ギルド受付役として生きていく・・・が、ブラックだ 作:パザー
「暇だなぁ・・・限りなく暇・・・・・例えるなら変にボケる観光ガイド位暇・・・・・」
どしよ、適当に街ブラブラすっかな・・・療養ってことで最初は舞い上がってたが・・・いざこうなると暇な物だねぇ・・・
昼間から酒を引っ掛ける気にもなれないのでとりあえず適当な飲食店で昼食を済ませよう。そっから何するかを考えよう。
~*~
「いらっしゃいませ!ご注文はいかがなさいますか?」
家族で切り盛りしている飲食店・・・まぁ別に珍しくもない。親が厨房に立ち、子はウェイター・・・よく見る光景だ。
どうしよっかな・・・案外メニューが多い・・・良い穴場見つけたな、役得役得。
「それじゃこの日替わり定食1つ。後、ネロイドも」
「了解しました!日替わり1つ入りましたー!」
元気な声で別の客の場所へと向かった娘。良い家族だな、うん。俺の家族・・・・うん(泣)碌な奴がいなったよ・・・泣きたい・・・
少し感傷に浸りながらも閑散としている店内を見渡す。やっぱこの時期じゃ外食する奴も少ないか。普段の客の量を知らないから何とも言えないが。
まぁこういう静かな店は嫌いじゃない。
「お待たせしました!日替わり定食にネロイドです!」
「ん・・・ありがとう」
「どういたしまして!それではごゆっくりしていって下さいね!」
そう言って机に置かれた大きめのお盆に乗ったジョッキにその他もろもろ数品。
メインのカツが香ばしい匂いを放ち、カラッと揚がった狐色が食欲をそそる。他のコンソメのスープにサラダも案外丁寧に作ってある・・・今後もちょくちょく来るとするか。
まずはザクッと豪快にカツを一口。肉汁が溢れだし衣が持つ若干の甘味と食感が具の豚肉と合わさって何とも言えない旨味を演出している。
また添えてあったキャベツも一緒に口へ放り込めばそれだけで食感に変化が生まれ少し濃いめな油も緩和され、軽く食べられるようになった。
このスープも・・・具にしっかり味が染みてて旨いしサラダもシャキシャキで青臭さが殆ど感じられない。いやぁ、ホント良いところ見つけたな、こりゃ。
今度ゆんゆん連れて来よっか・・・ゆんゆん・・・夏祭り・・・舌で・・・・・ウッアタマガ・・・
何でこのタイミングでアレ思い出すかな・・・ホントその場の雰囲気に流された感は否めないけど・・・何で俺あんな事したんだろ・・・解せnあぁ!?
「ちょっと!お前らなに!?まだカツ食べてるんですけど!!」
「「・・・・・」」
「タ、タキシードってお前ら
何々!?何で俺同僚に無言で両腕掴まれて引きずられてんの!?ていうかまだカツ食べてるんですけど!!ねぇ!連れてっても構わないけどカツ!カツ食べさせてよ!!
そんな俺の願いを聞き入れてくれたのだろうか。俺が料金を払ってお盆を左手に持つと再び仮面にタキシードの謎の連中は俺をどこぞへと引きずっていった。
止めて!乱暴するつもりでしょう!?─────エロ同人みたいに!!
~*~
「・・・で?モグモグどういう事かちゃんとモグモグ説明・・・モグモグしてくれま・・・ゴックンすよね?」
「うん、モノノベ君。喋るか食べるかどちらかにしましょう?というか・・・何で定食丸ごと持ってるの?」
現在、ギルドの裏部屋にて手以外を縄で拘束され酒樽に詰められている。
やっぱりあいつらギルドの職員だったか・・・ていうか何で俺はこんな状況で目の前の所長とルナさんをどうすればいいの?
酒樽に詰められる時点で訳が分からないけどさ。
あ、衣落ちちった。もったいない・・・
「うむ、モノノベサク。君には依頼があってだな─」
「所長、こんな状態の人間へのお願いっていうのは一般的に恐喝っていうですよ」
「モノノベ君、話が進まないからちょっと・・・ね?」
「今日君を
呼んだってか連行した・・・だろうにモグモグ。
やっぱ旨い・・・講師めんどくさい・・・モグモグ。
「はい、トンカツ美味しいでふ」
「モノノベ君・・・そうじゃなくて、講師の件、引き受けてくれるかしら?」
「ゴックン・・・別に構いませんよ。ちょうど暇してたとこですし。で?何処でやってるんですか?それ」
「アクセル郊外の海岸で行うようだ!メインの講師はミツルギ君に頼んであるから彼に詳しくは聞いておきたまえ!」
「了解・・・てか、これ外してくれません?」
「うむ!それでは健闘を祈る!」
「えちょっ・・・これ、縄・・・」
「じゃあねモノノベ君。頑張って!」
「そりゃ頑張りますけど・・・縄外してよ?え?ルナさ~ん!しょちょー!聞こえてますよね!?」
出てっちゃったよ・・・何これ?ぶっ壊してもいいの?後でとやかく言われたりしない?
いや、おかしいだろ!?何でこんな状態で放置!?黒ひげ危機一髪じゃねぇんだよ!何が悲しくてずっと酒樽に籠ってなきゃなんねぇんだ!!
「ふんっ!!」
酒樽の中で体を思い切り丸め、そこから勢いよく大の字に体を広げる。思っていたより野太い声が出てしまったがま、憐れ酒樽は爆発四散し縄も細切れになってしまった。
肩凝りが酷いな・・・後首も。
肩と首をゴキゴキと音を鳴らしながらギルドを後にするととある二人組と遭遇した。
「・・・ん?店主にゆんゆん、何やってんだ?」
「あ、モノノベさん。こんにちは~。これからギルドに頼まれてる仕事をやりに行くんです。そしたらゆんゆんさんと偶然会いまして」
「サ、サクさん!?───よ、良かったらその・・・お仕事、手伝ってもらえませんか?私、こういうの初めてですし・・・」
なんだ、俺と同じ用件なのか。
それなら都合が良い・・・
「別に構わんってか、ついさっき俺も同じ用件を頼まれたとこだしな」
「そうなんですか!な、なら一緒に行きましょう!そうしましょう!」
「・・・・・お盛んですね~・・・」
おいこらアホリッチー。勘違いすんなよ。成仏させんぞ、それも未練タラタラなやり方で。
「だぁ~!ちょっ!ゆんゆん!押すな押すな!」
「フフッ!早く行きましょうよ~!」
何こいつ!?こんな積極的だったっけ!?・・・うん?酒の匂い・・・軽く酔ってる?
ゆんゆんに背中を押されているお陰で録に障害物を避けれず次々と顔面に何かが直撃していく。
・・・痛い、キャベツ狩りの時もそうだったけどやっぱゆんゆんって隠れS・・・?隠れっていうか天然。
とりあえず後でゆんゆんがこんなんになった元凶であろう店主はお仕置きだな。
海岸でちょっとグニャッとした海草の成れの果てみたいなのを散々踏むように仕向けてやる。
~*~
水着!!圧倒的水着!!
真夏の日差しの下に晒される乙女達の白い柔肌。
アクアは一応なんちゃって女神の名に恥じないバランスの取れたスタイルを。
めぐみんは発展途上ながらも冒険者として生きてきただけはあるしなやかでスラッとした体つきを。
ダクネスは騎士として若干筋肉質ではあるものの余分な肉は胸にしか・・・余分ではないか。とにかく、脂肪が殆ど付いていないが出るとこはかなり出ているエロい体つきを。
店主はダクネス以上に豊満な体にリッチーの白く美しい素肌を。
我らがゆんゆんは幼さの残る容姿とは裏腹に発育良好。めぐみんと同い年とは思えないほどの豊満な果実を持っているが、やはり年相応の少し丸みを帯びた、しかし全体的にスラッとしているとにかく完璧としか言えないスタイルを。
5人の水着姿を悲しい男3人衆は水着にマララギは青、カズマは緑、俺は灰色のジャケットを羽織り眺めていた。
「おいマララギ。研修はどうした?」
「マララギじゃありませんアララギでもありません!僕はミツルギですよ!」
「まぁまぁ落ち着けよカツラギ。取り敢えず研修を始めたいんだったらあいつらをどうにかしてこいよ」
「ミツルギだと言ってるだろう!全く・・・というか僕にあそこへ突っ込めと?」
「「うん、そだよ」」
イヤー、アンナエデンニツッコメルナンテウラヤマシーナーモーデュララギクンハシアワセモノダヨーアーハッハッハー。
・・・ん?あれは・・・・・
「サクさ~ん!」
「カズマさ~ん!」
カズ、サク「「我が世の春が来たあああああああぁぁぁぁぁっ!!」」
なんだあの極楽浄土を具現化したような絵は。
黒色のワンピース・・・ほぼスク水にしか見えないけど。まぁ、その黒髪が日に照らされ軽く輝かせながらこちらへと駆けてくる。
アクアも同様に普段の駄女神のなりは身を潜め、今だけはちゃんとした女神の様に写った。
横でミツツキが項垂れているのが見えたがそんなの知った事か。俺は行くんだ!あのエデンへ!
「サクさ~ん!」
「カズマさ~ん!」
「お、おう!どうしたー!?」
俺とカズマがやけに緊張し上擦った声で返事をする。
・・・・・ん?何でダクネス達は何か変な方に走ってってんの?何かあったのかな?
「カズマさ~ん!────岩場からアンデッドが出てきたのよー!助けてー!」
「サクさ~ん!私もですー!何でか巻き添えにされちゃったんです!助けてください!!夏場のアンデッドの腐乱臭はツラいんです!!」
───カズマ、行くぞ。
何故だか心が通じあった気がした。
恐らく同じ思考を持って動き出した俺たち二人はまず俺がアンデッドの元へと向かった。
そして・・・・・
「ぎゃああああぁぁぁぁ!?吸われる!吸われるぅ!!」
やはり、ミロカロスからドレインタッチしたか。
そして俺の背後から大量の水がアンデッド達に降りかかったかと思うとカズマ渾身のフリーズで5、6体程のアンデッドの群れは綺麗に氷像となった。
俺はというと捨ててあった酒瓶を拾い上げ紅姫の能力で強化し────
「ジャスト───ミートゥッ!!もういっちょ!!」
氷像を遥か彼方へホームランしましたとさ───
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このすば2期、そろそろですね。
取り敢えずバニルとゆんゆんが楽しみです。