Legend of Galaxy~表裏一体の光と影~   作:takanist

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過去編~甘く甘い日常~

礼堂ミチル・高校三年生

 

 

あの戦いから2年が経った

あれから何事もなく時間が過ぎていき、僕たちはもう高校三年生になってしまった

「お前、これからどうするの?」

「やっぱ俺は進学かな?」

「俺は、親が就職しなさいって言うからさ・・・」

「俺は働きたくないな・・・」

周りはやはり進路のことで盛り上がっている

大学に進学しようとする人

会社や企業に就職しようとする人

はたまた、ニート宣言している人

人それぞれだ

 

「ミチルはこれからどうするんだ?」

前の席に座っている桃耶が振り返り、僕に問いかける

「どうしようかな、なんかピンとくるものがないんだよね

 桃耶はどうするの?」

「俺は無難に大学に行っておこうかなって思ってる

 Xのことも色々と調べなきゃならないからな」

「レナは?」

「私も進学かな、このご時世高卒だと就職も厳しいと思って・・・」

なんだかんだやっぱりみんなちゃんと考えてるんだな

 

そしてお察しの通り、三年生になって三人とも同じクラスになっていた

僕の前の席が桃耶、僕の右隣がレナとう配置になっている

誰の陰謀なんだろう

まぁ、レナが隣で嬉しいけど・・・

 

 

その日の夜

「ねぇ母さん、話があるんだけど」

「どうしたの?」

リビングのテーブルに向かい合って座る

「母さんって、父さんと幼馴染だったんだよね?」

「そうだよ」

「父さんって、高校卒業後の進路ってどうしてたの?」

母さんは少し遠い目をしながら

「ヒカル君はね・・・」

母さんは礼堂ヒカルの妻としてではなく、一人の幼馴染として語ってくれた

 

 

 

 

 

―――――――――卒業式――――――――――

 

 

「卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!」

 

 

式も終わり、僕らは三人で家路に着いていた

「ミチル、いつ出発するんだ?」

「明日にはもう立とうと思ってる」

「なんだか寂しくなるね」

「二人は大学を楽しんでよ!

 桃耶、レナに変な虫が付かないようにしてね」

「分かってるって」

何時もの分かれ道に来てしまった

「レナ」

「なに、ミチル君?」

「この後、ちょっといいかな」

僕は最後にレナに伝えたいことがあった

「じゃ俺は先に帰ってるよ、お邪魔みたいだからな」

そう言って桃耶は走って帰ってしまった

「ミチル君?」

「レナ、ちょっと家に来てくれるかな?」

 

 

 

 

今、僕の部屋に僕とレナと二人っきりだ

こんな状況は今までにも何度もあったけど、今日ばかりはなんだか違う空気が流れている

ふとレナが僕の机の上にある写真立てを手に取り

「一緒にプール行ったの楽しかったね」

「そうだね、流れるプールでレナの水着が流された時は大変だったけどね」

「もう!あんまり思い出させないで!」

そう言いながら、ベッドに寄りかかって座っている僕の隣にレナが座った

 

「・・・次はいつ会えるの?」

僕に寄りかかりながらレナは僕に問う

「分からない」

そう答えるしかない

「けど必ず君の許に帰ってくるから

 どんなに時間がかかっても、今以上に強くなって戻ってくるから」

「うん・・・待ってる」

 

僕が顔をレナの方に向けると、目が合った

「レナ・・・」

「ミチル君・・・」

僕はレナの唇に自分の唇を軽く当てた

レナとのキスはこれが初めてではないし、正直な話それ以上のこともしている

けれど今までのどんな行為より、お互いの気持ちが伝わった気がした

ゆっくりと離れると

「好きだよ」

「私も、好き」

自然と言葉が出てきた

そしてお互いを抱きしめた

「もう少し、このままでいてもいい?」

「僕が嫌って言うわけないだろ」

実際の時間にしたら短い時間だったかもしれないけど、僕らは延々と抱きしめあっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

片野桃耶・大学二年生

 

ミチルからヤナセの護衛を頼まれて早二年

俺は気付いてしまった

ヤナセの護衛に従事しているあまり、自分のことが疎かになっていことに

つまりどういう事かというと

「彼女欲しい!!!」

「急にどうしたの、片野君!」

学食内だというのに叫んでしまった

そう俺は自分のラブロマンスが皆無であることに今更気付いてしまったのだ

「いいよなぁお前らは、いつまでもラブラブで」

「そうかなぁ、えへへ、、、」

クソっ!羨ましいぜ!

「でも片野君だって、慕ってくれてる後輩ちゃんがいるじゃない」

「アレは慕ってるんじゃなくて、付きまとってるだけだろ」

「そんなこと言っちゃ、かわいそうだよ」

ヤナセとそんな会話をしていると

 

「片野せんぱ~い!」

また来やがった

 

大きく手を振りながらこっちに近づいてくるストーカーが約一名

「ほら、噂をすれば」

そいつは俺の向かい、ヤナセの隣にドカっと座る

「もう先輩、なんで反応してくれないんですか!」

ほっぺを膨らませながら、俺に抗議してくる

「いちいち反応するのが面倒くさい」

「ひっどーい!自分の彼女に向かってその言い草はないんじゃないですか!」

「付き合ってねーし!それはお前の頭の中だけだろ!!」

「ヤナセ先輩、片野先輩はいじめるぅ~」

「はいはい、かわいそうにねぇ」

嘘泣きをしながらヤナセに縋りついているこいつはミドリカワ・マイ

とある出来事から俺に付きまとているストーカーだ

 

「今日は先輩のために、お弁当を作って来たんですよ!」

「見て分かんない?俺もうカレーを食い終わるとこなんだけど!?」

「男の子ならそのくらいじゃ足りないですよね?」

「大盛りにしたから充分なんだけど・・・」

「先輩はそんなに私のお弁当が食べたくないんですか?」

涙ぐみながら俺に問いかけるマイ

俺だって鬼じゃないからな

「事前に作ってくるのが分かってたら、学食食わなかったかもな」

すると急にニッコリ笑顔になりながら

「じゃあ明日また作ってきますね!

 このお弁当は私の夜ご飯にでもしますね・・・」

そう言ってお弁当を持って席を立とうとするマイ

 

(仕方ねぇな・・・)

 

「マイ」

急に呼び止められキョトンとしているマイに向かって

「誰が食べねぇって言ったよ

 まぁ育ち盛りだからな、カレーの大盛りだけじゃ足りないかもしれん

 一応その弁当もらっといてやるよ」

マイはさっきよりニッコリと、そして少し頬を赤く染めながら

「では、はいどうぞ!!」

俺にお弁当を差し出す

俺はそれを無言で受け取ると

「じゃあ明日、楽しみにしててくださいね!

 それと今日のお弁当の感想もお願いしますね!!」

そう言って駆け足で食堂を出ていく

 

「なんだよヤナセ」

正面に座っているヤナセが凄くニヤニヤした顔でこっちを見ている

「なんだかんだで、片野君優しいなって思って」

「そんなんじゃねぇよ・・・」

 

 

俺のラブロマンスはいつ訪れるのか

 

 

 

 

 




なんか桃耶編の方が内容が濃くなってしまった気がしますが


前話で書き忘れたんですが、「コロナカレント」という技は
コスモスの設定上にしかない技で本編では一度も使っていない技です
せっかくなので使用させていただきました





今日の一言
ベネディクト・カンバーバッチってカッコいいな!

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