Legend of Galaxy~表裏一体の光と影~   作:takanist

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第37話~Wの真実/なぜ彼は人を守るのか~

「礼堂ヒカルを殺したのはお前だ、礼堂ミチル」

「違う!M、お前が・・・」

「だからお前だろ?俺はお前なんだから」

これで今までのことに合点がいく

行く先々で僕と出会うのも、誰よりも僕を知っているのも、僕が気配を感じることができたのも

そりゃそうだ、僕は僕と対峙していたんだから

「やっと気づいたか・・・」

Mは僕の裏の人格、僕が無意識に感じていたストレスや、マイナスな感情の塊

 

父さんを殺したのは、僕自身だった

 

「あいつのことは嫌いだった

 いつも自分の旅の自慢しかしねぇ

 大して遊んでもらった記憶もねぇし、色々と口うるさかった・・・」

「僕はそんなこと・・・」

「認めろよ!!」

今度はMが僕の胸ぐらを掴んできた

「これもお前の感情だ、お前が思ってたことだ

 だから俺が生まれた

 最初は意識だけの存在だった、いわゆる二重人格だ

 だが礼堂ヒカルを殺した時、俺が抱いた感情とお前が抱いた逆の感情が爆発的に大きくなり

 一つの肉体では耐えきれなかった

 その結果、俺たちは二つに分かれた」

 

Mは僕を突き離した

「俺はお前を倒す、お前を倒して俺は完全な人間として生まれ変わる!」

そしてMは機械を腰に巻いた

「それは・・・」

「俺の新戦力だ」

そして左手首に巻いてある装置に、ミニカーのようなものをセットする

「変身!」

 

DRIVE! Type NEXT!

 

Mは体を漆黒の戦士へと変えた

「さぁ、お前も変身して戦えよ!」

「・・・」

僕は動く気になれなかった

「来ないなら、こっちからやるぞ!」

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

「ここか・・・」

ゼレットを止め、外に出るアスカ

「なんか古びたところだな」

アスカは一抹の不安を覚えながらも建物内に入る

建物の2階にその事務所はあるという

2階に上がり、インターホンを押す

「・・・」

しかし、何の反応もない

「あれ?」

ドアに付いている手すりを引くと

「開いた・・・」

不用心にもドアに鍵はかかっていなかった

「失礼します・・・」

おずおずと室内に入っていく

すると奥の方に、一人の男性が座っていた

「・・・」

黙々とタイプライターを打っているようだ

「あの~」

アスカはその男性に話しかけると

「ん?」

男は顔を上げ、目を丸くしていた

「悪かったな、気付かなくて

 もう少し待っててくれ」

男は再びタイプライターに向かった

 

しばらくすると男は立ち上がった

「あんた依頼人かい?」

「そうだけど」

「ようこそ、鳴海探偵事務所へ

 で、どんな依頼なんだ?」

「うちの総監の紹介で来たんだけど、人探しを依頼したくて」

「総監?その総監の名前って・・・」

「マドカ・ダイゴだけど」

ダイゴの名前を聞いた途端、男の目が変わった

「あんたダイゴさんの関係者?」

「あぁ、部下だけど」

すると男は

「ダイゴさんの依頼だったら無条件で引き受けるぜ」

「君、ダイゴの知り合い?」

「あぁ、ダイゴさんには世話になったからな

 あ、自己紹介が遅れたな

 俺は左翔太郎、ハードボイルドな探偵さ」

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

それは一方的な蹂躙だった

「おら、立てよ!」

「・・・」

殴られ倒され立たされ、また殴られるの繰り返し

もう僕はこのまま死んじゃったほうがいいのかもしれない

「ミチル、お前ふざけてんのか」

「・・・」

「俺と本気で戦え!」

「・・う・・いよ」

「あ?」

「もういいよ、思う存分やってよ」

「そうか、じゃあお前のお望み通りに!」

Mが大きく腕を振りかぶる

 

 

ブレイク・アップ!

 

「なんだ?」

Mは僕を掴んでいる手を放し、僕を突き離す

「誰だ?」

僕は音のする方に目を向けると、そこには紫の戦士の姿があった

「俺は人間を守る戦士だ」

「なんだと?」

すると紫の戦士は、銃型の武器にミニカーをセットする

 

チューン・チェイサースパイダー

 

腕には巨大な爪のような武器が装着される

「はぁっ!」

「ふんっ!」

2人の戦士が駆け出す

僕の意識はそこで途切れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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