古城たちが空港にいたころの夜の街
そんな夜の街を一人の男が歩いていた
昨日、雪菜にボコボコにされ、逃げた吸血鬼である
その吸血鬼に声を掛ける者がいた
「遊んでくれませんか。私達と」
男が振り向くと、ケープコートを羽織った小柄な少女がいた。
「なんだ?まだガキじゃねえか。そんなに遊んでほしけりゃ遊んでやるよ!」
男が登録証をむしり取り、砕いた
そして、吸血鬼としての本性を現す
そして少女に飛びかかろうとしたその時だった
「堂々と魔族か闊歩する。まさに呪われた島ですね。ここは」
「なんだテメェ。今のはこいつが言ってきたんだぜ」
「いかにも。ですから、遊んで下さいと言っているのです。この私達と」
そう言って現れたのは法衣と鎧を着た男だった
彼は吸血鬼の前にバッグを放る
中には大量の武器が入っている
「丸腰では戦えないというならばお取りなさい」
「テメェ…。舐めやがって‼」
吸血鬼は刀を掴むと男の顔面を目掛けて投げつける
しかし、刀は男の持つ斧に弾かれた
男は自らの身長と大して変わらない戦斧を片手で軽々と振り回し告げる
「これで終わりですか?」
「クソッ、来い!灼帝!」
「ほう…。街中で眷獣を使った愚か者ときいて探し当てた甲斐がありましたね。''薔薇の指先''の腹の足しにはなりそうですね。やりなさい、アスタルテ」
「命令受諾、実行せよ、''薔薇の指先''」
次の瞬間吸血鬼の眷獣が弾けとんだ。
「なっ!何をしやがった!?」
「簡単な事です。眷獣にはより強い眷獣を当てれば倒せる」
「馬鹿な……それが眷獣だと!?」
少女の背中からは虹色に光る腕が生えていた。
「もういいでしょう。アスタルテ、止めをさしなさい」
少女の感情を写さない瞳が吸血鬼を見る
「実行せよ、''薔薇の指先''」
「古城!補習に遅れるぞ!」
「はぁ!?もっと早くに起こせよ!」
古城は飛び起き、支度を始める
「おはよう、明々後日から新学期なのにまだ補習なんだね?」
久遠はそういいつつ、コーヒーを差し出す
古城はそれを受けとり、飲みながら支度を進める
「全教科は伊達じゃねぇな」
そのとき、部屋にインターホンの音が鳴り響く
久遠が応対し、中に入れた
「姫柊、悪いな、いつも」
「そう思うなら早くに支度をしてください」
「ごめんね、羣雲と同じ部屋だと眠れなくて(いろんな意味で)」
描写が.....
そして香苗は羣雲の隣、雪菜は古城の隣、久遠は翠漣を従えて登校する
突然、羣雲が呟く
「マラソン、めんどいなぁ....」
補習が終わり、買い物に向かう途中
辺りに轟音が鳴り響いた
「あれは....眷獣か?まぁいい、古城」
「だいたいわかるけどなんだ」
「雪菜と香苗を連れて家に帰れ。久遠はこい」
香苗は何かを言いたげになるが、諦めたようだ
「じゃあ久遠、行くぞ!」
「了解!」
そして久遠と羣雲は、久遠の空間転移で現場に急行した