「さぁて、本当は嫌だったが仕方ない。琴葉!」
一樹が呼ぶのとほぼ同時。真横に魔方陣が展開され、一人の少女が現れる
パッと見た感じ、古城とは真逆の雰囲気を纏っている
「やっと呼ばれるのね。いくわよ」
「ああ!」
そして一樹は背負っていたトロンボーンケースから黒い雪霞狼を取り出し、琴葉は雷のような魔力を纏う
「獅子の霊王たる高神の剣神が願い奉る!」
「
「破魔の曙光雪霞の神狼、鋼の神意を持ちて我に悪神百鬼を討たせたまえ!」
「
一樹がレヴィアタンの防護魔術を切り裂き、琴葉がレヴィアタンの硬い皮膚を破って内部に突入した
その頃、零は
「……なんだ、この魔力は……第四真祖と同じ……?」
別のところで、羣雲も同じことを言っていた
「どうした、零?」
「ああ、何でもねぇ……」
その魔力を確かめるべく、新たなる眷獣を解放した
「
それは、不定形の郡体細胞生物。時と場合によって進化する、万物を喰らいし存在
零はその眷獣を小型の荒神にして、魔力波動の発生地点に向かわせた
「いやぁ、どうにもかてぇな」
「そうねぇ、ここまで堅いとは思わなかったわ」
ところ変わってレヴィアタンの内部。琴葉と一樹は話し合っていた
どうにも、撃退するのに決定打が足りない
「……琴葉…。新しい眷獣、欲しいか?」
「出来れば欲しいわ」
「……なら仕方ねぇ、吸え」
一樹からしたらいつものことである。琴葉もいつも通り、一樹の血を吸った
それにより、古城と琴葉は、新たな眷獣が目覚めた
数分が経過し、一樹がトロンボーンケースの前ポケットから、とある指輪を出した
それを見て琴葉も、胸ポケットからネックレスを取り出し、それぞれがそれぞれを着けた
「八雷神を召喚するのは、だいぶ久しぶりになるか」
「私も、霊斬刀を出すのは久しぶりになるわ」
二人は顔を見合せ、笑い、叫ぶ
「八つに分かれた雷に、流れる
「霊と共に、霊を絶て。多を持ち他を制せ!」
一樹の指輪、琴葉の指輪からそれぞれ闇が漏れだし、冥界から死神の鎌を召喚する
「黒雷」
「霊斬刀・蛇腹剣」
黒雷と呼ばれた蛇腹剣と、霊斬刀という10以上の形態をもつ刀の蛇腹剣形態。その二つが放つ魔力は、どの真祖の魔力をも上回っている
「おらぁ!」
「はぁぁ!」
二人は気合いと共に蛇腹剣を振り抜き、レヴィアタンの硬い皮膚を切り裂く
そして外に飛び出し、一樹が再度、八雷神の一柱を呼び出す
「伏雷!」
伏雷と呼ばれたその刀たちは、一樹と琴葉の足場となった
「さて、私の
「任せたぜ、第四真祖?」
「
琴葉は直立したまま、天に手を向けた。ちょうど、巨大な刀を抜くように
「
それは、刃渡り数百メートルはあろうかという、黒い大剣である
琴葉は夜摩の黒剣をレヴィアタンの真上に持っていき、力を少し解放して、眷獣をレヴィアタンに落とした
「うおっ!?さすがは第四真祖、結構威力たけぇな」
「当然よ、世界最強だもの」
レヴィアタンは夜摩の黒剣の威力に怯えたのか何なのか、海の底へと戻っていった