【IS】 転生したので普通に働こうかと思う   作:伝説の類人猿

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お気に入りの数がとんでもないことになっている・・・(@_@;)

ちなみにゴミの焼却所の数は日本が世界一のようです。


ゴミ掃除

「凄い量ですね・・・」

 

「というか何でこんなところに捨ててあるのかねぇ・・・」

 

やあみんな。清掃員だ。

俺は今IS学園の敷地内に有るとある山の中に来ている。

俺と一緒にいるのは俺より三歳年下の下町 三郎(したまち さぶろう)だ。

なかなか昭和チックな名前だが本人はバリバリの現代っ子である。

 

それで今は何をしているのかというと、

 

「しゃあなし、運べるだけ運ぶぞ」

 

「うぇ~い・・・」

 

不法投棄されていたゴミの片付けだ。

 

「ていうか何でこんなところにゴミがあるんですかね?」

 

三郎が不思議そうな顔で俺に聞いてきた。

そんなの知らんがな。

 

「大体なんでゴミを勝手に捨てるんですかね?いらないならゴミ捨て場に持っていけばいいんじゃないすか?」

 

いや疑問に思うのはいいけどさ手を動かせ手を。

いちいち質問するたびに手を止めるんじゃない。

 

「わかったからまずは手を動かせ手を。・・・でだな、うん。お前は誰がここに捨てたと思う?」

 

よしせっかくだし無言で作業するのもつまらないからこいつの話に乗ってやるか。

 

「誰なんですか?」

 

「ちょっとは考えろよ・・・。まあいいや。まぁ全員が全員というわけではないが主にリサイクル業者が捨ててるんだよ」

 

「え!?リサイクル業者がですか?」

 

「そ、リサイクルってのは本来捨てるはずだったものを集めて修理して売ってるわけだろ?そうなると回収した物の中には売り物にならないものだってあるわけだ。だってもともと捨てるはずのものだったんだからな」

 

俺の言葉をふむふむとうなづきながら三郎は聞いている。

ここまで真剣に聞いてくれると話す側も気分がいい。

 

「そこで問題になってくるのが売り物にならない物たちの処分だ。ゴミの日まで待ってもいいがリサイクルショップってのは毎日何かしらのゴミを回収しているわけだし基本的に大型の粗大ごみをに集めてるから捨てる時にいくらかのお金がかかるんだよ」

 

売れないものを置いておくスペースもないし捨てるにしたってお金がかかってしまう。

業者のほうだって慈善事業をやってるんじゃないからそんなものは早くどうにかして処分してしまいたいのだ。

 

俺の言葉を聞いて三郎は「ああ!」とした顔になる。

 

「つまりお金を払いたくないから山奥にまでやって来てゴミを捨ててるんですね!」

 

一応深いところまで話していくとゴミの埋め立て地の受け入れれる量に限界が来はじめていたり個人のゴミに対する意識の低さなんかも関わってくるが面倒だし省いてもいいか。

なんか昔そういうのをテーマにした話が旧ドラえもんであったと思うからそいつを見とけ。

 

ゴムカムカンデーだったかななんかそんな感じの秘密道具が出てきたと思う。

 

「けどリサイクルを専門にやってる人たちがゴミを捨てるなんて本末転倒ですよね。しかも勝手によその土地に捨てるなんてその土地に住む人がかわいそうですよ」

 

三郎はちょっと怒ったような声でそう言った。

確かにその考えは間違っていないと思う。

でもな三郎よ、

 

「けどよ三郎、一番かわいそうなのは捨てられたこいつらなんじゃねえのか?こいつらは人間の役に立つために生まれてきたんだぞ。それなのに古くなったから、新しいのが出たからって言って捨てられるのはちょっと酷くないか?」

 

確かに不法投棄は他の人や自然に悪影響を与える。

でも不法投棄されたゴミたちだって元は人の役に立つために作られたものたちだ。

 

「別に新しいのを買うなってことじゃないさ。大量生産と大量消費は生活が豊かな証だしそれで今の世の中は回っているからな」

 

でも、

 

「そういうのってものを大切に扱えることが前提条件だと思うんだよ。そいつが出来て初めてそれは出来るんだとだと俺は思ってる」

 

人が酸素がないと長く生きられないのと同様にもの達だって大事に使われないと長くは持たない。

しかしどんなに優れたものであってもいつかは壊れてしまう。

けどそこで持ち主が捨てるのではなく修理することを選ぶことによってそれは思い出の品や家宝になりより一層それを大事にしようという気持ちが生まれてくるんだと思う。

 

まったくもってくだらない考えではあるがそれが俺のものに対する信念だ。

きっとそれはこれからも変わることはないと思う。

 

「いつか・・・いつかはきっと山の中や海の上からからゴミが無くなる日が来ますかね?」

 

「それは俺たち次第だろうよ」

 

三郎の質問に俺はそう答えるしかなかった。

 

果たして本当に三郎の言ったような日が来るのだろうか、今の世の中を見ているとその可能性はすごく低いように見えてしまう。

そんなことを考えながら俺は三郎と共にゴミの片づけをするのだった。

 

ISの技術開発に明け暮れるよりも前に人類にはやらなきゃいけないことがあるんじゃないかなと思う。

 




ものは大切に。
海外だと事前にゴミを出さないようにする法律とかを整備しているんだとか。
ちなみに私は旧ドラえもんのほうが好きです。

あと・・・27日って私の誕生日なんです(小声)

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