宮藤芳佳の孤闘~第二次ネウロイ大戦異話~   作:芳佳ファン5号

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先程投稿したオラーシャ軍兵士の回想(改)で書ききれなかった扶緒戦争のシナリオです。今後の鍵となる事がいくつかありますのでお時間がある時に読んでいただけると幸いです。(挿絵としてオラーシャ2001年の地図を追加しました)


扶緒戦争の流れ(投稿し直し)

①扶桑海事変で大陸扶桑領(ストライクウィッチーズ零の地図を見る限りバイカル湖東岸辺りまで)の多くが失われる。時期と起点を考えるとシベリア鉄道も扶桑が敷設?

 

②この時の領土失陥で扶桑は浦塩を除く多くの大陸領をオラーシャに譲渡?(ストライクウィッチーズ世界の地図によるとこちらのウラジオストクが浦塩なのにハバロフスクはそのままなため外国領となっていると思われる)

ただし第二次ネウロイ大戦時に扶桑ウィッチによるウラル防衛戦闘が行われているため、依然影響力は強いと思われる。

 

③第二次ネウロイ大戦の開戦により、扶桑皇国は陸軍がシベリア経由の東部戦線、海軍が艦隊による西部戦線の支援をそれぞれ行う。またヨーロッパオラーシャの失陥により大量の難民がウラル以東の極東オラーシャに避難している。このため、シベリア鉄道や周辺道路で扶桑とオラーシャでいざこざが頻発するようになり、若干扶桑不信が進む。

 

(ここからオリジナル)

 

④何だかんだで第二次ネウロイ大戦終戦。世界の国は、

広大な荒れ地が広がる国

カールスラント

ヨーロッパオラーシャ

オストマルク

ダキア

オストマン

モエシア

ギリシア

ペルシャ

 

甚大な被害は受けたが本土は占領されなかった国

扶桑

大平洋岸アジア諸国

 

少し復興が進んだ国

ガリア

ベルギガ

ネーデルランド

ヴェネチア

 

 

侵攻をあまり受けなかったほぼ無傷の国

スオムス

バルトランド

ブリタニア

ヒスパニア

ルシタニア

ヘルウェティア

ロマーニャ

南北リベリオン大陸各国

 

の4種に分類出来るようになる。

 

⑤オラーシャ、皇帝の発案で終戦直後から隣国がスオムスを除いて荒れ地になっている事を利用し、その国民や政府がアフリカや南リベリオン等の疎開先から帰ってくる前に一気にヨーロッパオラーシャを復興させて海外からの復員を待って復興させねばならない隣国に対し影響力を持たせる、という「オラーシャの光」政策を開始。

 

⑥そのカバーのためにオラーシャ政府はシベリアで資源開発を推し進める。その過程で同じく戦災からの復興と発展のためにシベリアの資源が欲しい扶桑と対立が生じる。

 

⑦扶桑が、起点が扶桑領であり、扶桑時代に作られ、戦時中も扶桑が運行したとして、シベリア鉄道の扶桑国有化を主張。もちろんオラーシャがこれを受け入れるハズは無いことを扶桑も知っているので空母機動艦隊を浦塩まで「練習航海」させた上で折衷案として

1、扶桑に対して年利益の5割を支払う

2、シベリア鉄道に対して車両や運行等を扶桑が支援する

という「鉄道協定」の締結を要求。オラーシャはこれに同意せざるを得ず、シベリア鉄道経営に扶桑が介入。またかつて扶桑領だった場所や大戦中に扶桑軍がウィッチによって防衛していた場所など扶桑に対して良い感情を持つ人が多い地域に扶桑がスパイを送り込み、親扶桑運動を煽動して選挙で親扶桑派の議員を当選させる等してシベリア鉄道の沿線地域を影響下に置くことに成功する。

そして「オラーシャの光」政策が成功すると地理的要因から東部ヨーロッパに影響を及ぼすのが難しくなるということでブリタニアが扶武同盟を理由に扶桑を支持。

しかし「オラーシャの光」政策とそれに伴うシベリア開発に大量の予算が必要になり(これはシベリア鉄道が扶桑の影響下にあり、本来の数倍の予算がシベリア鉄道に回されていたことも原因になっている)ネウロイ大戦でボロボロにされた軍備を回復するだけの予算が足りず、シベリア防衛がオラーシャ独力では難しくなってくる。(これまで皇帝に対して知識人や学のある貴族等が再三「オラーシャの光」政策の中止を進言していたものの、皇帝はブリタニアやリベリオンの支援の下に完全に復興したカールスラントは脅威であるとの考えからこれを拒否していた)

 

⑧そのタイミングで扶桑は旧大陸領の防衛の負担をオラーシャと扶桑で分担することを申し出る。またその見返りに扶桑、旧大陸領内の鉱山などに対して扶桑人の血と汗で作られたとして経営への介入を要求。しかしオラーシャ議会はこれを受け入れる訳にはいかないと扶桑の要求を拒否。

これを受けて扶桑は政府が「数年前まで住んでいた土地の鉱山をオラーシャは勝手に使っている」と国民を煽っていたので世論は反オラーシャに傾く。

 

⑨その最中、オラーシャ皇帝ピョートル二世死去。新しくオラーシャ皇帝となったドミトリー一世は父が無理に推し進め、国庫を逼迫させ扶桑の内政干渉を招いた「オラーシャの光」政策を徹底的に批判、政策の撤回を宣言。扶桑ぎらいを公然と宣言し露骨な扶桑批判を開始。扶桑とオラーシャ間の関係は猛烈に冷え込む。ただし父の政策の影響で財政は厳しく、扶桑の影響は排除しきれなかった。しかしオラーシャは財政的に大きい行動は出来ないと判断し、特に対策はしなかった。

 

⑩オラーシャ、扶桑に前皇帝が潜らせていたものの有効活用していなかったスパイを使い、シベリアの奥地にネウロイ出現の虚偽情報を扶桑政府に流し、また実際に一部の陸軍部隊(オラーシャ基準)をその虚偽情報の場所に向かわせた。それには情報の信憑性を持たせ、またその場所に釣られてくる扶桑陸軍を殲滅する目的があった。ネウロイ大戦が終わった後の軍備の再編中だった扶桑は、ここでネウロイがシベリアに発生するとまた本土に攻撃を受ける可能性があったためオラーシャの目論見通り援軍到着までの間に合わせとして浦塩の陸軍を出撃させた。そして浦塩の防備が手薄になった時を見計らってオラーシャは扶桑に宣戦布告、ハバロフスクの大量の陸軍を浦塩に向けて進撃させ電撃戦を行い、大きな損害を受けずに浦塩を占領。また誘き出された扶桑陸軍の浦塩守備隊もオラーシャ軍により壊滅的な被害を受けた。

 

⑪扶桑政府は突然の宣戦布告と浦塩占領に混乱するも、その翌日には舞鶴のウィッチ隊の派兵を決定、空母天城所属のウィッチ隊が出撃した。ここで浦塩の制空権を取り返し、陸軍の上陸と司令部への空襲を行う予定だった。

 

⑫ウィッチ隊、出撃するも一切使い物にならず、逆に迎撃のオラーシャ陸軍機による攻撃の第一波で制空権を喪失、空爆隊による第二波で空母天城、駆逐艦秋月、照月の三隻が轟沈、艦隊は撤退する。

 

⑬扶桑海軍、起死回生の策として宮藤芳佳の利用を画策。診療所と親しい友人の家付近に陸戦隊を配置した上で脅し、半ば脅迫に近い形で宮藤芳佳、参戦を承諾。大本営はこれを受け、浦塩奪還作戦を立案。それは宮藤芳佳と少しの戦闘機隊で完全に浦塩上空の制空権を確保し、その間に要塞と化した浦塩を避けて空母機動艦隊の援護を受けながら勃海から上陸した陸軍が回り込むというものだった。これはこの時期、オラーシャの全航空隊の三分の一もの航空戦力が浦塩周辺に配備されており、通常の航空機ではとても制空権を取れなかったためである。

 

⑭扶桑軍、勃海沿岸の荒莫地帯に拠点を設営、戦力の輸送を開始。

 

⑮3ヶ月後、扶桑陸軍が戦力集結を完了。荒莫地帯から抜け、一気に浦塩に向けて進撃を開始。しかしこのタイミングで宮藤芳佳が墜落死との報が入り、陸軍は荒莫地帯を抜ける直前で慌てて移動を止める。

 

⑯制空権の無い中の攻撃は自殺行為のため、大本営内部で議論が発生。結果的にオラーシャ軍の戦力増強の隙を与える。

 

⑰これまで傍観していたブリタニアが扶武同盟を理由に参戦。ブリタニア側からすればここでオラーシャに勝てば戦勝国としてオラーシャに強く出れるだけでなくヨーロッパに対する発言力が上がり、また扶桑としても宮藤の墜ちた今、航空戦力を何がなんでも欲しかったので利害が一致したからである。またネウロイ大戦中にウィッチをあまり派遣しなかった事で発言力が低下していたリベリオンもシベリアの資源と戦勝国という立場を求めて参戦し、ここに扶・武・利三国の連合軍が完成。

 

⑱1ヶ月後、この連合軍の完成を受けて陸軍部隊も移動を再開。扶・武・利三国の空母機動艦隊による連日の空襲と背後からの陸軍による奇襲で完全に浦塩は包囲され、浦塩のオラーシャ司令部は降伏。また奪還した飛行場からハバロフスクへ連合軍は攻撃を行い、それに合わせてシベリア鉄道を利用して陸軍が進撃。最終的にバイカル湖東岸までを占領する。

 

⑲この時点でオラーシャは資金も士気もドン底の状態であり、とても戦争を継続出来なくなったため皇帝が停戦を指示し降伏を宣言、1951年8月30日、戦争が終結。

 

⑳最終的に以下の条文からなる「バイカル条約」をオラーシャと連合国が締結。

・シベリア鉄道は扶桑、ブリタニア、リベリオンの共同管理下に置く

・オラーシャのバイカル湖以東を三国が分割する

・オラーシャは皇帝制を撤廃し、元首を大統領とする連邦共和国政府を新設する。

・オラーシャは3か国に賠償金を支払う

 

【挿絵表示】

 




これがこの作品の歴史です。そしてこの流れを大きく変えるのが宮藤の役目です。

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