ストライクザブラッド ─真の零番目─   作:本条真司

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そろそろヒロイン(夏音)を出したい
それでは本編へ


戦王の使者
第11話


「チッ、このままじゃあ負けるな....」

『...早く、逃げて...!』

零は、襲い来る妖怪を全員斬り倒していた

「見捨てねぇよ!俺は...諦めが悪いんだ!」

「その根性はいつまで続きますか?」

零が最後の妖怪を斬り倒した直後に、目の前の魔方陣から人間....に見える存在が現れた

「いつまでもだ、剣帝」

剣帝、と呼ばれた少年は、零の友人である

「そろそろ気付いていますよね?その櫻が天使共を呼んでいる」

「だからこそ、こいつを守るんだ!」

『ッ.....!?』

零は叫ぶやいなや、剣帝に眷獣をぶつけた

が、剣帝が腕を降っただけで眷獣が消えた

(零番目の真祖の眷獣が消された!?)

(悪魔の...上位種...?)

「ケッ、やっぱり消されるか」

「何回戦ったと思います?消せるにきまってるじゃないですか」

『...そうとは、決まってない...!』

妖櫻の前に立っている少女が、妖しく光る

『...零、契約。私と、ずっといて』

「......!...当たり前だ、一緒に外の世界を見に行こうぜ!」

そう言いながら、零は光っている妖櫻の霊体に手を伸ばす

妖櫻の霊体も、零に手を伸ばし、手が繋がれると

妖櫻が消えた

「?何をしたんです?」

「眷獣契約、だ」

零は不敵に笑いながらそう言った

『....これで、零とは戦わなくて、いいよね?』

「...!そのために!?」

『...うん』

「これからもよろしく頼むぜー、剣帝、妖櫻?」

『...もちろん』

「仕方ありませんね」

妖櫻は笑いながら、剣帝は肩を竦めながら答えた

それと同時に、古城と雪菜の意識は、過去に行く

 

 

 

 

 

古代日本

「そうか....俺は、こんなにも....愛されていたんだな....」

一人の青年が倒れており、その周りを人が取り囲んでいる

その青年は、羣雲を大人にしたような容姿だった

(あれが...昔の羣雲...?)

(そうみたいですね。それなりの人望がある様子です)

そのうち、一人の取り巻きが声を上げた

「大和武様!」

(大和武尊だと!?)

(そんなまさか!?)

そのとき、青年の体から白鳥が飛び去っていった

古城と雪菜は、その後を追った

『やれやれ、草薙剣を置いていっちまったから、死んだな』

青年──大和武尊は、冥界に向かって飛びながら呟いた

その姿は、元の羣雲──青年の姿に戻っていた

「ふふん、まだ生きたいのか?大和武?」

『...あんたが誰かはわからないが、そうだな。人間として生きたかった』

大和武は飛ぶのを止め、振り返った

同時に古城たちも振り返る

そこには、零がいた

「なら、俺とこい。俺と共にこの乱世で躍り狂おうぜ」

『....お前となら、楽しめそうだ。俺が愛した彼女たちのためにも、足掻いてやるさ』

零が伸ばした手を取り、大和が光に包まれる

するとそこには、古城たちが知る羣雲の姿があった

「お前の名前は、櫻坂羣雲だ。俺の率いる天血分家の当主となったものよ!」

『俺の...名前は、櫻坂...羣雲...。ありがとうな..っと、お前の名は?』

「俺か?俺は天血零。平行世界を旅する者(パラレル・トラベラー)だ」

平行世界を旅する者(パラレル・トラベラー)....か....他のファミリーにも会わせてくれるのか?零』

「当たり前だろ!俺の愛する家族よ!」

それを聞くと同時、古城たちは現実世界に帰っていく

 

 

 

 

 

 

「古城どうした?」

「...雪菜も、大丈夫...?」

目の前には、妖櫻と零がいた

妖櫻は少し魔力を纏っていた

どうやら、古城たちは急に倒れたようだった

「大丈夫だ、買い物を続けよう」

「そうしましょう」

古城と雪菜は立ち上がりつつ言った

 

その四人を見つめる者がいた

『妖櫻....』

「安心して冥櫻、すぐに会わせてあげるからさっ!」

冥櫻と呼ばれた少年は、刀となって少女の手に収まった

「みょん桜。それが私の名前...。聞こえているなら、キーストーンゲートまで来て」

 

 

「ッッッ!?」

『ッッッ!?』

零が突然呻いた

『みょん桜。それが私の名前...。聞こえているなら、キーストーンゲートまで来て』

(脳に直接...だと...!?)

(...まさか..みょん...?)

そして、絃神島の昼は過ぎていく

 

 


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