【IS】 転生したので普通に働こうかと思う 作:伝説の類人猿
明日は・・・投稿できるかなぁ・・・?
「タンカーってでっかいよなぁ・・・」
同僚がそんなことを言いながら海の方を見る。
ここは学園内の港。
俺たちは今日搬入される予定の掃除道具を待っている。
トラックに乗ってやって来たのはいいんだがいまだに荷物が届かない。
あ、そうそうトラックの運転をしたのは俺ね。
同僚は荷物の詰め込みとかをするために来ている。
「しっかしおっそいなぁ・・・。もう一時間ぐらいたってるぞ」
俺はそう言いながらため息を吐く、がしかし、いくら俺がため息を吐こうが届かないものは届かない。
「さっき連絡が来ただろう?なんかエンジントラブルで遅れるって。ため息を吐くよりもタンカー見ようぜ、タンカー」
「そういやお前って機械全般も好きなんだったな・・・」
まぁため息を吐くのもいい加減飽きたしここはひとつ同僚の提案通りタンカーでも眺めるか。
ちょうど石油を運んできたらしく甲板では作業員たちがあわただしく作業をやっている。
うん、ここから見るのもなかなか迫力があっていいものだ。
車を止めてる場所は貨物置き場と駐車場を兼ねている場所だが今日はまだ貨物を入れてないのかあたりには車しかなく特に景色を遮るものは無い。
よってタンカーや貨物船なんかがしっかりと見えるのだ。
「しかしよお、あんなデカい船を動かすんだからガソリン代も大変なんだろうなぁ」
「まぁそうだな。一般的に輸送船一隻を動かすのに使われる運行費用のうちの約半分、五割くらいは燃料代に消えてるからな」
「すげぇな・・・。よくそんなんで儲かるよな」
「まぁ会社だってタンカーとかを買うときは何十年働けばどれくらいのもうけが出るかを考えてから買ってるからな。そうそう赤字にはならんだろうよ」
何十年はさすがに言いすぎかもしれないがそれにしたって何年も動かしてようやくいくらかの利益なんだから気の長い話である。
「でも最近は車なんかで低燃費が流行ってるだろ?アレの流れが船の方にも来てるんだよ」
「て言うと?」
「具体的に言えば日本郵船と三菱重工がやってる空気循環システムがそうだな」
他の会社もいろいろやっているがタイムリー?なのはここの二社だろう。
「なんだ空気循環システムって?船の中の風通しでもよくすんのか?」
「ちげぇよ。空気循環システムってのは船底に空気を送り込んで海水と船底の摩擦を減らす機械のことだよ。海水と船底との摩擦が減ることで船が進みやすくなんのさ。しかもこの空気はエンジンを動かす時に必要な燃料を圧縮するための空気だからこのシステムを乗っけようとしたとき既存の船でも大幅な改良は必要なくて経済的ってわけ」
「お財布にも地球にも優しいってわけか」
「そゆこと。低燃費だからな。排気ガスも従来のに比べれば低く抑えられてる」
まさに一石二鳥ってわけだ。
「で、どんぐらいの効果があんのさ?」
「今までの船に比べてCO2が約五パーセントぐらい抑えられるな」
「・・・なんか微妙」
「いやお前・・・。ほらよく言うだろ。ちりも積もれば山となるって。長期的に見たら今までの船とは比べ物になんないくらい燃費が良くなる・・・はずだ多分」
多分なるんじゃないかな、実感が湧きにくいけど。
「ふうん、まぁ俺には実感が湧きにくいけどな。まあいいや。お前の話面白かったぞ。さてと雑談もこれぐらいにしてそろそろ働きますか」
「・・・はぁ、ようやく来たか」
ブぉ~という汽笛をあげながら一隻の船が入港してくる。
間違いない。船体に書かれた名前からしてあの船こそが俺たちの待っていた船だ。
「よぉし!とっとと荷物を積み込むぞ!野郎ども船に乗り込めぇ!!」
「元気だなぁお前・・・」
若干騒ぎながら車を降り、船に向かう同僚。
どうやらあいつもあいつなりに待ち時間でのストレスが溜まっていたようだ。
そんな同僚を追いかけるべく俺も車から降り走り出すのだった。
低燃費って大事だと思う。でも燃料バカ食いなアメ車とかもそれはそれでロマンがあると思う(小学生並の感想)