【IS】 転生したので普通に働こうかと思う 作:伝説の類人猿
な、なにを(ry
単純に時計がずれてただけでした。
ちなみに今回長めです。
その日もいつものように掃除をしていたわけなんだが、
「おい、そこの凡人」
「・・・あん?」
なんか金髪の
男だから多分転生者なんだろうな。
「おい、聞いているのかね君!!」
にしてもこの態度のデカさ。いったいどういう教育をしたらこんな風になるのだろうか。
あの爺さんが苦労するのもよく分かる。
こんなのがISを持つなんてこの世界の行く末が非常に心配でしょうがない。
そんなことを思いながら俺が未来の心配をしているとしびれを切らしたのか金髪がついにしゃべり始めた。
「この僕を愚弄するつもりか!この泥棒が!!」
「あ?」
いきなり俺を泥棒呼ばわりしてきた。
いや俺なんも盗んでいないんだけど。
「ちょっとはなんか言ったらどうなのかねきみぃ!!」
これはあれだ。ほっておくのが一番な奴だ。
というわけで無視して掃除をしようとしたのだがなんか周りを目がハートの女子生徒たちに囲まれている。
なにこれすごい怖い。しかもみんな俺のことを睨んでいるし。
俺の驚きに気づいたのか金髪がふっと鼻で笑いながらその理由を説明してくれた。
「僕はちょっと特別でね。僕の魅力にみんなメロメロなのさ」
どうも説明ご苦労さん。ってことはこいつがハーレムにしてくれって頼んだ奴か。
あの爺さんすごい苦労したって言っていた。
なんか人の心を操るのはすごい大変なんだとか。
というかハーレムってこんなのだっけ。これってどう見ても操ってるような。
これって道徳的にどうなのさ。
「この僕の魅力に魅了されない人間なんていなかったのさ。たった一人を除いてね」
わー誰だろうねぇ。興味ないネー。
掃除の邪魔すんなし。
掃除しなかったら給料が減るんだぞ。
そんな俺の思いとは別に金髪は語り続ける。
「僕は驚いたよ。この僕ナ・ルイシストの魅力になびかない人間がいるなんて」
俺は君の名前に驚きだよ。決めたお前のあだ名はナルシストだ。
うんすごいしっくりくる。
「その人こそ僕にとっての女神、妻にふさわしい人物。その名を織斑千冬!!」
「うわっ・・・」
「な、なんだその”うわっ”は!!」
いやだってねぇ・・・。こういうタイプって織斑さん一番嫌いなやつだよ。
傲慢で自分の力に圧倒的な自信があり他者を見下している。
こりゃぁ・・・無理だな(・×・)
「諦めんしゃいな。この世は広いんだから多分他にいい人が見つかるぞ」
「う、五月蝿い!大体人の妻を勝手に奪っておいてなんて言い草だ!!」
いや妻ってなんだよ。妻って。
いつから織斑さんは結婚したんだ。びっくりだよ。
てか、
「奪った?」
「そうだ!!僕は知っているんだぞ!デブのお前が僕の千冬と夜中にあっていることを!」
いや確かに夜中に会ってるけどさぁ・・・。飲み会だよ。
それも俺がずっと料理を作り続けるやつ。
酷い時には一杯も飲めなかったりする。
たまには俺もゆっくり飲みたいなぁなんて考えていると周りの女子から、
「サイテー!」「女の敵!」「ルイシスト様の妻を返しなさい!!」「キモデブ!!」「ちくわ大明神」
などという罵詈雑言が飛びかかってきた。てかおい最後のやつ誰だ。
いやまぁ所詮は子供の言うこと。
こんな挑発には・・・。
「おっ喧嘩かな?おし警察呼ぶか」
乗るしかないじゃない!!
えっ俺が戦うんじゃないのかって?
あほかこういうのは自分よりもっと大きな権力の持ち主に出てきてもらうんだよ。
もっともIS学園には警察はないが。
でも・・・。
「何度もこの僕をバカにし・・・「てかお前らいいのか?」・・・へ?」
見てろよガキども。これが大人の喧嘩だ。
「あと一分で午後の授業が始まっちゃうぞ♪」
「「はっ!?」」
「ほう・・・いないと思ったらこんなところにいたのかお前たち」
この学校には確かに警察なんてない。
が、しかしそれに類ずるものはいる。
先ほどまでの威勢はどこえやら。ぶるぶると震えながら織斑さんの姿を見る生徒たちの様子を見ながら俺は一人くすくすと笑うのであった。
「言っておくが私はまだ誰とも結婚していないからな」
そう織斑さんが言うと生徒たちはますます青くなるのだった。
*****
「・・・すまないな」
「いえいえ別に構いませんよ」
実のところかなり早い段階で織斑さんは俺たちのいる場所に来ていた。
もっとも俺がそれに気づいたのはナルシストの妻のくだりからだが。
「これで彼らも更生するんじゃないですかね」
あの後こってりと織斑さんに叱られた彼らは非常にやつれてた。
いったいどんな叱り方をしたんだろうな・・・。
それはともかくなぜ最後のほうになって出てきたのか。
「あいつ等はここの連中の中でもかなりの問題児でな。叱る機会を伺っていたのだが・・・」
「証拠がなかったと」
「うむ。それでどうするかと思ったのだが・・・」
「炙り出すためにわざと火種を作ったと」
ここ最近やたら織斑さんが飲みに誘っていたのはそういういうわけだったのか。
確かにあの金髪は織斑さんにぞっこんだったみたいだし織斑さんの周りに男がいたら絶対に食いつくだろうしな。
「こんなことに利用して済まないっ!」
そういいながら織斑さんは俺にお頭を下げた。
まぁ、別にいいんだけどさ。
「子供を正しい道に案内してあげるのが俺たち大人の役目ですよ。それができたんだから良しとしようじゃないかい」
多分これに懲りてあの生徒たちは二度とこういうことをしないと思う。
少なくともやろうとしたら今日のことがフラッシュバックするだろうし。
ただ、
「次は俺が飲む番ですからね?」
そこは譲れない。本当におつまみとかを作るの大変だったんだよ・・・。
俺がそう言うと織斑さんは少し笑いながら、
「あぁ、そうだな。しかし残念だ。お前の肴は結構気に入ってるんだがな」
と言った。
「なに今回だけですよ。次は作ってあげますから」
「そうか・・・」
俺の言葉に対して一言だけ反応した後織斑さんはこう言った。
「なあ、今私たちがやったことは本当に正しい道に導く行為だったと思うか?そもそも正しい道なんてあると思うか?」
その顔は世界最強でもなんでもなくどこまでもただただ教え子たちの未来を案ずる教師の顔だった。
そんな顔の織斑さんに俺はこう答えるしかなかった。
「さぁね。何が正しいのか正しくないのかそれを考えるのが俺たち大人の役目ってもんですよ。それに・・・学校っていうのはそういう答えのない正解を見つけるところなんですし、織斑さんも探したらどうですか?」
「山田君に言ったのと同じことを言うのだな。だが、確かにそうだな・・・。うむそうだな私もここで答えを探してみるか」
そう言った時の織斑さんの顔はどこまでも教師の顔だった。
ぴゅうと風が巻き起こる。
その風はいくつかのちりと共に空へと舞っていった。
俺は不思議とその風がちりと共に織斑さんの悩みまで吹き飛ばしていくように感じたのだった。
ようやく出てきた他の転生者。
ちなみにいつか他の転生者での視点の話も書くつもりです。
所でサンタさんって何歳まで有効ですかね?
待てど暮らせどサンタさんに頼んだ美少女の彼女が来ないんですよね不思議(^_^ )