ストライクザブラッド ─真の零番目─   作:本条真司

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第42話

「さぁて、本当は嫌だったが仕方ない。琴葉!」

一樹が呼ぶのとほぼ同時。真横に魔方陣が展開され、一人の少女が現れる

パッと見た感じ、古城とは真逆の雰囲気を纏っている

「やっと呼ばれるのね。いくわよ」

「ああ!」

そして一樹は背負っていたトロンボーンケースから黒い雪霞狼を取り出し、琴葉は雷のような魔力を纏う

「獅子の霊王たる高神の剣神が願い奉る!」

焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)の血脈を継ぎし者、暁琴葉が、汝の枷を解き放つ!」

「破魔の曙光雪霞の神狼、鋼の神意を持ちて我に悪神百鬼を討たせたまえ!」

疾く在れ(きなさい)、三番目の眷獣“龍蛇の水銀(アル・メイサ・メルクーリ)!”」

一樹がレヴィアタンの防護魔術を切り裂き、琴葉がレヴィアタンの硬い皮膚を破って内部に突入した

 

 

 

 

その頃、零は

「……なんだ、この魔力は……第四真祖と同じ……?」

別のところで、羣雲も同じことを言っていた

「どうした、零?」

「ああ、何でもねぇ……」

その魔力を確かめるべく、新たなる眷獣を解放した

狂え(こい)暴喰者(アラガミ)

それは、不定形の郡体細胞生物。時と場合によって進化する、万物を喰らいし存在

零はその眷獣を小型の荒神にして、魔力波動の発生地点に向かわせた

 

 

「いやぁ、どうにもかてぇな」

「そうねぇ、ここまで堅いとは思わなかったわ」

ところ変わってレヴィアタンの内部。琴葉と一樹は話し合っていた

どうにも、撃退するのに決定打が足りない

「……琴葉…。新しい眷獣、欲しいか?」

「出来れば欲しいわ」

「……なら仕方ねぇ、吸え」

一樹からしたらいつものことである。琴葉もいつも通り、一樹の血を吸った

それにより、古城と琴葉は、新たな眷獣が目覚めた

 

数分が経過し、一樹がトロンボーンケースの前ポケットから、とある指輪を出した

それを見て琴葉も、胸ポケットからネックレスを取り出し、それぞれがそれぞれを着けた

「八雷神を召喚するのは、だいぶ久しぶりになるか」

「私も、霊斬刀を出すのは久しぶりになるわ」

二人は顔を見合せ、笑い、叫ぶ

「八つに分かれた雷に、流れる意味(のろい)を解放す!」

「霊と共に、霊を絶て。多を持ち他を制せ!」

一樹の指輪、琴葉の指輪からそれぞれ闇が漏れだし、冥界から死神の鎌を召喚する

「黒雷」

「霊斬刀・蛇腹剣」

黒雷と呼ばれた蛇腹剣と、霊斬刀という10以上の形態をもつ刀の蛇腹剣形態。その二つが放つ魔力は、どの真祖の魔力をも上回っている

「おらぁ!」

「はぁぁ!」

二人は気合いと共に蛇腹剣を振り抜き、レヴィアタンの硬い皮膚を切り裂く

そして外に飛び出し、一樹が再度、八雷神の一柱を呼び出す

「伏雷!」

伏雷と呼ばれたその刀たちは、一樹と琴葉の足場となった

「さて、私の戦争(しごと)ね」

「任せたぜ、第四真祖?」

焔光の夜伯(カレイド・ブラッド)の血脈を継ぎし者、暁琴葉が、汝の枷を解き放つ!」

琴葉は直立したまま、天に手を向けた。ちょうど、巨大な刀を抜くように

疾く在れ(きなさい)、七番目の眷獣“夜摩の黒剣(キファ・アーテル)”!」

それは、刃渡り数百メートルはあろうかという、黒い大剣である

琴葉は夜摩の黒剣をレヴィアタンの真上に持っていき、力を少し解放して、眷獣をレヴィアタンに落とした

「うおっ!?さすがは第四真祖、結構威力たけぇな」

「当然よ、世界最強だもの」

レヴィアタンは夜摩の黒剣の威力に怯えたのか何なのか、海の底へと戻っていった

 


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