あなたが選んだのは?
→地霊殿へ向かう。
本当によろしいですか?
→YES
という訳でさとりルートです。
最初と最後の文書は他のルートの使い回しですがご了承下さい。
注意※今回かなりキャラが崩壊しています。
そして微エロな描写がありますので、苦手な方は他のルートへ戻って下さい。
僕は―――
「地霊殿に…さとりさんに会いに行こうと思います」
すると紫さんから―――
「……あら?さとりに?それは何故かしら?」
不思議そうに、こちらを見てくる紫さん。
「理由ですか?まぁ地霊殿なら、そのままパルスィさんの家にも行けますし、さとりさんは僕とパルスィさんの事を良く知ってますから」
すると顎に指を当てて考える紫……何かをブツブツと言いながら……―――
「なるほどね。なら、さとりによろしく伝えておいて頂戴」
そして紫さんは部屋へと帰っていく……さて、こっちも準備をしないとな。
そして紫は……―――
「さとりなら変な事はしないと思うのだけれど………まさかね?」
と、のんびりとお茶を飲みながら思っていた―――
さて、準備も出来たし…あまり待たせる訳にはいかないから行こう。
そして、スキマを潜り地霊殿へと向かう―――
さて、入り口に来たけど……いつもならお燐さんが迎えに来てくれるんだけど……いないな?
すると陰陽玉に通信が入り―――
「はい…あ、さとりさん。地霊殿の前まで来たんですけど…」
『あら、来てくれて嬉しいわ。そのまま客間まで来て頂戴』
そのまま通信が切れる―――ふむ、行ってみるか。
言われたままに地霊殿へと入っていき、中へと進んで行くのだけど……。
「あれ?今日はペットを一匹も見かけないけど…どうしたんだろう?」
そして客間の扉の前に来てノックをする
(コンコン)
『あ、碧かしら?どうぞ入ってきて頂戴』
促されるまま扉を開けると―――
「あちゃー……来ちゃったかぁ…」
と、うなだれているパルスィさんと。
「ふふっ♪これで賭けは私の勝ちですね♪」
と、笑顔を浮かべるさとりさん……え?どういう事?
全く状況が飲み込めない中、さとりさんがこちらに来て―――
「ようこそ碧さん。えっと…そちらのソファーに掛けて下さい。それから、説明させて貰いますね?」
そしてさとりさんが今の状況を説明してくれた。
なんでもさとりさんとパルスィさんの二人で賭けをして、さとりさんの誘いを受け、地霊殿に来たらさとりさんの勝ち、誘いを断るか後日に後回しにしたらパルスィの勝ちというものだった。
そして、その景品なのだが……。
「これで碧さんには私の作ったチョコレートを最初に食べてもらいますからね♪」
と嬉しそうに言うさとりさん。
「はぁ…敗者は大人しく従うわ。碧の初めてのバレンタインチョコレート…食べさせてあげたかったわね…」
明らかに落胆しているパルスィさん。
「そうとは知らずに、ごめんね…僕もパルスィさんのチョコを楽しみにしてたんだけど…」
「いいわよ。さとりには色々と借りもあるし、誘われたら無下には出来ないから仕方がないわよ」
フォローしてくれるパルスィさん……うん、相変わらず出来た彼女だ。
しかし、そんな状況を楽しむようにさとりさんが―――
「ふむ…で、本音はどうですか?」
それを聞いたパルスィさんは一度俯き―――
「悔しいに決まってるでしょ!家族の紫さん達ならともかく、何で初バレンタインで彼女の私が最初にチョコをあげれないのよ!おかしいでしょ!?」
ムキーっ!といった感じで怒るパルスィさん。
そしてそれに対して―――
「ふふっ♪そんな顔してたら碧さんに嫌われてしまいますよ?」
二人とも、相変わらず仲が良いなぁ…。
「という訳で碧さんには私からのバレンタインチョコを食べて貰います」
隣から、妬ましそうな視線を向けてくるパルスィさんが怖いが…。
「えっと…じゃあ頂きます。それで…チョコレートは…?」
するとさとりさんは箱を取りだし、それを開ける。
「おぉ?!これって!」
「ふふっ♪驚いて頂けましたか?」
そう、箱の中身に入っていたのは何とトリュフチョコ、見てるだけでも美味しそうだ。
この出来にはパルスィさんも感心していて、目を見開いていた。
「さて、じゃあ早速食べて頂きましょうかね」
そう言ってトリュフチョコを一つ持ち、僕の目の前へやってくる―――
「碧さん…はい、あーんして下さいね?」
「へっ?!いや、でもそれは……」
心配になりパルスィさんの方を見ると……。
「気にしなくて良いのよ……賭けに負けたのは私なのだから……」
と悔しそうにしていた。うーん…やっぱり悪い事をしてしまったなぁ。
「さて、という訳ですので…はい、あーん」
「…あーん……んぐんぐ……んっ?」
チョコレートを食べるとほんのりとした苦味と、今まで食べたことの無いような甘み。
何これ、美味しすぎる?!それに何だろう?少しだけ体が熱くなったような…?
「碧さん、いかがですか?私としては上出来だと思うのですが…」
そうだ、ちゃんと感想を言わないと。
「お世辞抜きに、とっても美味しいです!…その…変な表現になるかもしれないですけど…怖いくらい美味しいってこういう事なんだなって…」
「ふふっ♪そう言って頂けて何よりです♪」
すると一部始終を見ていたパルスィさんが……
「……ねぇ。そんなに美味しいの?」
「うん、これ…今まで食べたチョコレートで一番美味しいよ!」
「沢山作っていますし…折角なのでみんなで食べてしまいましょう」
さとりさんのその言葉に……
「いいの?碧の為に作ったんじゃ…?」
「えぇもちろんです。碧さんは大切な友人ですが、パルスィ…あなたも私の…大切な友人なのだから、気にしないで頂戴?」
それを聞いたパルスィは照れくさそうに―――
「…あ、ありがと…///」
と小さな声で感謝していた。
そしてみんなでチョコレートを食べ始めたんだけど……―――
「何このチョコレート!?美味しすぎるわよ!」
「満足いただけたかしら?」
「えぇ。ほんのりとした甘さと、丁度良い苦味…全部が調和していて……とにかくすごいわよ!」
はて?自分の時と味の感想が違うような…?
そしてさとりさんも一口食べる……。
「うん…私の物は苦味と甘みが半々のようですね…美味しい♪」
流石に、それぞれの味の違いに疑問を持った僕とパルスィさんは、さとりさんに聞くことにした。
「ねぇさとり。このチョコレートって何か特別な調味料でも入ってるの?」
「食べる人によって味が変わるなんて…流石に気になるんですけど…」
「ふふっ♪そうですよね。実はですね、このチョコレートを作る時に、翡翠の女将さんから隠し味に特別なモノを頂いたんですよ?」
特別な…隠し味…?
「ねぇさとり…それって一体何なのかしら?普通の隠し味程度じゃ、こんな不思議な事にはならないわよ?」
そして、さとりさんが教えてくれる―――
「そうですね、このチョコに入っているのは女将さんの秘蔵のお酒で、何でも…飲んだ人によってその味を変える特殊なお酒らしいのです」
あぁ…それでみんなの感想がバラバラだったのか。
それに体が少し熱くなったのも、お酒が入ってたからなんだなぁ。
「なるほどね、それなら納得だわ。それにしても本当に美味しくて止まらなくなるわねぇ」
「でしょう?私も初めて食べた時はそうなりましたから」
そうしてみんなで大量にあるチョコレートをどんどん食べていく。
しかし、このお酒には注意する事があった。
実はその事を女将さんは前もってさとりに伝えていたのだが、碧に食べて貰えた嬉しさのあまり、さとりは忘れてしまっていたのだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
それは数日前に遡る――――
「あの…女将さん、これは?」
調理場でチョコを作ろうとしていたさとりの元に、大きな瓢箪を担いで来た女将さんが―――
「私の秘蔵のお酒です。入れると、それだけで料理が美味しくなる優れものなのですが……」
「……ですが?」
「これはですね、神酒“神殺し”という非常に強いお酒なのです。その名の通り、飲み続ければ神すら簡単に酔い潰すくらい強いお酒でして……」
それを聞いたさとりは流石に動揺した。
「…え?それは使っても大丈夫なのでしょうか?」
しかし、さとりの心配を余所に女将さんから―――
「えぇ、強いですが…依存性や副作用、二日酔いなどには一切なる事がなく、むしろその逆…健康促進や滋養強壮。それから…このお酒をお風呂のお湯として使えば、それだけで肌が瑞々しくなります。これが神酒と言われる由縁でもあります」
「そんな効果が?!…あの…女将さん…お願いがあるのですが…」
「ふふっ…分かっていますよ。当日、浴槽で使う分のお酒は用意いたします」
それを聞いたさとりは心の中で歓喜していた。
「その代わり、先程も申しましたが…非常に度数が強いのでチョコレートに入れて食べるのであれば…そうですね、人間の碧さんでしたら3つほどで止めておいて下さい。あ、さとり様でも7個も食べると完全に酔いが回ってしまいますので……」
その時、さとりは神酒の効果を聞いていたのだが、同時にそれを食べた碧の喜ぶ顔を浮かべていたので、実は半分くらいしか聞いていなかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そして、今…三人の食べたチョコレートの数はそれぞれ10個をゆうに超えていた
この神酒…単純な度数で言えば、チョコレート1個辺り、90度のお酒をコップ一杯分飲んでいるレベルと言えば分るだろうか?
そんなレベルの物を大量に食べればどうなるかは分かるだろう……。
今ここに―――
三人の酔っ払いが誕生した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
先程までのお茶会のような雰囲気から一転―――
その場は酔っ払いの語り場になっていた。
「ねぇ~、パルスィ~?いっつもいっつも…二人の仲の良さを見せつけられるぅ、こっちの身にもなってちょうらいよね~」
呂律の回っていないさとりがパルスィに絡む。
「なぁにぃ?妬いてるのぉ~。でもぉ、さとりも美人だからぁ…男なんてよりどりもどりじゃにゃいのよぉ~」
こちらも同じくへべれけになっているパルスィ。
そしてパルスィの言葉に、さとりは言い返す
「わらひが好きにゃのは!みどりさんだけなのよ!そう思うならみどりさんを渡しなさいよぉ~」
そう言って碧を自分の胸元に抱き寄せるさとり。
因みにこの段階で碧は思考が上手く回っておらず、置物のようにぼーっと座っていた。
「ふにゅ……いい匂いがする~…」
甘えるように、さとりに抱きつく碧を見たパルスィは―――
「あんた~!にゃにしてんのよ!みどりはねぇ…わたしのものなのよ!」
そうして今度はパルスィが碧を自分の胸元に抱き寄せる。
普段から抱きなれた感触に碧は―――
「ん~…これ、すき~…もふもふ~…」
「んひゃん?!…も~、みどりったらぁ…さとりが見てるのに大胆ねぇ~」
わざとらしく見せつけてくるパルスィにカチンと来たさとりは―――
「そっちがその気ならぁ……えいっ!」
着ていた上着とブラジャーを脱ぎ捨て、再び碧を強奪。
「ふにゃあ……すべすべして、やわらかい…ん~♪」
肌のダイレクトな接触により、碧の顔がふにゃっとした笑顔になる
(注意:碧は生の胸に触れているという自覚がありません)
「……ふっ…(どやぁ?)」
さとりのドヤ顔にイラッときたパルスィが、今度は対抗して脱ぎ始める。
「わたひの方が……気持ちいいんらからねっ!……ふぅ…どうよ?この大きさぁ~」
そして再び碧を奪い返すと共に自身の胸へと顔を押し付ける。
「ほぉら、みどり~。大好きなやわらかおっぱいですよ~♪…(ちらっ)…くすっ♪」
自身の方が胸が大きいと主張するように、ドヤ顔で返すパルスィ。
そして追い打ちとばかりに―――
「さぁ、いつもみたいにぃ…好きにしてもいいのよ~♪」
そう言いながら、マシュマロのような“それ”で碧の顔を挟んだりし始める。
それを更なる挑発と見たさとりは―――
「あ~もう!パルスィ~…あなた、いつまでそうしてるのよ~!こうなったらぁ…」
そして、さとりが取った行動は、パルスィと向かい合うように碧を挟み込み―――
「大きさわぁ…んしょ、負けるけど…形はわたひの方がきれいにゃのよ~!」
そう言って碧の顔の半分に乳房を押し付ける。
ここまで来ると、最早単なる痴女なのだが、それをさせるのが神酒の魔力…神殺しの名は伊達ではないのだ。
「う~ん……すべすべ~(すりすり)」
子供のように甘える碧
「んっ…はぁ…みどりったらぁ~。やっぱりぃ、わらひの~おっぱいが好きなのね~」
そして再び勝ち誇るような顔をするさとり。
二人の目が交差し、お互いに火花が散った。
これは負けられない女の戦い―――(ただし酔っ払い)
「ふふっ……いいわよぉ。こうなったらお風呂場でちょくせつたいけつよぉ~」
「いいですねぇ…今日のお風呂はとくべつなんれふよ?なのでぇ…こちらも負けませんですよ~」
そして酔っ払い二人は、半ば寝ぼけている碧を引きずりながら浴場へと向かった。
脱衣所にて―――
さとりとパルスィは黙々と服を脱いでいた。
だがここにきて、二人とも若干酔いが醒めてきていた。
しかし、あそこまで啖呵を切ったからには後に引けず……とりあえずいそいそと服を脱いでいく。
(どうしましょう……今更ながら私ったら凄い事してたんじゃ……)
そんなパルスィの思考を遮るように、魔の手が伸びてくる―――
「(もにゅん)…んひゃぁあ?!え?!何?!(むにゅむにゅ)…ひゃんっ?!ってさとり!?」
そう、こっそりとパルスィの後ろに回ったさとりがそのたわわな果実を揉んでいたのである。
「ちょ、ちょっと?!何してるのよ!?」
しかも性質が悪い事に……上手いのである。
(なんでこんなに上手いのよ………このままじゃ…~~~っ///)
因みにその理由として、大きくするために自分で揉んでいるからなのだが……。
「んくっ…ちょっと…さと…んひゃっ?!」
「…むぅ…本当に大きいですね……何故ですか…私の努力は報われていないのでしょうか…妬ましい…」
(んんっ……こ、これ以上は……ダメぇっ!)
そして脱衣所に響き渡るパチーンという音。
「きゃうん?!……いった~……」
額を抑えてうずくまるさとり…そう、パルスィは、幽香直伝のデコピンを発動させたのだ。
「はぁ…はぁ…さとり…あんた、いつから色情魔になったのよ!」
すると涙目で立ち上がり―――
「うぅ……ちょっとした冗談じゃない…。あ~もう、痛かったわ…」
「まったく…自業自得よ」
「ふぅ…それにしても、いつも碧にもまれているからそんなに大きくなったのかしら?」
「な“っ?!……ち、違うわよ!……たぶん…」
そして、服を脱ぎ終わった二人の視線は脱衣所の椅子へと向かった。
そこには、ぼんやりとした碧が座っていた。
「ねぇ…寝てるわけじゃないから無理やり引っ張って来たけどさ…これからどうするのよ?」
「ん~…さっきも言いましたが…折角の特別なお風呂なので、碧さんにも堪能してもらいたいのですが…」
するとパルスィが動きだし―――
「なら話は早いわ。さっさと脱がせてさっさと入りましょう」
そうしてパルスィが碧の服を脱がしにかかったところで―――
「ちょ、ちょっと待って頂戴!?え?脱がすんですか?」
慌てるさとり。
「何よ?脱がさないとお風呂に入れないでしょ?ほら碧上着を脱ぐから手を上げてね…んしょっと…」
さとりが慌てふためいている間にどんどん脱がされていく服。
そしてぼんやりとした碧は、二人と同様に裸にされる。
「こ、これが…碧さんの…裸……きゃぁ…///」
手のひらで目を隠しながらも、指の間からチラチラと碧の裸を堪能するさとり。
「なにやってんのよ…アホなことしてないで入るわよ?」
そして、パルスィが何事もなかったかのように碧の手を引き、お風呂場へと連れて行こうとすると……
「ねぇ…パルスィ。あなた、なんでそんなに慣れてるの?」
すると一瞬止まり―――
「…えっと…二人で飲んでて、碧が酔い潰れた時はいつも私が着替えさせてるからよ?」
しかしその答えに納得していないさとりは―――
「それだけじゃないでしょう?「うっ…」…あなた達…もう一緒にお風呂に入るのが当たり前になってるんじゃ…?」
その言葉を肯定するかのように、顔を赤くしてそっぽを向くパルスィ。
「はぁ…羨ましい…良いですよ。どうせ私も今から一緒に入るんですしね」
そして、二人は碧の手を引きお風呂場へと入っていく。
「うわぁ…何これ…お湯が金色に光り輝いてる……」
その光景に驚きを隠せないパルスィ。
「ふふっ♪どう?女将さんからお風呂用に神酒を貰ってたの…入れるのは今日だけだから…じっくりと堪能して頂戴?」
「その…今更だけど、お酒のお風呂に入っても大丈夫なのかしら?」
「えぇ、もちろん大丈夫よ。むしろ健康促進や美容の効果があってすごいんだから!」
その言葉に反応するパルスィ。すぐにでも入ってみたい…しかし―――
「まぁ…まずは身体を洗ってからね…とりあえず碧を座らせて…と」
ぼんやりとしている碧は―――
「ん~…何するの~?」
「身体を洗ってあげるから……ほら、まずは髪を洗うから、目を瞑って頂戴…そう、いい子ね…」
甲斐甲斐しく世話をするパルスィ……一方、それを見ていたさとりは―――
「やっぱり…慣れ過ぎじゃない…。はっ?!ひょっとして…いつも…?」
「なっ?!~~~っ///……悪い?恋人なんだからお互いの裸なんて見慣れてるし、身体の洗いっこなんて日常茶飯事よ?ふふっ…羨ましい?」
その言葉を聞いたさとりは…――
「その挑発…乗らせて貰うわ……」
と言ってタオルを持って碧の前へと居座る。
「え?ちょっと?何をするつもりよ?」
「折角の機会ですから…私も慣れさせて貰います……えいっ!」
そう言って碧の身体を洗い始めるさとり。
普段ならひっぱたいてでも止めるパルスィだが…お酒が抜けきっておらず、判断の鈍った今は…
(まぁ…いいかしら?)
くらいにしか思っておらず、そのまま頭を洗い続けた。
「んしょ…んしょ…っと…ふぅ…(これが碧さんの身体…白くてきめ細かい肌…ウエストも細いですし…)」
自分の体型と見比べても、細いそれを羨ましく思いながらも…視線はある一部へ―――
「うわぁ…(これが碧さんの……流石にここは女性とは違いますね…)…っ///」
そしてふと思う。
身体を洗うということは、当然そこも洗うという事……。
「(え?洗ってもいいんでしょうか?というか、どうやって洗えばいいのでしょう?)」
混乱するさとり。それを見たパルスィは悪戯な顔で―――
「さとり「ひゃい?!」くすっ♪…ちゃんと綺麗に洗って頂戴ね?」
普段なら絶対にそんな事を言わないパルスィも、流石の神殺しの効果には勝てなかった。
そして許可を貰ったさとりだが、そこをじっくりと見ようとしては目を反らし…を繰り返していた。
「(うぅ…無理です。どうすればいいんでしょう…)」
「あらあら?情けないのねぇ…私が代わるから…ほら、碧足を開いて…ん、じゃあ洗うわよ…」
そう言いながら手際よく洗っていくパルスィを見ながら、さとりは…――
「(くっ…これが彼女として付き合ってきた時間の差なのですか……)」
そして、碧の身体を洗い終えたパルスィは、沈まないように碧を湯船へと浸ける。
「さ、じゃあ私達も身体を洗って、湯船に入りましょう」
そう言ってさとりの隣で身体を洗い始めるパルスィ。
さとりは思った―――
碧と付き合い始めて、パルスィは本当に綺麗になった。
スタイルも良くなったし、何より顔が明るくなった。
羨ましい…そんなことを思いながら、自分の胸ももっと大きくならないかと考えていた。
そして身体を洗い終えた二人は、碧の両隣へと座る。
「このお湯…いえ、お酒かしら?……本当にすごいわね…」
パルスィが感嘆するのも無理もない。
湯船に浸かって少しして、身体の奥から力が湧いてくるし、何より女性として嬉しいのが、肌のハリや瑞々しさが全然違うのだ。
「本当に……女将さんには感謝ね…」
そして、二人は沈黙する。
天井から滴り落ちてくる水滴の音だけが響き渡る静かな世界―――
「ねぇ…パルスィ」
「何かしら?」
「あの時…あなたが碧さんと付き合う前…私は言いましたよね?私は…彼の事が好きだと」
「えぇ…聞いたわ」
「あの気持ちは…今でも変わらず……いえ、さらに強く…碧さんの事を想うようになりました」
さとりの言葉を黙って聞くパルスィ。
「でも、碧さんはあなたと付き合っています。……ですが、それでも私は…碧さんと一緒に生きたいと…生涯を添い遂げたいと思っています…」
「さとり……」
「そして…パルスィ…あなたともです。「へっ?」あなたは私大切な友達……いえ、親友以上の存在です」
今までの酔いの回った目ではなく、真摯な目でパルスィを見る。
「だから私は…パルスィ…あなたと碧さん…三人での明日を見たい…幸せを見つけたいんです」
その言葉を聞いたパルスィはさとりと目を合わせる……。
パルスィが口を開こうとした、次の瞬間。
「ん~…ダメだよ~、二人とも……けんかしちゃダメ…」
トロンとした瞳の碧が、二人の間から言う。
それを聞いた二人は目を丸くし…そして―――
「くすっ♪」
「ふふっ♪」
「全く…碧ったら……。さとり…あなたの想い…十分に伝わって来たわ。私もあなたの事は大切に思ってる。それこそ…家族みたいに…だから、これからは幸せになりましょう?私達…三人で…ね?」
「パルスィ…ありがとう…私の大切な人……ぐすっ…」
「こらこら、泣かないの。そんなんじゃダメよ?幸せになるために……支えていきましょう?少し頼りなくて…可愛らしい…私達の旦那様を…ね?」
それから二人は、碧を挟んで抱き合い、暫くの間…湯船の中で語り合った。
そして、お風呂から上がった三人はさとりの寝室へと向かう。
「お風呂の影響かしら?身体の芯から火照りが収まらない…」
「パルスィも?…よかった、私だけじゃなかったのね…」
「そういえば、あのお風呂って他にも効能があったの?」
「えぇ…その…女将さんの話だと……殿方に対して絶大な効果を発揮する…と」
「あぁ…それでお風呂から出た時から、ああなってたのね…」
二人の視線はベッドで横になっている碧へ…いや、正確には下半身の方へ…。
「あのお酒には…その…夜の営みを円滑にする効果もあるそうなので……それで私達も火照っているのかと…///」
「ふぅん…まぁ碧もあんな風になっているんだし…」
そう、お風呂から上がった三人は、服を着ず…全裸のまま寝室に入った。
つまりはそういう事だ。
臨戦態勢の碧と、火照りを通り越して発情の域に達している二人。
「さぁ…夜はまだまだ始まったばっかりよ♪」
「私の初夜…お願いしますね…♪」
そして二人はベッドで寝ている碧の元へ向かって行った。
その眼は肉食獣のそれを彷彿とさせた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
顔に当たる光……ん…もう朝なのかな…?
起きようと思い体を動かそうとするが、両隣に感じる暖かな感触がそれを阻止する。
そして碧は左右を見る…右にパルスィさん…左にさとりさん……そして二人とも裸。
既に起きていた二人から―――
「あら?ようやく起きたのね碧?」
「ふふっ♪可愛らしい寝顔でしたよ?」
これは…もしかしなくても……。
「昨日は…その…優しくして頂いてありがとうございました///」
「お酒のお陰かしらね?初めてであそこまで乱れるなんて「ちょっとパルスィ!?」…くすっ♪」
だんだんと思いだしてきた。
みんなでチョコレートを食べて、酔いの回った状態でハメを外してはしゃいで……。
お風呂に入って身体を洗われて……。
さとりさんの告白を聞いて……。
そして……この部屋で…結ばれたんだ……///
「さとり、身体は大丈夫かしら?」
「少し違和感はありますが…まぁ…これも幸せの一つかと…///」
幸せそうなさとりさんの顔…見ているだけで、こちらまで幸せになってくる。
「ねぇ碧。「はい?!」…そんなに驚かなくてもいいでしょ。全部…思い出したかしら?」
ニヤニヤとこちらを見てくるパルスィさん。
むぅ…これは完全に分かってて言ってるな。
「しっかりと……お風呂に引きずられていった事も、この部屋に裸で連れて来られたことも、パルスィさんが一番乱れて「わぁー?!ストップ!お願いだからストップ!」……とまあ全部見てたんで、大丈夫だよ」
「そう、それなら良かったわ。それとね、碧…さっきあなたが寝ている間にさとりと話したんだけど…」
「ん?どうしたの?」
「あのね…これからは夫婦三人で、この地霊殿に住もうと思うのよ」
はい?
「実は、さとりのペット達がみんな灼熱地獄の方へ転居してしまって、部屋がだいぶ余るみたいなのよ…それで…」
「妹もいるのですが殆どここに帰ってくることは無く…一人で住むのも寂しいですし……その…お二人さえ良ければなんですけど…」
「ねぇ碧…答えは決まってるわよね?」
そんな顔をされたら答えは一つしかないじゃない……
「うん。一緒に住もう。この地霊殿に……ね?」
「碧ならそう言ってくれると思ったわよ」
「ありがとうございます。それと…紫さんには私達から改めてお話をさせて貰いますので……それと…」
はにかみながら……彼女は告げる―――
「これから、よろしくお願いします……私達の…旦那様♪」
恋人と親友…傍から見たら不思議な関係かもしれない
それでも…僕達三人なら…―――
きっと、幸せな明日を掴むことが出来る…そんな確信があった。
だって…こんなにも素敵な笑顔の二人のお嫁さんがいるんだからね――――
これからどんな物語が紡がれていくのか―――
それはIF……有り得たかもしれない話―――。
歴史に埋もれた一端の出来事。
という訳でさとり編という名のさとり+パルスィ同時攻略ルートでした。
お楽しみいただけたでしょうか?
色々とキャラ崩壊や、酔っぱらったときの口調などおかしな部分もあると思いますが、これはあくまでもIFストーリー…それも含めて楽しんで頂ければ幸いです。
ご意見、ご感想、アドバイスなど、よろしければお待ちしております。