「はぁ、おはよう」
そして零は気付く
「声、高くなってる?」
「零さん、でしたか?」
やけに聞き慣れた声が、零は喋ってないのに聞こえる
「夏音、か....?」
「はい」
「うわ、入れ替わってるよ」
「....みたいでした」
二人は天井を仰いだ
「零!助けてくれ!」
「優麻?どうした?」
「優麻じゃない!古城だ!て叶瀬?」
たっぷり一分フリーズ
「お前らもかコラ」
「入れ替わったんだな、何かすまん」
「楽しいので大丈夫、でした」
「俺的には大問題」
三人は零の部屋に固まっていた
「.....キーストーンゲートに第四真祖の魔力を確認。優麻だな」
夏音の声で零が語る
「スキマ使えるのか?」
「無理だ。が、これを使う」
そして自分の体(今は夏音)のポケットを漁り、ある扇子を取り出す
「よーし、夏音の体に霊力があってよかった。古城、夏音。俺に掴まれ」
「はい」
「お、おう」
夏音は手を、古城は服を掴み、何が起こるのかを見ている
「火・水・木・金・土・日・月」
零が唱えたあとには、三人の周りに、火水木金土日月の字が浮いている
「何だこれ?」
「見てろ。月の陣」
そう唱えると、三人はキーストーンゲートの屋上にいた
「マジでなんだこれ!?」
「古城、もう追い付いたんだね」
古城の声で、他の誰かが話す
「仙寄木優麻。さっさと古城に体を返せあと俺と夏音を戻せ」
「古城の魔力が必要なんだ、邪魔しないでよ」
優麻がそう言うと、後ろに控えていた二人の女子が動き出した
「そうですわ、邪魔しないでいただけます?さもないと殺してしまいますわよ?」
「お前らごときが?俺を殺す?ククッ、笑わせてくれる」
その声は、零の体から聞こえた。同時に魔力が放出される
「な!?どうやって空間制御術式を!?」
「この程度、俺なら解除出来るんだよ、残念だったな」
零は右腕を右に向けた
「
姿を現したのは、身の丈の倍はあるであろう、時計であった
「
「な!?体が...!」
二人は突如、動かなくなる
「
「僕は...まだここで終わるわけにはいかないんだ....!それが、僕の生きる価値なのだから!」
優麻がそう言うと、後ろに控えていた悪魔──
蒼が手を合わせてから離すと、そこから獅子の黄金が姿を現した
「獅子の黄金か....まさか!」
「残念だったね、僕の勝ちだ!」
零は島外に目を向ける。そこには、石のような材質で出来た建物───監獄結界が姿を現していた