人革連の、ガンダム鹵獲作戦に参加した一人のパイロットはそれまでガンダムを見たことこそなかったものの、絶対に鹵獲してみせると自信を持っていた。
何しろ、作戦に投入されたモビルスーツの数は60機。そして作戦指揮官は『ロシアの荒熊』の異名を取る歴戦の勇士、セルゲイ・スミルノフ中佐。
更には静止衛星軌道上の8割をカバーできる大量の双方向通信装置でこれまで捉えられなかった敵の輸送艦を発見。敵の陽動に陽動で応え、更に待ち伏せを行ってガンダムを鹵獲するという中佐の万全な作戦を聞いてその思いは更に強まった。
自分たちは、母艦を守らざるを得ないガンダムを相手に、ただ時間稼ぎに徹すればいい。迂闊に前に出られない敵機に何ができるのか―――そんな慢心もあったのだろう。
そして、その3機のうちの一機が白いガンダム――――コクピットを攻撃せず、殺さないという根強い噂のある機体だったのもその余裕の中にはあったかもしれない。
しかし――――。
『――――な、なんでこんな距離で当てられるんだよ…っ!』
ガンダムの粒子の影響で通信はできないが、恐らくほとんどのパイロットがそう思っていただろう。脚に鉄骨をはめて代用し、固定砲台となっている狙撃タイプのガンダムは死角にさえ入ってしまえば問題なく、近接タイプのガンダムは近づかなければ問題ない―――。
しかし、絶え間なくビームを放つ狙撃装備の白いガンダムがどうしようもない。
『デカ物』のガンダムが背負っているのと同じだと思われる恐ろしい火力のビームが閃けばどこかで味方機が四肢の一部、あるいは半分ほどを吹き飛ばされる。更にその射撃を避けようとすると狙撃タイプに狙い撃たれ、あるいは近接タイプの近くに追いやられるということもあるようだった。
『――――ふざけやがって! この程度の損害で―――…うわぁぁぁっ!?』
宇宙なのだから、少しくらい破損しても動ける―――不殺なんて、戦場で手ぬるいことを。と考えた僚機もいたようだったが、機体重量の変化で更に機動力の鈍ったティエレンは近接タイプと狙撃タイプにとっていい的でしかなく、その慈悲を無視すれば悉く爆散の憂き目に遭うと言っても過言ではなさそうだった。
『くそっ、ガンダムだってエネルギーが無限なはずがない! あれならエネルギー切れも早いはずだ!』
誰かがそんなことを考え始めた頃、唐突に白いガンダムが緑の外套型シールドをパージ。そして、敵母艦から新たな装甲のようなものが射出され―――。
『ま、まずい! 阻止しろ!』
武器が弾切れした場合、どうすれば戦えるか。―――新しい武器を持てばいい。実際はそれとは少々違う理屈であったものの起こる結果は同じであり、慌てて複数のティエレンが白いガンダムに砲火を集中させるものの、近接タイプのガンダムが庇うように前に出てシールドを構える。更に、動きを止めてしまったティエレンが狙撃で一気に数機も撃墜される。
――――そして、『デカ物』とほぼ同じフォルムとなった白いガンダムが、『デカ物』と全く同じ武器を、あの大火力ビーム兵器をこちらに向けた。
『――――ぅ、うわぁぁぁっ!?』
映像で見たことのあった、恐ろしい火力の兵器。焼き払われた基地をみたこともあったし、跡形もなく爆散させられたモビルスーツもあった。
―――死ぬ。あんな武器で不殺なんて有り得ない。恐怖の中で必死にティエレンを動かし―――次の瞬間、閃光が視界を埋め尽くして不気味な振動がコクピットを揺らした。
『―――お、俺は……生きて…?』
慌てて機体の状態を確認すると、ティエレンは下半身を丸々もぎ取られた上に武器である長滑空砲も無くなっていた。半ば呆然と周囲を見渡すと、似たような状態―――大破はしているものの、辛うじてコクピットは原型をとどめているティエレンが3機。
『………な、なんだよ……これ』
こんなもの、偶然なんかでは起こりえない。
この時、あのガンダムは徹底的に不殺を貫こうとしているのだと、恐怖と畏怖と共に刻み付けられた。
そして、母艦の防衛を放棄するかのように突っ込んでくる近接型をなんとか引き剥がすべく敵母艦に接近して攻撃しようとしたティエレンが再び放たれた『デカ物』のビームに纏めて吹き飛ばされ、それでもコクピットをやられた機体はなかったように思えた。
『………本当に、人間なのかよ…っ!?』
最低でもこちらの動きを完全に読みきっていなければあんな真似はできない。もしもソレスタルビーイングがガンダムのために作ったコンピューターが動かしているのだと言われれば納得しただろう。
そして、もし。もしあのガンダムが殺すつもりで攻撃してきたら何が起こるのか―――。一瞬だけ考え、先程掠めたビームと、モニターに映る自らの乗るティエレンの無残に溶けた下半身を戦慄と共に眺めたパイロットは、再び閃いた大出力ビーム砲に尻を蹴飛ばされるように慌てて撤退行動に移った。
―――――――――――――――――――――――――
「………はぁ…、はぁ……っ」
心臓が痛いほどに早鐘を打っている。コンソールに表示されたミッションタイマー、今回そこに表示されるスメラギさんのキュリオスとヴァーチェの予測帰還時間まで50秒を切った。
殺してしまうことも覚悟で、けれども殺すために撃つことがどうしてもできなかったビームは、今のところなんとか当たった敵機に損害を与えつつ戦意を喪失させることに成功しているようだった。
フォートレスパックに充填されている残りの粒子は7%、アイシス本体には58%を示している。そろそろ、ウィングパックを―――そんなことを考えた瞬間。
「――――…っ!? ……な、に…っ?」
チリリ、と嫌な感触が肌を刺す。
まるで針を突きつけられたような嫌な感触。そしてそれと同時に、誰かが苦しむ叫び声が聞えたような気がした。
「………アレ、ルヤ……さん…?」
――――死んでしまった?
そんな冷え切った思考が脳裏を掠め、しかし嫌な感触が継続していることから死んではいない、と頭を振って無駄な思考を追い出し、プトレマイオスの前面にアイシスを移動させつつ叫んだ。
「―――フェルト、ウィングパックを! 刹那…っ!」
『……ウィングパック、射出!』
『……了解!』
四肢を大きく広げたアイシスから、装着時の逆再生のようにフォートレスパックがパージされる。AIに従ってコンテナに戻るフォートレスパックに敵の弾丸が当たるが、構いはしない。その程度ではヴァーチェの装甲、フォートレスパックは貫けない。
「―――ドッキング、センサー…っ!」
そして、飛来する蒼い翼。
同調用センサーに連動し、即座に装着されたウィングスラスター、そして両腕と両脚への追加装甲に付随するブースターからGN粒子の緑の光が噴き出し―――アイシスのツインアイが輝いた。
「―――…スメラギさん、おねがいします…! キュリオスの救援に行く許可を……!」
『――――セレネ…っ!?』
まだ敵機は30機近く残っている。万全でないデュナメスのことも考えると、そう簡単に許可できるものではないだろう。けれど、どうしてかキュリオスの救援に行かなければならないという脅迫にも近い直感があった。
誰かの苦しむ声はまだ止まない。どこか遠くのもののようでありながら、確かに聞える。悪寒が走り、背筋が震える。どうしてこの感覚が伝えられないのか。どうしようもないもどかしさを感じながら、2丁ビームライフルで敵機の長滑空砲を腕ごと吹き飛ばしながら更に言い募る。
「おねがいします…っ! キュリオスが―――アレルヤさんが…っ!」
『落ち着け、セレネ! 一体何がどうなって―――』
ロックオンが事情を聞こうとしてくれますが、どう説明すればいいのか分からない。そしてその瞬間、苦しむ声が唐突に聞こえなくなってしまう。歯痒さにペダルを思い切り踏み抜き、近くにいたティエレンの四肢を二刀ビームサーベルで一息に斬り飛ばす。
「―――時間がないのです…っ! あとで説明しますから―――…っ!」
叫びながらも、こんな説明にもならない話でどうなるのかと考える冷静な自分もいて。空回りする思考が真っ白になりかけたその時―――。
こんなときでも素っ気無い、けれど確かな声が耳朶をうった。
『―――了解した。……ここは任せろ』
『……せつ、な…!?』
驚きのあまりアイシスの動きが止まり、ちょうど飛んできた弾丸をエクシアが盾で弾く。アイシスの前、プトレマイオスとアイシスを守る意志を体現するかのようにGNソードを構えて立つエクシアの背中を呆然と眺めながら、刹那の声を聞いた。
『……話は後で聞く』
「――――…っ。ありがとう、です…っ!」
その僅かな言葉から刹那の優しさを……そして信頼を感じた。
僅かに胸が温かくなり、四肢に力が篭るような不思議な感じがした。
『――――まったくもう! すぐにキュリオスを助けて戻ってきて! 刹那はちゃんとセレネの分まで働くのよ!』
『ったく、きかん坊め! ……抜けた穴は、おれが狙い撃つぜ!』
「……スメラギさん……ロックオン…! ―――いきます…っ! アイシス、高濃度圧縮粒子解放――――ハイパーブーストモード…ッ!」
――――広げるのは光の翼。間に合う……間に合わせてみせる…!
全力で踏み込むペダルに応えるように、眩い緑の光を散らすアイシスが星空を駆けた。
―――――――――――――――――――――――――
ガンダムヴァーチェを操るティエリア・アーデが敵モビルスーツ部隊に向けてGNバズーカのトリガーを引く。不意を突かれた2機、そして愚かにも応戦しようとした1機のティエレンが、ビームの直撃を受けて瞬く間に蒸発した。
敵輸送艦が陽動だと気づいたティエリアはオービタルリングに沿って急速反転し、帰還途中に敵モビルスーツ隊を確認したのだ。
「別働隊がいたとは……」
どのような作戦だったのか思考を巡らせようとして、しかしモニターから発せされる電子音に遮られた。……キュリオスの機体識別信号?
しかし、キュリオスの機体は見えない。素早く反応ポイントをモニターに拡大表示すると、宙域から離脱しようとする敵の大型輸送艦が映し出された。
「なに……っ!?」
思わず絶句した。信じがたいことではあったが、それ以外には考えられない。
「まさか、敵に鹵獲されたのか…!?」
それ以外の結論は考えられない。
計画を乱すだけではなく、よりにもよって!
――――ガンダムマイスターともあろう者が…!
計画の要であるGNドライヴを搭載したガンダムを敵の手に落とすとは!
「……なんという失態だ、敵に鹵獲されるなど―――万死に値する!」
ティエリアは即座にGNフィールドを展開。そしてその中でGNバズーカを構え、敵の輸送艦を狙う。……この距離ならば外しはしない。輸送艦もろともキュリオスを破片一つ残さずに溶解させることができるだろう。部品一つ渡さない、それこそがガンダムマイスターの死に様だ。
敵のティエレンの放つ長滑空砲は虚しくGNフィールドに弾かれ、ヴァーチェは確実にバズーカに高濃度圧縮粒子をチャージしていく。
「……アレルヤ・ハプティズム。君も刹那・F・セイエイと同様、ガンダムマイスターに相応しい存在ではなかった」
ティエリアの冷たい目が敵輸送艦を見詰め、一切の躊躇いなくトリガーに指をかけ―――モニターに反応があった。サブウィンドウに表示される拡大映像を、紅桃色の機体が一瞬で通り抜ける。
「―――なっ!?」
―――速い!
敵機は既にメインモニターで捉えられる距離まで接近している。
「……ティエレンとは違う。新型か…!?」
ヴァーチェが敵機に向き直り、輸送艦が射線から外れる。
「邪魔をするな!」
両肩のGNキャノンを新型に向け、右のキャノンを放ち―――敵機が回避したところに左のキャノンを放つ。しかし、それすらも敵機は避けて見せた。
「二度も避けた…!?」
思わぬ機動性に驚きつつも、敵輸送艦が離れつつあることに気づく。
「輸送艦が…!」
これでは逃げられてしまう。焦りつつも、滑空砲で邪魔をしてくる新型に、ティエリアは再び狙いを定める。
「たかが一機でヴァーチェに対抗する気かっ!」
片側2門、計4門のGNキャノンが一斉に火を噴き、敵機はその光に紛れるように猛進。ヴァーチェの機体すれすれを掠めるようにして通り過ぎる。そしてその直後、背後に敵機の反応があった。
「なにっ!?」
咄嗟にGNフィールドを張るが、至近距離からの砲撃がフィールドを突き破ってヴァーチェの装甲に連続して着弾する。コクピットに警告の赤い明滅が繰り返される。
「このっ……調子に乗るなっ!」
咄嗟に、GNキャノンのトリガーを引いた。敵機は接近しすぎており、撃てばどこかしらに当たる。その読みどおりにGNキャノンは敵の新型の右脚を溶解させ、しかし敵機はそこを即座にパージして再び滑空砲で攻撃をしかけてきた。
まだやる気か!
「こいつっ!」
………………
ティエリアは思い通りにいかない戦いに焦っていた。敵の新型は片脚を失ったにも関わらず超常的な反射能力でヴァーチェの攻撃を逃れ、反撃してくる。
「あの機体から、特別なものを感じる……ヴェーダ、これは……」
その時、新たな敵影がモニターに表示される。総勢八機のティエレン宇宙型。密集しつつこちらに向かってくる。
「新手か……舐められたものだ!」
密集する敵部隊を纏めて薙ぎ払うべく、GNバズーカを放つ。
しかし、敵機はそれを読んでいたかのように散開。一機も当たることなくヴァーチェを取り囲み―――。
「何っ!?」
更に、ティエレン4機からワイヤーが射出されてヴァーチェの両腕両脚に巻きつき、引かれ、四肢を大の字に広げられる。間を置かずに放たれた固着用ジェルがヴァーチェの関節にへばりつき、思うように関節が動かなくなる。
「これしきのことで……ッ!」
苦虫を噛み潰したような思いを味わいつつも、右腕をわずかに動かしてGNバズーカを右腕にワイヤーを絡める敵機に向ける。狙いを定められたティエレン宇宙型が必死に機体を動かそうとするが、遅い――――!
しかし、またしても紅桃色の新型が邪魔をする。蹴飛ばされたGNバズーカが右手からこぼれ落ちる。
「くっ……それでもっ!」
左右のGNキャノンを180度に展開し、敵機を狙う。しかし手の空いていた2機のティエレンがそれぞれGNキャノンにとりついて無理矢理に砲塔を互いに向けさせてしまう。これで撃てばヴァーチェも大ダメージを免れないだろう。
「だとしてもっ!」
苛立ちのままに、一気にペダルを踏み込む。背面の噴射口から大量のGN粒子が放たれ、6機のティエレンを引き摺りながら加速を始める――――が、新型が突進してくるのを視界の端に捉えた。恐らくはヴァーチェの一部を破壊してでも止めるつもりだろうが…!
「GNフィールド、展開!」
しかし、GNフィールドは展開できなかった。四肢に巻きつくワイヤーが、GN粒子の散布口を閉じさせている。
「……くっ!?」
接近する新型が、滑空砲を振り上げ――――。
……この窮地を脱する方法が、一つだけあった。
しかし、それは計画に支障をきたす恐れのある行為……自分の信じるものを自分で汚す行為。許されざる裏切りだ。しかし、ヴァーチェを鹵獲されるというのも論外。
どうすることもできない状況の中で、ただ敵の攻撃がそこにあるという事実は揺るがなかった。
(――――やられる…っ!?)
――――ティエリアの防衛本能が咄嗟に身を守ろうとするその直前。飛来した粒子ビームが新型ティエレンの腕を根元から吹き飛ばし、蒸発させる。更に同時にワイヤーを持っていたティエレン4機が大破。眩いばかりのGN粒子の光が煌き―――。
『――――アイシス、目標を無力化します…っ!』
バシュッ、と音を立ててGNキャノンにへばりついていたティエレンが恐ろしい勢いで飛来したアイシスに両腕を纏めて斬り飛ばされ、アイシスは更にその勢いのままにカーボンブレイドを抜こうとした敵の新型を蹴り飛ばす。
両腕を大きく広げ、急制動のために粒子の翼を纏うアイシスは、諦め悪く滑空砲を向けたティエレンを振り向きもせずライフルで撃ち抜いてみせた。
『―――ティエリアさん、だいじょうぶですか…!? アレルヤさんは…っ!?』
「――――っ!?」
―――今、おれは……ぼくは……わたしは……何をしようとしていた…!?
ティエリアは、自分がナドレの機体を晒そうとしていたことに気づいていた。そのことに、計画を歪める行いをしようとしていたことに、とてつもない罪悪感を覚えていた。しかし、セレネ・ヘイズの言葉にキュリオスが鹵獲されていることを思い出して砕けそうなほどに歯を噛み締めてから呟く。
「アレルヤ・ハプティズムは……むざむざとキュリオスを鹵獲された! すぐに……対処する! 協力を!」
排除する。と言い掛け、しかし咄嗟に無駄な事でセレネ・ヘイズと言い争う時間は無いと判断を下し、思考を太陽炉の確保に切り替える。随一の加速力を誇るウィングアイシスならば、輸送艦如きに追いつけない道理は無い。
通信からセレネ・ヘイズの息を呑む気配が伝わり、それからいつもよりも厳しさの混じる声が聞こえる。
『余計なものを排除します…! ヴァーチェを動かさないでください!』
「な…っ!?」
いきなりビームライフルの銃口からビームサーベルを出し、ヴァーチェに向かって振り上げるアイシスに反論する暇も無く、ビームサーベルは僅かに装甲の表面を溶かしたものの固着ジェルとワイヤーを瞬時に焼き切った。
『機体状態は…っ!?』
「……問題ない! …………すまない」
ほんの僅か、小さく呟いた声にセレネ・ヘイズが再び息を呑んだような気がしたが、構う暇は無い。先程蹴り飛ばされたGNバズーカを素早く掴みなおすと、ティエリアの意図を汲んでアイシスがヴァーチェを抱きしめるようにしつつGNドライヴの駆動音を高める。
『……ティエリアさん、これでいい……ですよね?』
「ああ……残敵を排除しろ、と言っても聞かないのだろう」
ティエリアとしては生温いと全く思わないと言えば嘘になるが、確かにソレスタルビーイングは無駄な殺しを是としない。今は文句を言う気力もなかったこともあり、ただキュリオスの太陽炉奪還、そしてキュリオスの確保か排除を考えることにした。
『――――アイシス、高機動モード!』
アイシスとヴァーチェがGN粒子を放ちつつ猛烈な加速を開始し、敵の輸送艦を追う。
………しかし、二人が見たのはどういうわけか宇宙にぽつんと佇むキュリオスで、既に敵の輸送艦は陰も形も無く。ただ、その残滓と思われる破片だけがキュリオスの周囲を漂っていた。
そして間もなく帰還した3機を出迎えたのは、損害軽微といっても差し支えの無いエクシア、デュナメス、そしてプトレマイオス。……こうして人革連が大量の物資を投入したガンダム鹵獲作戦は終了し、そしてこの戦いが後に世界に大きな動きをもたらすことになる。
次回予告
プトレマイオスに帰還したセレネたちに、新たな紛争の情報が入る。その地の名はアザディスタン―――刹那の故郷だというその地で、セレネは運命の邂逅を果たす。
……かもしれない。なお、この次回予告は実際に投稿される内容と異なる場合がございます。
というか戦闘描写がとても難しいです。泣きたいです。
そしてアレルヤごめんなさい。わざとじゃないんです。