【IS】 転生したので普通に働こうかと思う 作:伝説の類人猿
二学期
「あ、お爺さん久しぶりだな」
学生たちの夏休みも終わりIS学園は今二学期を迎えている。もっとも学生ではない俺にとっちゃ何の関係もないが。
また色々な所が汚れるなぁと思いながら今日も掃除をしていたのだが珍しいことにあの時の神のお爺さんが俺の目の前に現れた。珍しい。
「おぬしが元気にしているようで何よりじゃ。所で今回わしが来たのは他でもない。この世界の流れがアニメで言うところの二期に来たことを伝えるためなんじゃ」
「うんまぁなんとなくは分かってたよ。それで、そういう感じで他の転生者の所にも伝えに言ってるのか?」
だとしたらご苦労なことである。
「まさか、あ奴らは伝える必要もないからの。各々で好きにやっておるじゃろう。それでおぬしの下にわしが来た理由なのじゃが・・・」
「なのじゃが?」
おっほんと一息入れてからお爺さんは話し始める。
「おぬしには無理やりここに来てもらったじゃろ?それに関係する話じゃ」
「ああ、せっかくだからっていうやつか・・・。それで?」
何か困ったことでも起こったのだろうか?ほかの転生者が世界の理念を歪めてしまった~みたいな。
「そんな大層なもんじゃない。おぬしが一体いつまでここにいればよいかの話じゃ」
「この時期ってことは・・・」
わざわざこの時期に来たのならばもう答えは出ているようなものだ。
「さよう、おぬしはISの二期にあたる時間が終わるまではここにいてもらいたい。そういう取り決めなのじゃ・・・すまんな」
申し訳なさそうな顔をしながらお爺さんは言う。まぁ過去のことをいつまでも言ったところで過去は過去だ。それよりも未来をどう過ごすかだよな。
「ま、それは過ぎたことだしな。それよりもそうかぁ・・・二期までかぁ。ならそろそろ就職の方を考えておこうかなぁ」
あ、でも世界一周旅行にも行ってみたいなぁ。確かピースボートとかいう世界一周旅行が楽しめる客船があった気がする。
・・・だけどあれって検索すると宗教やらなんやらの関連用語が出てくるんだよなぁ。乗ってみたいけどかなり不安だ。
やはりここは多少言葉の壁があろうとも海外のその手のツアーにするべきか否か迷う。・・・。
そんな風に俺が考え込んでいるとお爺さんは呆れたように言う。
「・・・一応じゃがサバイバル技術の中には話術も入っておるからの。大概の言葉・・・まぁ失われた言葉なんかはさすがに対応しきれてはおらんが大体は話せるし聞き取れるようになっておるぞ」
「へぇ、便利」
それは知らなかった。というかそもそもの話サバイバルと言ってもどこまでがサバイバルなのかの定義すらないもんなぁ。なにが使えて何が使えないのかを一度しっかりと確認した方がいいかも・・・いや無理だなこりゃ。
確認するにしたって確認する項目が多すぎるし多分覚えきれない。
「まぁとにかくおぬしはこの学園の二学期が終われば晴れて自由の身じゃ。そのままこの職を続けるもよし。別の職に就くもよし。最初におぬしが望んだように安定した暮らしは保証するからあとはおぬしの自由じゃ。それじゃぁまたいつか会おうぞ」
「あ、うん。それじゃぁまたいつか」
お爺さんはそう言い終わると何やら神々しい光と共に空へと昇っていった。多分あの光が天国と繋がっているんだろうなぁ。
それはともかく本当にこれからの生き方を考えないとなぁ。しかし、いざ何でもしていいよと言われると何をしていいか困っちゃうよね。本当にどうしようか。
実際この仕事はそれなりの給料も出るし安定している。なにより週一の休みがもらえるし・・・。
「・・・こりゃぁもうしばらくはこのままの状態だな」
もし他にここより給料が良くて休みが必ずとれる職場があったらそっちへの転職も考えるかも。
ま、いずれにしても、
「二学期まではこのままかぁ・・・。まぁとにかくまずは掃除をしよう。やっとかないと怒られるし給料がちぃっと引かれるし」
遠くまで良く響く音を出しながら授業開始のチャイムが鳴った。その音は徐々に徐々に蝉たちの声に消されて混ざり合っていく。
九月、依然として夏の暑さが残る中清掃員は今日もIS学園の掃除を始めるのであった。
IS学園二学期が始まった。
遅くなって申し訳ございません類人猿です。これからのこの物語の流れなのですがストーリー内の時間でIS学園三学期まで言ったらそこで終わりにしようかと思います。
…つまりは物語内で一年間の時が過ぎればそこで終わりとなります。色々と原作から離れてしまっていますが必ず完結させるつもりですのでもうしばらくはお付き合いください…。