けているカズマやゆんゆん達を背にしながら彼は氷の上を歩き出す。

 

クラーケンが触腕をうねらせ彼の元へと槍のように突き出す。喰らってしまえば無事では済まない一撃。

しかし、彼は相変わらず気だるそうな立ち姿を崩さず回避をしようともしない。

 

 

『絶対零度の楔』(ウェッジ・アブソルート)!!」

 

 

触腕に向かって放たれた上段蹴り。

彼の蹴りと触腕が接触した途端、触れた箇所から蹴りと同じ軌道でクラーケンの巨体をも多い尽くすような氷の十字架が飛んでいく。

 

十字架がクラーケンを貫き、一瞬でそのからだを1つの氷像にしてしまう。あまりにも一瞬で一方的な闘いは直ぐ様その幕を閉じた。

 

 

「あ・・・アクアって・・・この辺で泳いでなかったっけ?」

 

 

とんでもない技を披露した張本人は呑気にそんなことを呟いていた────

 




我ながら描写下手すぎやろ・・・

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