【IS】 転生したので普通に働こうかと思う 作:伝説の類人猿
作中に出てくるドッキリ番組は架空のものですので現実のものとは一切の関係がないことをここに明記しておきます。
「そういや昨日のドッキリのやつ見たか?アレ酷かったよなぁ」
「ドッキリ大賞だったか?少ししか見てないが最悪だったな」
やあ、清掃員だ。今日もまた同僚と共に掃除をしている最中だ。
「いやしかしあのドッキリはないよな」
さっきから同僚が行っているドッキリ番組は「ドッキリ大賞」という大手テレビ局のやっているドッキリ番組だ。
最近始まった番組なのだが視聴率が良くないのか回を重ねるごとにやることが極端になってきている。
確か昨日やってたドッキリは某大物女芸人を怒らせたっていうやつだったかな。
「まぁ世の中やっていいことと悪いことはあるからな」
ちなみにそのドッキリを仕掛けられた芸人さんは本当に顔を青くしていたらしい。
「けどよぉ、何であんなのが受けると思って番組側は作ったんだろうな?正直言ってあんまりおもしろくなかったな」
同僚が不思議そうな顔をしながら俺に聞く。
「それはスポンサーの問題だな」
「スポンサー?」
「そ、スポンサー。今のテレビって大体に複数のスポンサーがついてるんだよ。でだ、やっぱりスポンサーと言ってもビール作っている所だったり車作っている所だったりといろいろあるわけよ。そうなるとこの番組のスポンサーになってよかったかどうかの判断材料もそれぞれで違ってきちまうんだよ」
「それがどうして面白くない番組につながるんだよ?」
「テレビ局側もスポンサー側も判断材料が異なったら大変だろうが。だから全員が共通してわかるようなシステムを作ったんだよ。それが視聴率だ」
「あっ!なるほど。だから番組はいつも視聴率を気にしているのか」
同僚は納得した表情で手をポンとたたく。
「でもそれでも面白い番組は作れるんじゃないのか?」
「そうともいかんのよ。やっぱり番組側としてはスポンサーの機嫌は損ねたくないわけであってそうなると安定した視聴率を求めてくるわけ」
多分最近のテレビが面白くないなぁと感じるのはこのあたりが原因なのではないだろうか。
「で、安定した視聴率を得るにはどうするべきか?答えは簡単。一度受けたネタを使えばいいわけよ。たとえば必ず一定の視聴者がいるであろう食べ物系の番組とかな」
「ああ!だからどれもこれも前に見たような内容になるのか・・・」
「その通り。言っちまえば使いまわしだからな。だから同じような番組ばっかりできてマンネリ化してつまらなくなる。食べ物だけじゃないぞ。バラエティだってそうだぞ。やたら人気の某男性アイドルグループとかを使いたがるのは一定のファンが必ず見てくれるからだぞ。テレビだけじゃないぞ。ラジオだって映画だって似たようなもんだ」
「同じような芸人ばっかり出るのはそんな理由だったのか・・・」
まぁ他にも色々と大人の事情とかがあるのだろうが。
しかしながら大まかにいうならこんなものではないだろうか。
「細かく言っていくときりがないからこのあたりでやめておくがやっぱりスポンサーに配慮しないといけないから自由な番組作りが出来ないんだろうな。特に多くの人が見るバラエティではな」
実を言うとテレビ番組の中で最も人気の高いものはドキュメンタリーだったりする。
多分あらかじめ内容がしっかりと定まっていることとたくさんの予算と取材を重ねることが出来るからではないだろうか。
もっとも俺の勝手な推測ではあるが・・・。
「なるほどなぁ。最近のテレビが面白くないのはスポンサーのせいなのか」
「まぁ・・・そうとも言えるな。ただやっぱりテレビはスポンサーあってのものだからな。しょうがないと言えばしょうがない」
「でもちょっとスポンサーを意識しすぎなんじゃないのか?」
同僚は未だに納得しない顔で言う。
規模がデカいからないまいち実感がわかないか。よし同僚にもわかるように言ってやろうじゃないか。
「テレビ局は平社員でスポンサーがそいつの務めている会社な。で、スポンサーの出すお金がそいつのお給料だ。その給料はそいつが仕事でミスをすると減ってしまう。だからそいつは給料を減らしたくないために絶対にミスをしたくない。そのためミスの起きない仕事ばかりするようになる。これで理解したか?」
「凄く納得したわ・・・」
物凄く苦い顔をしながら同僚は言うのだった。
その顔からして似たようなことをしたんだろうなぁ・・・。
「俺ちょっとテレビ局の気持ちがわかったわ・・・」
この日以降同僚はテレビに対してちょっとだけシンパシーを感じるようになったそうだがそれはまた別のお話である。
ドラマだったら昔でNHKやっていた「ドクター・フー」がすごく好きでした。
他にも「フルハウス」なんかもやっていましたよね。
またNHKでやらないかなぁと思っているんですけどいまだにやってくれないという・・。