【IS】 転生したので普通に働こうかと思う 作:伝説の類人猿
今回は駄文注意です。主人公が謎理論を振り回します。
シリアスというのは物語において重要なスパイスになると思う。
テレビや映画、漫画など多くのサブカルチャーで取り入れられているのはやはり見ていてハラハラして面白いからだ。
でもそれってあくまでも第三者からの視点であって自分がその場にいないから言えることだと思うの。
実際にその場面に出くわしてしまったらそんなことは言えんよ。
なんでこんな話しをしているかっていうとね、
「なんでわからないんだ一夏っ!!」
「箒こそなんでそんなこと言うんだよ!!」
出くわしちゃったからだよ!
いや君たちなんでこんなところで喧嘩しているのさ。
ここってアリーナの出入り口だよ?
他の人のことも考えてやろうよ。
ちなみに俺はさっきまでアリーナの清掃をやっていた。
今日はクラス対抗戦ってのがあったんだわ。
え?無人機?そういやそんなんあったな、来てないよ。
これも俺たち転生者の影響なんだろうなぁ・・・。
そんなことを俺が考えていると、
「っっ!?一夏の馬鹿者が!!」
あ~あ、箒ちゃん泣きながらどっか行っちゃったよどうすんのさ主人公よ。
「なんだよ箒のやつ・・・」
おう、追いかけないのかよ主人公。
やべえなこれ。思った以上に深刻そうだ。
どうしようか。
なんか一夏君下向いたままちょっと泣いてるし・・・。
しゃあなし。カウンセリングと行きますか。
このままほっておくのも目覚めが悪いし。
「大丈夫かい?」
さあてひと肌脱ぎますか。
*****
「・・・大丈夫です」
俺の問いかけにぼそりと小さな声で答える。
うん大丈夫じゃないね。顔色がものすごく悪いよ。
「別に深くは聞かんよ。安心しな先生たちにも言わんから」
深くは聞かない。なぜならこういう問題の辛さや痛みはその人自身にしかわからないからだ。
俺はその人には絶対になれない。故に俺にできることはせいぜい涙を拭くためのハンカチを渡すことだけである。
「・・・ありがとう」
俺がハンカチを渡すと一夏君は小さな声でお礼を言った。
「感心感心。お礼は大事だからね」
最近はこういうことを言う子供も少なくなったからなぁ。
「さて少年よ。このお兄さんから一つアドバイスを授けてやろうではないか」
「・・・」
う、無反応は寂しいなぁ。
まぁいいけどさ。
「俺が言うのはただ一つ。辛いときは旅をしろ」
「・・・旅?」
そう旅。トラベル。
「そ、旅。辛くなったら旅をするのさ。旅は良いぞお!俺は辛いときとかケンカしたときとかはよく旅をしてたよ」
「なんで旅なんですか?」
おっ乗って来たねぇ。
「旅をすることでいろいろなものを見つけなおせるからさ。なに旅と言ってもそんな大層なもんじゃないさ。そこら辺を散歩するだけでもいいんだよ」
「はあ・・・」
一夏君は俺の言葉に分かったようなわからないような感じで返事する。
多分、分かってねえな。
「そうだな、まあものは試しだ。よし、この時間だと・・・うんあそこがいいな」
こういうのは言葉でいうより体でわからせるのが手っ取り早い。
俺はついて来いと言って一夏君の手を掴む。
突然の行動に驚く一夏君を尻目に俺は学園の中央にある塔を目指すのだった。
*****
「・・・凄い」
時刻は夕暮れ時。学園で一番高いこの塔からは西に沈む太陽がしっかりと見えた。
太陽の光が海に反射することによって学園の周りにはすごく幻想的な光景が出来上がっていた。
その光景に圧倒されたのだろう一夏君は目を見開いていた。
「凄いだろ。こういう景色を見に行くのが旅なんだよ」
ISを使えば簡単にこの景色も見れるであろう。
だがISの使用はアリーナの中のみと限られている。
そのため高い場所から、しかも画面越しではない状態で外の景色を見ることはなかなかないだろう。
おまけにこの塔って展望台なんてないから作業員通路に命綱をつけた状態で見るという素敵なおまけつき。
さっきから風が顔にあたって痛い。
が、そんなこともお構いなしに目の前の少年は興奮していた。
「すっげぇ・・・。俺こんなの初めてですよ!!」
「そいつはぁ良かった。ここに連れてきたかいがあったってもんよ」
ここまで元気になったのならもう大丈夫だろう。
「それで旅はどうだったか?もっとも俺が強制的に連れてきたわけだが」
俺がそう尋ねると一夏君は満足した表情で、
「めっちゃ楽しかったです!まさかIS学園にこんな所があるなんて知りませんでした。これが見つめなおすっていうことなんですね!」
「そ、これが見つめなおすってことよ。今お前さんはIS学園の美しさを見つめなおしたってわけさ」
そう言いながら俺は通路にある手すりに手を掛ける。
一夏君も同じようにしながらしばらく景色を見た後にこう言った。
「・・・なんかこの光景を見てたらさっきまでの辛い気持ちがなくなりました」
おう、そこまで良かったかこの光景。
まぁなんにせよ気持ちも晴れたみたいだしよかった。
「それでさっきの子と仲直りできそうかい?」
俺の問いかけに一夏君はすっきりした笑顔で、
「はいっ!!!」
と答えるのだった。
太陽がチラチラと光った。その光はどこまでもまっすぐとしていて迷いがない光だった。
どうやら日没まであと少しのようである。
正直言って主人公の名前って決めてないんですよね・・・。
いやこれには水たまり並みの深い事情が存在していて。
とにかくアレなんですよアレ。アレじゃあね、仕方ないよね。
誤字報告感謝しています。皆様本当にありがとうございました。
お手数ですがこれからも誤字がありましたらご報告のほうお願いします・・・(^_^;)