【IS】 転生したので普通に働こうかと思う 作:伝説の類人猿
勘違いものって面白いよね。
「くそがっ!!あいつめ長々と説教をしやがって!!おかげで間に合いそうにねぇじゃねぇかよ!!」
亡国企業…ファントムタスクという裏の業界での仕事をもっぱらの専門としている組織を知っているだろうか。
銃の引き金を引けば百中。計画はいつだって完璧。組織に所属するメンバーの素性は一切不明であるとされている。
そんな霞のような組織のメンバーの一人であるオータムは焦っていた。
もちろんこれまでだって必ずしも当初のように計画が稼働したというわけではない。
時には何らかのミスだってあった。計画がずれることなんて当たり前でもあるのだ。
しかしながらそれでも計画が完璧だと言われる所以。
それはバックアップ用の計画ですべて解決できたからでありどんなミッションだって最終的にはすべてうまくいったのだ。
この間のイギリスの新型ISを盗む計画だってうまくいったしそれ以前だってうまくいっていた。
だが!!今回の任務である白式のISコア並びに可能であればその搭乗者の拉致はどうであろうか!!
今回の作戦は近々学園で行われる文化祭という祭りに乗じて行う予定であった。
まず最初にこの私が企業の人間に変装しその状態でターゲットに接触。
そのまま人気のないところにターゲットを誘導し拉致する予定であった。
が、しかし。ここで最初の問題が発生する。
「あんな野郎に居場所を聞いたのが間違いだったぜ…!」
組織からの報告によればこの学園にいる太った清掃員がターゲットと親しくまた学園の地理に明るいためそいつと接触した方が早くターゲットと接触できるという話だった。
「いいやあいつは絶対表の人間じゃねぇ。あれは確実に裏の人間だ」
そいつはあろうことか初対面の私の変装を見抜いたのだ。
しかし何より悔しいのはその後のそいつの行動であった。
「まさか変装にダメ出しをした挙句正しい変装の仕方まで教えてくれるとはな…!」
正体がばれた時点でオータムはそいつを殺そうとしたのだがそいつはあろうことかこの私にいかにして一般人に紛れ込むかの技術を教えたのだ。
それも余裕そうに。普段ならそんな話は聞かずにさっさと殺すのがオータムのやり方だ。が、清掃員の目を見て気分が変わったのだ。
彼の瞳に映っていたのは果てしない悲しみと確固たる意志。
間違いない。彼は以前は裏の世界でその名をとどろかせていたのだ。
だがあるとき任務に失敗してしまいそれ以降は隠れるような生活を強いられてきた。
きっと失敗した原因が変装だったのだろう。
そんな自分の過去とこの私の姿が重なったに違いない。だからあいつはこの私に自分と同じ道を歩ませないようにするためにわざと自分の持つ技術を与えた…!
「けどよお…さすがに話が長すぎるっつーのッ!!」
もちろんこれはただのやつあたりだと理解している。
予定時刻よりも大幅に遅れたのも私があいつに頼んで他の技術も教えてもらっていたからだ。
もっとも技術と一緒に説教もついてきてしまったが。
けど…!!
「それもこれもすべてはあんなにおもしろい技術を持っているあいつが悪いんだ!くはは。もしもこの仕事がうまくいかなかったらアイツに責任を取らせてやる!!」
案外あいつをまた裏の世界に連れ戻すのもありかもしれない。
「…いずれにせよアイツとはもう一度会う必要があるな。くはは!!」
そんなことを考えながらオータムは一人任務を遂行するために一人ターゲットのいるアリーナへと乗り込むのだった。
*****
ーこれはIS学園内に存在するログハウスの中での会話の一つである。ー
「…とぉ、そういえば山田さん。今日凄い人と会ったんですよ」
「凄い人…ですか?…ひょっとして俳優とかですか!!良いなぁサインとかもらったんですか!?」
「…いやそっちの方の凄い人じゃなくて悪い方の凄い人です」
「あっ…。それでどんな人だったんですか?」
「見た目二十歳ぐらいでう~ん新卒?ぐらいのOLだったんですけどその人髪を金髪に染めていたんですよ。いやそりゃぁファッションとしてはいいかもしれませんけどね。でもその人は営業の人間だったんですよ。いやぁ…少なくとも営業の人間が髪を染めたらいかんでしょと…」
「あぁ…確かに営業でその髪はまずいですよね。あんまりいい印象をもたれないでしょうし」
「まぁ運よく俺に話しかけてきたのでついでにそのことも含め色々と注意したんでもう大丈夫だとは思いますけどね」
「ウフフ。それならもう安心ですね♪」
「…ところで山田さんの髪は「地毛です」えっでも「地毛です」そんn「地毛です」まだ言い切っていな「地毛です」…ルパンのあいぼ「次元です」さいですか…」
多分学園祭編は今までの中で一番長くなるかも。
所でIS本編では「学園祭」と「文化祭」どっちで呼ばれてましたっけ?(汗)