【IS】 転生したので普通に働こうかと思う   作:伝説の類人猿

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今回は時間がかかりました・・・。


強くなるために

「それでだなぁ、いちかはなぁー」

 

俺たち、もとい俺以外のみんなで作ったこの秘密基地は完成後週一ぐらいの割合いで酒盛りをやっていた。

もっともそれぞれが忙しいのでなかなか皆で集まって飲むということはなかったが。

今だってここにいるのは織斑さんと俺の二人だけだ。

 

轡木さんは歳が理由で同僚は明日は朝から仕事があるので、山田さんは・・・織斑さんの分まで働いている。

なんか織斑さん自分の仕事をほっぽり出してここに来たらしい。

さっさと職員室に送り返そうとしたのだが山田さんから、

 

「いつも忙しく働いている人なのでたまには休ませてあげてください。織斑さんの仕事は私がかたづけておきますから」

 

っていう連絡が来たのでそのままにしている。

ここって固定電話あったんだなってこの時初めて気付いた。

俺?俺も明日は仕事があるんだけど午後からだからそこまで問題でもない。

それにここに来た理由もなんとなくだし。誰かいたら一緒に飲もうくらいの気持ちだったのだが・・・。

 

「おぃ、わらしのはなひをきぃてるのかぁ!・・・ヒック」

 

すっかり織斑さんの愚痴を聞く羽目になってしまった。

 

「・・・おかわりぃ」

 

グビグビと缶ビールを流し込みながら織斑さんはおつまみの要求をする。

ちなみにおつまみは炒り豆腐だ。

豆腐を細かく刻んだニンジンや玉ねぎなんかと一緒に焼いてなんでもいいので出汁を入れて煮て作る簡単料理だ。

いろいろなアレンジがきく料理なのでつまみに困ったらこれを出しとけば何とかなる。

 

「あんまり飲みすぎると毒ですよ」

 

「うるさぁい!これがのまずにいられりゅかぁ」

 

酔っぱらいの相手するのはなかなかに大変だ。

そのため酔っぱらいの相手をするときは適当に返事をすれば大体は満足してくれるのだが今回は話の内容もあってまじめに聞いている。

 

「それで、結局決闘はどうなったんですか?」

 

「めんどくさかったから、生き残り形式のばとるろわいありゅにした・・・」

 

なんでも原作通り入学式のすぐあとにクラスの代表(いわゆる学級委員)を決めたらしいのだが多数決を取って決めることにしたらしい。

が、ここで一悶着が起きる。

 

多数決の時クラスの大半が面白がって男子生徒たちを推薦したのだがそのような決め方に納得のいかないイギリス代表が反発。

で、口論になって決闘になったという大体原作通りの展開になったらしい。

 

もっとも原作では男子は一人だったが・・・。

それよりも問題だったのが決闘のほうだ。

さっきも言っていたが織斑さんはめんどくさがってバトルロワイアルにしたのだが蓋を開けてみたらあらびっくり。

それぞれの機体の性能があほみたいに高くてこのままではアリーナが崩壊してしまうというところまで行ったのだ。

ちなみにその機体は転生の時の特典としてあの爺さんに用意させたらしい。

そらそんなのがぶつかり合えばそうなるわな。

 

「それで・・・ヒック。わらひがバカ者どもをとめにはいったのだがにゃ・・・ヒック」

 

「入ったのだが?」

 

「ヒック・・・とめりゅことはできた。ただ、試合が始まってまっさきに落ちたのが私の弟でな・・・」

 

「あぁ・・・」

 

それは何ともご愁傷様である。まぁ神様が作ったISだし当然と言えば当然か。

 

「なさけないと思っていたのだが、そりぇはまちがいだったんだ」

 

一呼吸おいてから織斑さんはしゃべりだす。

 

「あいつりゃはたしかに強かった。異常なくらいの強さだった。あいつら自身もISもな・・・。事実わらひでも止めるのに苦労したからな・・・」

 

よほど悔しかったのだろう織斑さんは顔をしかめた。

が、すぐにそれはさわやかな笑顔になる。

 

「あいつらと戦って分かったのだ。この私もまだまだ未熟者だったとな」

 

私もまだまだだな。と言いながら織斑さんは新しく用意したおつまみを口に運ぶ。

 

多分新しい壁ができたことがうれしいのだろう。

なぜなら現状この人は世界最強の称号を持っているからだ。

その圧倒的な強さを称えてということで送られた称号なのだが本人曰くあまり気分のいいものではないらしい。

そういうの嫌いそうだよねこの人。

 

「だから決めたのだ。私は弟と共に強くなろうと。そのために・・・」

 

「そのために?」

 

「弟、一夏はクラス代表にした。そのほうが強敵と出会いやすいだろう。あいつはそれで強くなるはずさ。むろん私も鍛錬を行うが」

 

あっ、結局そうなるのね。これが歴史の修正力か・・・恐ろしい。

俺が一人歴史の修正能力に驚く中からからと笑いながら織斑さんは缶ビールを飲むのだった。

 

夜は深まるばかりである。

 




ISがバリバリ出る(大嘘)
これでようやく時間を進めることができる・・・。

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