どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い

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やっと恋姫キャラを出せます。
お待たせしました。


美少女に出会うとテンションが上がるよね

-四年後 蒼夜 九歳-

 

俺が店で働いてるある日の事だった

 

「いらっしゃいませ。」

 

カランカラン

と鈴の変わりにドアに設置した竹束が鳴ったので、俺が接客しに行ったらそこに浅黒い肌が健康的な二人の美少女が入って来た。

 

おっふ。物凄い美少女達だぜ。

二人とも俺より少し上くらいで、十二歳くらいに見える。

一人は桃色の髪のロングヘアーで笑顔が可愛らしい。

もう一人は長い黒髪で赤いフレームの眼鏡が特徴的な美人系の顔。

 

こういう時はいつも思う。

やっぱ俺の前世の知識は別の世界の物なんだなぁ、と。

 

いやだって、桃色の髪とか、この時代に眼鏡とかありえんでしょ。

 

しかしこのくらいの年齢の少女達がこの店に来るのは初めてだなぁ。

このくらいの歳の子は良い所の出身じゃないと、普通は中々文字も読めないからね。

多分名家か豪族か、何かの出身だろ。

俺?俺は前世の知識持ちの例外だからね。

 

「当店のご利用は初めてですね?よろしければ、料金のご案内をさせて頂きますが。」

 

「あぁ。ここでは飲食しながら書を読めると聞いた。よろしく頼む。」

 

「えぇ。ここの書物の多さは当店の自慢ですので、満足されると思いますよ。」

 

そう言って料金案内をしようとしたら眼鏡少女の隣に居る桃髪少女が不満そうにした。

 

「えぇー!本当に書物を読むの冥琳?私が暇になるわ!」

 

「はぁ。お前もたまには書を読め雪蓮。」

 

ふむ。桃髪少女は書物を読まんタイプか。

 

「でしたら奥の遊戯室を使うのはどうでしょうか?様々な盤戯を置いてありますし、当店独自の盤戯もありますよ?見知らぬ他人とも打てますし、人が足りない場合は私共店員が相手を致しますが。」

 

「うーん。じゃあそれでいっか。じゃあお相手よろしくね。店員さん。」

 

え、俺?

まぁ良いか。適当に接待プレイでもするかな。

 

 

_____

 

 

あの後少女二人に料金案内をして、俺は桃髪少女を相手に予定通り接待プレイをしていた。

 

「参りました。凄くお強いですね。」

 

ニコニコの営業スマイルで少女をよいしょする俺。

この少女達には是非とも常連になって頂きたい。

美少女が日常的に居るのは嬉しいし、なんと言っても目の保養になる。

 

姉さん?綺麗だけどもう見飽きた。

それに家族はそういう対象にならんしな。

 

「…ねぇ、手加減してるでしょ。」

 

…何故ばれたし。

 

「そんなこ「嘘。わかるわよ。」…。」

 

せめて最後まで言わせてくれませんかねぇ。

 

「…大変失礼しました。しかし何故わかったのでしょうか?不自然な点でもございましたか?」

 

「ううん無かったわ。」

 

「では、何故?」

 

「勘よ。」

 

おい、勘って。理不尽な。

 

「次は本気でやって。」

 

「…わかりました。もし私に勝利出来ましたら、今回の詫びとして今日の料金は無料とさせて頂きます。」

 

まぁ仕方ない。不備があった時はこういうサービスもしなくちゃな。

 

「言ったわね?」

 

おう、やる気まんまんだな。

 

 

_____

 

 

「ぐ、…参りました。」

 

まぁそう簡単には負けんよ。

俺だって姉さん以外にはまだ負けてないからね。

 

「ちょっと、待ってなさい。」

 

 

桃髪少女がそう言って遊戯室を出て行ったと思ったら、眼鏡少女の手を繋いで直ぐに戻って来た。

 

「さぁ、冥琳、私の仇を打って!」

 

「いきなり何だ、どういう事だ雪蓮?」

 

そうだ。どういう事だ桃髪少女さん?

 

「私この人にボロボロにされちゃったの。」

 

おい!その言い方は止めろ!

これだから桃髪は淫ピって言われるんだぞ!

 

「はぁ。勝負なんだろう?そんな事で一々私を呼ぶな。」

 

「そんな事じゃないわよー。冥琳は私が負けたままでもいいの?」

 

「構わんな。」

 

おっふ、辛辣だなぁ。

 

「ぐぬぬ。……あっ、そうだ冥琳! この子に勝ったら今日は無料らしいわよ?」

 

「ん? それは本当か?」

 

「えぇ、まぁ。」

 

何度も言うが、そんな簡単には負けんよ?

 

「ふむ。では折角だから一局頼む。」

 

ほいほい。っと。

 

 

_____

 

 

「……ありません。」

 

「ふふっ、良い対局だった。」

 

「キャー! 冥琳カッコいいー!」

 

キャー! 俺カッコわるーい!

 

まじか、正直子供と思って舐めてたわ。……俺も子供だけど。

 

しかし、これは強い。(確信)

 

まぁ無料くらい別に良いか。

 

「ふふん、どうよ!これが冥琳の実力よ!」

 

……イラっとするな。

っていうか、お前がどや顔すんな。

将棋だったら俺が勝ってたわ。

まぁこの眼鏡少女がルール知らんからだけど。

 

ちっ、俺も奥の手を出すか。

 

「お客様はかなり盤戯がお強いですね。」

 

「あぁ、この手の遊戯は得意なんだ。」

 

「そんなお客様には、私共は特別対局をお勧めしていますが、……いかがですか?」

 

「ほう?」

 

よし、食いついてきた。

 

俺はここで、特別対局の説明をしてどうするか聞いてみた。

 

「どうでしょう。“棋聖”に挑んでみますか? ……普段は挑戦料がかかりますが、お客様は今回無料となっていますので料金はかからずに挑めますよ?」

 

「面白そうだ。やってみよう。」

 

「頑張ってね、冥琳。」

 

頑張って、か。……だが無意味だ。

そう俺の奥の手とは、つまり、助けてあねえもん!

 

 

_____

 

 

「……それで僕が呼ばれた訳か。」

 

姉さんがジト目で俺を見てくる。

 

そんなもん知るか。さぁ俺の仇をとれ。

 

「貴女が荊州の“棋聖”か、未だに無敗だとか。」

 

「まぁ一応ね。」

 

「ふっ。面白い。その無敗伝説に私が終止符を打つ。」

 

(あっ、これ不味いかも。冥琳が調子乗ってる)

 

敗北フラグがビンビンに立ってるな。

もしこれで姉さんに勝ったら、俺直々に“棋王”の称号でもプレゼントしたるよ。

 

 

_____

 

 

「……ぐっ! ……ありません。……もう一局お願いします。」

 

この眼鏡少女めっちゃ負けず嫌いだな。

もう既に三局やってるぞ。

無論、全部姉さんの勝利。

 

「……いやまぁ、僕は良いんだけどさぁ。……連れの子がいい加減眠っちゃってるよ?」

 

「うっ、……はぁ。申し訳無い、今日はここまでにしておきます。」

 

凄い残念そうだな。

それにしても桃髪少女さん、涎垂れてるよ?

 

「……はぁ、起きろ雪蓮。」

 

「んぁ? ……あぁ、冥琳……勝てた?」

 

おぅ、寝起きに傷口を抉って行くスタイル。嫌いじゃないぜ?

 

「……」

 

「あぁ、やっぱり。」

 

予想済みでしたか。

 

「……まぁ良い。今日はもう宿屋に帰るぞ雪蓮。」

 

「はーい。」

 

おや遠出の方達でしたか。

これは常連にするのは難しそうだなぁ。

 

「ん? 君達は旅人かい?」

 

「えぇ、揚州の盧江郡から。距離もそう遠くない事ですし、最近話題の襄陽が気になったので。」

 

へぇ、最近話題なんだ? ……何の?

俺の耳に入らないなんて珍しいな。

 

「と言う事は、もしかして廖元倹を探しに来たのかな?」

 

え、何だって?

おかしいな、おじさん耳が遠くなっちゃったよ?

 

「その通りです。是非一度会って話しをしてみたく。……この店にはその旅の途中で噂を聞き参った次第です。」

 

「だってよ? 蒼夜?」

 

こ っ ち み ん な

 

「まさかこの人が!?」

 

「おぉ。運が良いね、冥琳。」

 

「チガイマスヨ?」

 

俺はプライベートまで作者じゃないんだ!

まじで勘弁してくれ。恥ずかしいじゃんよー。

 

「そんな嘘つかないで。どうせ周りに聞き込みされたら直ぐにばれるよ?」

 

……そうっすね。

やたら勘の良い少女も居るし、誤魔化せないか。

 

「それに僕は、君が歳の近い友達が居ない事を少し気にしていたんだ。これを機に友達になったらどうだい?」

 

「それは願ってもない。是非よろしく頼みます。」

 

おっふ。期待の眼差しが痛い。

 

「……はぁ。改めまして、私は姓を廖、名を化、字を元倹と申します。貴女が探している、本の作者とこの店の店主をしております。」

 

「えぇ!?」

 

「……なんと、……店主でもあられたか。」

 

あ、そっち?

まぁ確かに普通あり得んわな。

 

「じゃあ、ついでに僕も。姓は楊、名は慮、字が威方。よろしくね。」

 

棋聖の自己紹介が抜けてますよー。

 

「あの、失礼ですが楊家と関係が?」

 

「あー、うん。気にしないで?」

 

まぁ襄陽郡の名家だからな。

 

「……何か事情が有る様ですね。大変失礼しました。」

 

いや、この人士官するのが嫌で家出に近い形で飛び出して来ただけよ?

 

「改めて、私達も自己紹介させて頂きます。我が名は、姓を(しゅう)、名を()、字を公瑾(こうきん)と申します。お会い出来て光栄です。廖化殿、楊慮殿。」

 

………。

 

「私は親友の、(そん)(さく)伯符(はくふ)。よろしくね!」

 

……あぁ、……うん。……そうですか。

 

前言撤回。常連にならなくて構いません。

帰ってどうぞ。

 




初会合はちび冥琳とちび雪蓮でした。
イメージはそんまま小さくして下さい。

ちなみに冥琳は遊技が弱い訳ではありません。
十二歳と言う年齢的な経験不足の為まだ相手にならないだけです。

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