【IS】 転生したので普通に働こうかと思う   作:伝説の類人猿

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今日「海賊と呼ばれた男」を見に行きました。
国岡商店に石油を売ったイランの政権のその後に泣いてしまいました。
モデルは日章丸事件なんですね。

追記 みなさん誤字報告ありがとうございました。
   本当に私は何をやっているのやら・・・。


春ー海辺にて

釣りというのは非常に実用的な趣味だと思う。

釣った魚は晩のおかずになるし釣ってる間はいい気分転換になる。

まさしく最高の趣味に入るだろう。

 

そんなことを考えながら俺はぼーっと釣り糸を垂らしていた。

IS学園の立地は以前話しただろうが島の上に建っている。

また意外と手つかずの自然も多くて魚を含めた生き物たちがかなりいる。

例の毛虫もその中の一つだろうな・・・。

 

まぁ、それは置いといてこの学園にはあちこちにいい釣り場があるのだ。

しかもIS学園なんてまず普通の人なんて来ないからまったく荒らされていない。

 

まさか糸を垂らして一秒後にかかるとは思わなんだな。

まったく人が荒らしに来なかったのかさっきから入れ食い状態だ。

すでに横にある魚入れの中には立派なカサゴが六匹も入っていた。

立派すぎて魚入れの中から尻尾がはみ出しているくらいだ。

 

「どうですかな、釣れましたか?」

 

「あ、轡木さん。えぇもうこの通りですよ」

 

人が荒らしに来ていないといってもやはり釣れる場所とつれない場所はある。

いま俺が来ている場所は轡木さんから教えてもらった場所だ。

なんでもこの間の毛虫取りのお礼らしい。

 

「でも本当によかったんですかこんないい場所教えちゃって?」

 

「構いませんよ。それに今までここで釣りをたしなんできたのは私だけでしたし」

 

む、それは何とももったいない。

素人目だがそれでも一目でわかるくらいここの魚は良い。

どんな魚もしっかりとした筋肉がついているし明らかに市販の魚と比べても色がいい。

多分築地でもなかなか見かけないのではないだろうか。

こんなにいいものがすぐ近くにあるのになんで誰も釣ろうとしないのだろうか」。

 

「みなさんお忙しいようですし、何より学園には学食がありますから」

 

「なんともまぁ・・・もったいない」

 

ちなみに今の俺は本当なら他のみなと同じく仕事をしていなければならないのだが毛虫取りの疲れを取ってこいとかで今日一日休みとなった。

そんな大げさなって思うだろ?

でもな俺と轡木さんのたった二人だけで学園中の桜の木の毛虫取りをやったんだぜ。

いやね、毛虫取りってコツをつかめば簡単なのよ。

最後のほうは桜の木一本に対して十分ぐらいのペースで毛虫取りをやって言ったし。

ちなみに轡木さんに「君には才能が有るね!用務員にならないかい?」って言われた。

 

「学食と言えばそろそろお昼にしたらどうかね?」

 

「あっ、もうそんな時間ですか」

 

魚というのは朝と夕方が最も釣れる。

そのため今日は朝早めからここにきて釣っていたのだがほとんど意味はなかった。

だって時間に関係なく釣れるんだもの。

釣れすぎたので今魚入れに入っている六匹以外はすべて海に帰した。

欲張りすぎるのはいかんしね。

キャッチ&リリースの精神は大事。

 

「じゃぁ、釣れたてでもいただきますか」

 

「そう言うと思って、ほら片栗粉と油と鍋を持ってきたよ」

 

「お!じゃぁから揚げと刺身にしますか!!」

 

これはありがたい。

カサゴは刺身もうまいのだが俺としてはから揚げのほうがどちらかと言えば好きなのだ。

しかも普通の魚と違ってカサゴはじっくりと揚げれば骨まで無駄なく食べることができてごみを出しにくいのだ。

おまけに分かっているのか轡木さんの持ってきた鍋ならこの立派なカサゴだってから揚げにできる。

 

「ここのカサゴは大きいですからねぇ。このくらいの鍋なら入るでしょ」

 

「さすが轡木さん。では俺はとりあえず火のほうを起こしておきますね」

 

そういって俺はてきぱきと持っていたマッチを使って火を起こす。

 

「山田君の言うとおり君はほんとに便利だねぇ・・・」

 

若干呆れながら轡木さんは言った。

あまり表には出てこないが俺の特典はサバイバル技術と食べ物の好き嫌いをなくすというものである。

その特典のおかげか普段からサバイバル道具を持つようになってしまった。

あのお爺さん曰く核戦争後の世界でも生きていけるとのこと。

何そのチート。

あ、いや特典ってチートだったな。忘れてたわ。

 

「じゃあ、ここで二匹食べて残りは用務員室で夜に煮つけと塩焼きにしていただきますか」

 

「そうだねぇ。せっかくだしまた泊まっていくかい?」

 

「お、じゃあ今日は飲みますか!」

 

毛虫取り以来俺は轡木さんと仲良くなりちょくちょく用務員室で飲むことがった。

IS学園って意外とそのあたりうるさいんだわ。

別に飲むなとは言っていないんだけど周り(学生)から白い目で見られるから落ち着いて飲めないんだよね・・・。

そのためここで心置きなく飲めるところは中心部からちょっと離れたところにある用務員室ぐらいしかない。

 

しかも轡木さんの持ってるお酒のうまいことうまいこと。

いやぁあれを言葉にすることは不可能だね。

しかも最新技術で作られた超強力酔い覚ましがあるからアフターケアも万全!

夜が楽しみだ。

 

「ハハハ。今日の夜もそうですがまずは今日の昼ですよ」

 

期待していますからね。と言いながら轡木さんははっはっはと笑った。

ちなみに俺の料理スキルはかなり高い。これもサバイバル技術の一つらしい。

ともかくまずはから揚げから作らねば!

今日は風も穏やかだし外で料理をするにはぴったりだ。

 

そんなことを考えながら俺は轡木さんと共に下準備をするのだった。

ちなみにどこから嗅ぎつけたのか夜の酒盛りに山田さんと織斑さんが飛び入り参加してきたのは別のお話。

俺の煮つけを織斑さんにすべて食べられるのも別のお話。畜生・・・。

 

 

 




カサゴは煮つけも好きなんですけどからげも好きです。
そして気づいたらお気に入りの数が百五十を超えているという・・・(@_@;)
みなさんありがとうございます。こんな拙い文章ですがこれからも読んでいただければ幸いです。

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