ストライクザブラッド ─真の零番目─   作:本条真司

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第20話

「.....言い訳を聞こうか?」

「アスタルテに縁日を体験させたかった、それだけだ」

「そうか、楽しかったか?アスタルテ」

「肯定。待たせてしまい、申し訳ありません」

「楽しめたなら構わん」

その時、飛翔してくる物体を、零の第六感が捉えた

「来たみたいだ」

「そのようだな。アスタルテ」

「命令受諾。執行せよ、薔薇の指先」

アスタルテが眷獣を召喚し、通り抜けざまに叩き折られた鉄塔を支えた

「博麗霊夢の能力」

そう呟くと、零は生身で空を飛び、仮面憑きと戦い始めた

「くっそ、全然効かねぇな。知ってたけどよ!霊符[夢想封印]!」

零は夢想封印を放つが、仮面憑きにはダメージが無いようだ

「那月ちゃん、鎖は!?」

「無理だ、アスタルテの眷獣だけでは、倒れかかっている二本の鉄塔を支えきれん!」

那月は虚空より鎖を召喚し、アスタルテとは別の鉄塔を支えていた

(まだアレは使いたくない。予言通りなら、明日使うことになるが....それまでは、誰にも知られたくないからな)

零は攻撃をかわしながら、対策を練っていた

が、その時。祭りをやっている方角から飛翔してくる何かが、零と戦っていた仮面憑きを殺した

「な!?仮面憑きがもう一体...!?しかも、この霊力波動は....」

その、結果的には零を助けた仮面憑きの仮面が外れ、顔が見えた

「夏音!」

それは、叶瀬夏音の顔。零の恋人だった

そして、夏音は、自分が殺した仮面憑きに目を向け、口を開いた

「待て夏音、やめろ...!」

零が飛んでいくより、夏音の行動がはやかった

仮面憑きを喰ったのである

「夏音ー!!」

そして夏音は、飛んできた方向へと戻っていった

 

 

 

 

 

「叶瀬賢聖か.....夏音の父親がやった可能性があるな」

『...零、メイガスクラフト行こ?』

「弧亜が調べたあいつの家、か」

そう言いつつ立ち上がり、スキマを開いた

「手がかりがありゃいいんだがな」

 

メイガスクラフト・本社

「.....夏音の霊力波動、熱源反応は無い。不在だな」

『...どうするの?』

「あの受付ロボットに、叶瀬賢生について聞くか」

数分後

「なんか、そこで待ってろって言われた」

『...何でだろう、ね?』

「さぁ...?」

さらに数分後

「ごめんなさい、お待たせしてしまったかしら?」

「そう思うなら早めに来てくれ」

尚、妖櫻は零の中に入ったもよう

「改めまして、開発部のベアトリス・バスラーです。叶瀬賢生の....そうですね、秘書のようなことをしています。本日は賢生のどのような御用件で?」

「う〜む、本人にしか言えねぇな」

「そうですか.....とはいえ困りましたね、賢生は今島外の研究所にいるんです」

それならばと零は答えた

「その研究所ってところに行く。場所さえわかればな」

「そうですか.....ここです」

そう言いつつベアトリスは取り出した地図の、ある一点を示した

「ほう?そうか、ありがとう。無駄な時間を過ごさせたな」

「結界があるので、魔術では入れませんし出られません。うちの飛行機でご案内しましょう」

ベアトリスがそんなことを提案してきた

零は少し考えたあと、

「じゃあ頼む」

「かしこまりました。少しお待ちくださいね」

ベアトリスは、そういってどこかに行った。零は騙されたふりをしてある島に行ったのだった


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