【IS】 転生したので普通に働こうかと思う   作:伝説の類人猿

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基本こんな感じで短く一話読みきりで進みます。


春のある日

「あー、やっと着いたぁー」

 

 電車とバスに揺られて一時間。長かった。いや、本当に長かった。

二十五歳になった俺が来ているのはなんとあのIS学園である。

ん?なぜ適性のない俺がIS学園にこれたのかって?

実はな・・・。俺、ここの清掃員になったのだよ。

どうだ驚いたか、俺もだよ・・・。

一体全体何が悲しくて清掃員にならなければならないのか。

これには日本海溝よりは浅くオーストラリアの半分くらいの広さの理由があるんだわ。

あの、俺のメル友の神のお爺さん曰く、

 

「せっかく転生させたんだからIS学園に行かせろよ」

 

っていう風なことを上司の神から言われたんだってさ。

ただ、俺はISの適性も何もないからどうしようかと思い悩んだ結果・・・。

 

「こうなったと」

 

 麗らかな春のある日。桜が散るのを尻目に俺は教室にワックスをかけるのだった。

ちなみにお爺さんからはものすごーく謝られた。まぁ、いいけどさ。

ちなみに俺の両親(IS世界)は全然女尊男卑にならなかった。

きっとあのお爺さんの計らいだろう。ありがたい。

そんなことを考えていると隣の教室から男が来た。

 

「そっち終わったか?」

 

「いんや、まだ」

 

今のは俺の同僚だ。なんでも彼は男ではあるもののISの魅力にひかれどうにかしてISを近くで見れないかと思い考えていたところにこの清掃員の仕事が目に入りこの仕事を受けたのだという。

 

「早くISを見たいよなぁ」

 

「お前はいつもそれだよなぁ」

 

ちなみに思っていたよりかは簡単に仕事をやれることになった。

面接とかも五分ぐらいで終わったし。

そのあたりを考えると案外更識の連中が事前調査とかをしているのかもしれない。

まぁ、それはともかく。

 

「けったいな教室だよなぁ」

 

この学園の教室はどうも好きになれない。

ここの教室は基本的に机は電子机で椅子は学校のパソコン室にあるような奴だ。

おそらく外国人にも配慮してのことだろう。

机には本格的な翻訳装置まで付いているのだ。

 

「おまえはいつもそれだよなぁ」

 

む、そうは言われても何かこう「温かみ」が感じられにくいのだ。

なんか、さっぱりしている?感じがする。

やはり個人的には学校の机と椅子それと床は木製でないと落ち着かない。

そんなことを考えてしまうあたり古い人間なのだろう。

が、しかし

 

「やっぱりこの部屋は少し寂しいんだよなぁ」

 

少なくとも俺はこんなメカメカしい教室で勉強はしたくないなぁ。

そんなことを思っていると、

 

「お前はさ、いつもこの部屋が寂しいって言うけどよ俺にとっちゃ憧れるぞ。なんかこうハイッテックでさ、少なくとも俺の通っていた学校はどれも田舎の学校だったからここがうらやましいよ。ていうかお前はこの教室にいつも文句を言うけどここで何かあったのか?」

 

何かねぇ・・・。

まぁ、俺がこの教室を嫌うのには理由がある。

下らないけど・・・。

 

「電子机じゃ机に落書きができないんだよなぁ・・・」

 

俺がそう言うと同僚はそれは気付かなかったと言って大笑いした。

春、誰もいない教室の中で俺たちはワックスをかけながら気が済むまで笑うのだった。




次は何の話にしようかな・・・。

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