【IS】 転生したので普通に働こうかと思う 作:伝説の類人猿
誰か私に文才をください(;_:)
「世界の秘境か・・・」
どうも清掃員です。今秘密基地の掃除をやっています。
定期的にやっとかないと汚れちゃうからね。
ちなみに俺以外に山田さんもいる。
「旅行とかに興味があるんですか?」
「ええ」
そう言いながら俺は手元の本を眺める。
掃除していたら「世界の秘境たち」という旅行ガイドブックが出てきたのだ。
表紙には広大な自然の中にポツンとある村の写真が使われている。
「いつかはこういうところに行ってみたいと思ってるんですよ」
実は世界一周旅行が俺の夢だったりする。それも転生する前からの。
特典だってそれ用にもらったようなものだし。
「旅行かぁ。私一度でいいからニューヨークに行ってみたいんですよ」
山田さんは楽しそうに言う。
ニューヨークかぁ・・・。
「確かにニューヨークみたいな都市にも行ってみたいんですけどね、俺としてはやっぱりこういう自然豊かな場所に行ってみたいですね」
もちろんネオンの輝く大都市にも行ってみたい。
だが俺としては一度でいいからグランドキャニオンみたいな広大な自然ってのを見てみたい。
どこまでも広がる台地。周りには何もないからきっと星がよく見えるだろう。
そんな星たちの下でテントを張ってたき火をしながら料理を食べる。
最高ではないかね?え、そんなことないって?悲しいなぁ。
「でもそれ以上に世界中の色々な人たちと会ってみたいんですよね」
世界は広い。それ故に色々な人たちがいる。
俺はぜひともそんな人たちと会って話をしてみたいのだ。
「ああ確かに、現地の人たちと仲良くなれたら楽しそうですよね」
「でしょ?それにきっとそういう人たちはその人たちしか持っていない知識や伝統を持っていると思うんですよ」
きっとこの世界にはまだまだ知られていないことがたくさんあるに違いない。
その場所でしか見れない特別なものを見に行きたいのだ。
「そんなのを直接見に行くのが俺の夢なんです」
「ふふふ、素敵な夢ですね」
山田さんは笑いながらそう言う。
「まぁそのためにもまずはたくさん働かないといけないんですけどね」
夢を語るのはいいのだがやはり現実は厳しい。
飛行機のチケットの代金とか現地人のガイドに払うお金・・・お金って大事だね・・・。
いかんお金のことを考えると頭が痛くなる。
「ははは・・・先立つものはお金ですね・・・」
「まったくもってその通りなんですよ山田さん・・・」
これでもちょっとづつ貯金はしているのだがなかなか貯まらない。
やっぱりこの仕事だとなぁ・・・。
清掃員じゃきついかなぁ。
「!?そ、それならここで教師になってはど、どうですか!?」
「気持ちはありがたいんですけどねぇ・・・」
山田さんの気持ちはうれしいのだが・・・。
「教師だと授業中に落書きをする場所が黒板しかなくて不便なんですよね。知ってます?黒板に落書きをするのって意外と腕が疲れるんですよ」
そこですか!?と驚く山田さんを見ながら俺はくっくっくと笑うのであった。
ま、もし本当になれるんだったらなってもいいかもな。
そんなことを思いながら俺は掃除を続けるのだった。
なお主人公は山田先生の言葉を冗談だと思っています。