どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い

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戦闘はカットじゃい。
無駄な戦闘描写はしないで進めたいです。
苦手なんで赦して下さい。


You can fly!

「おぉ! お主等、こんな所に居たのか!」

 

行軍中、俺達三人が書物の話等で雑談をしていたら、春蘭さんがなにやら慌ててやって来た。

 

「どうした姉者?」

 

「うむ、前方に何やらそこそこの人数の集団が居るらしい。 華琳様がお呼びだ、直ぐに来てくれ」

 

……ふむ、賊か?

これまた随分と微妙な場所に居るな。

 

俺はそう思いながら春蘭さんに肯定の返事だけして華琳さんの元へと向かった。

 

 

_____

 

 

「……遅くなりました華琳様」

 

「ちょうど偵察が帰って来た所よ。……報告を」

 

俺達が到着すると同時に張曼成がやって来て、報告を始めた。

 

「はっ! 行軍中の前方集団は、五・六十人程。 旗が無い為に所属は不明ですが、格好がまちまちな所から、賊の可能性が高いと思われます」

 

「……ふむ、様子を見るべきかしら」

 

「……旗が無い事や、格好のまちまちさだと義勇軍とか傭兵部隊の可能性もありますね。……曼成、将らしき人物、もしくは頭目らしき人物は確認出来たか? 後、武装の類いはどうだった?」

 

「いえ、統率者は確認出来ませんでした。 武装は質の悪い刀剣類を装備している事が見受けられました」

 

……ふむ。

 

「じゃあ行軍の方法は?……規律があるのか、それとも一点目指してバラバラなのか」

 

「そう、ですね。……とても規律がある様には見えませんでした」

 

「……そうか。 華琳さん、これはほぼ賊で確定ですね。 俺達が討伐しに来た賊の分隊、もしくは少人数がここらに来ているだけでしょう」

 

ま、確実じゃないけどね?

でもリーダーの存在しない集団、それも規律が無いのに、武装までしていたらほぼ賊だろう。

 

「ならば威力偵察を出しましょう、孟徳様。 本当に賊ならばそのまま討伐し、違ったなら話を聞くのが良いと思います。 元譲、元倹、貴方達が指揮を執って」

 

「おぅ」

 

……俺もかよ。

まぁ良いか、春蘭さん一人だと心許ないし。

 

「了解」

 

「? だが何故蒼夜まで来る必要があるのだ? 賊程度なら私一人でも充分なのだが?」

 

…………。

 

「……貴女の抑え役よ」

 

……うん、だよね。

 

「んなっ! おいっ! それではまるで私が敵と見ればすぐ突撃する様ではないか!」

 

……違うのかよ?

 

「違うの?」

 

「違わないだろう?」

 

「違わないでしょう?」

 

「し、秋蘭!……うぅ、華琳様までぇ~」

 

……色々自分を省みましょうよ。

 

「……ふむ、私まで出るとこちらが手薄になり過ぎる。 それに戦闘を前提にするなら姉者の方が適任、現場判断は蒼夜にさせる。……そういう判断だろう、桂花」

 

「そうよ」

 

成る程、手堅いねぇ。

ま、妥当だけど。

……まぁ強いて言うなら、俺と秋蘭さんを逆にした方がなお良い気もするが……それはつまり俺が華琳さんの護衛って事だ。

男嫌いな文若さんには、それは嫌なのかな?

 

「では行って貰えるかしら、春蘭、蒼夜」

 

「はっ! 承知致しました!」

 

「了解です。……曼成、悪いがもう一度お前も来い」

 

……賊の場合だったら、また追跡とかさせる斥候を放つ必要があるし。

その場合、今の所この陣営には張曼成くらいしか諜報を上手くこなせる奴がいない。

他の奴は軒並み普通。

明命くらいとは言わないが、いずれはそういう専門の諜報部隊が必要だろうな。

 

「はっ、了解しました」

 

「うん。……あぁ、そうだ秋蘭さん。 悪いんですが、後ろの輸送部隊にいる地理、霊里、姉さんに賊の警戒を伝えて下さい。 もしかしたら前方の集団だけが近くに居るとは限りませんから」

 

「それならもう私がやっておいたわ」

 

へぇ、流石文若さん。

判断が早いね。

 

「助かります。……じゃあ行きましょうか、春蘭さん」

 

「おぅ!」

 

 

_____

 

 

「春蘭さん、解ってるとは思いますけど、前方の集団が見えただけで突っ込んだら駄目ですよ?」

 

「当然だ! 言われずとも解っておるわ!」

 

……大丈夫だろうか?

いつぞやの雪蓮を思い出すなぁ。

 

あの時も何度も突っ込むな、って釘を刺したのに、まるで前降りを貰ったかの如く、突っ込んだからなぁ。

 

「なんだ? 何やら前方の集団が騒がしいぞ?……あれは、……なんと、少女が一人で戦っている!?  こうしては居られん! うぉぉぉおおお!!!」

 

……うん、こんな感じで突っ込んだなぁ。

 

……。

 

……いや、まぁ今回は良しとしよう。

流石に女の子を助けない訳にはいかないし、賊で確定だからな。

 

「曼成、前方の賊が逃げ出したら、密かに部隊を使って後を追え。 敵の拠点と人数を確かめ、可能なら、賊に紛れて中に入っておけ、俺達との戦闘が始まった瞬間に頭目の首を取り、混乱させる。……ただし、命が優先だ。 無理なら速やかに帰還してくれ」

 

「了解しました。 拠点を確認した時、人数を把握出来た時、潜入の有無を確認出来た時、それぞれ報告を出します」

 

「頼む」

 

いやぁ、武力のあって融通の効く部下がいると楽出来るなぁ。

 

そこで俺は、張曼成と会話を切り上げ、前方の集団を見たら、苦笑いが浮かび上がった。

 

……人が飛んでやがる。

 

比喩表現ではなく、マジで人が空を飛んでいるのだ。

百メートル先くらいで戦闘がおこっているのに、人体が俺達のすぐ側まで飛んで来たからな。

 

……ちょっと春蘭さん、張り切り過ぎでしょう。

俺はそう思ったが、犯人は違った。

 

賊に襲われていた少女が、やけに馬鹿デカイ鉄球を振り回しているのだ。

 

……破壊の鉄球?

おいおい、竜の冒険で終盤に手に入る超強力武器じゃねぇか。

誰だよ幼い少女にあんなの与えた奴は。

 

……現実逃避もしてらんないな。

うわぁ、しかしマジか。

あの少女、腕力だけなら俺よりも……。

 

俺はそんな事を思いながら春蘭さんに近づき、賊殲滅にストップをかけた。

 

「春蘭さん、今はそんなもんで良いです。 一旦華琳さん達と合流しましょう」

 

「ばっ……! 蒼夜、何故止める!」

 

「俺達は、賊全体の討伐に来たんですよ? その子を助けるのは良いとして、ここで少数の敵を全滅させてはいけません。……逃げる敵の後を追わせているので、後でその源を断ちましょう」

 

「おぉ! 成る程なぁ」

 

ん、割りと聞き分け良いよね、この人。

 

「あ、あの……」

 

「うむ、怪我は無いか? 勇敢な少女よ」

 

「はいっ! ありがとうございます、お陰で助かりました!」

 

……う、うーむ。

怪我が無い事は良い事だけど、五・六十人に囲まれて怪我一つ無いとは末恐ろしいな。

さぞかし有名な将と見た。

 

そこで俺は馬から降り、少女と目線を合わせて自己紹介をした。

 

「凄いな君。 俺達は山向こうの陳留からさっきの賊の大元を討伐しに来た。 曹 孟徳様って知っているかな? その人に仕えているんだ。 俺は廖 元倹、そこの君を助けた人が夏候 元譲」

 

「あ! 山向こうの街の噂なら聞いてます! 向こうの太守様は凄く立派な人で、悪い事はしないし、税金も安くなったし、賊も凄く少なくなったって!」

 

へぇ、流石華琳さん。

こんな少女にまで噂が入る程有名なんだ。

 

「そっか、それで……」

 

と、俺が今から名前と戦っていた理由を聞こうとした時に、華琳さんの率いる本隊がやって来た。

 

「あら、私の噂話?……それで、そこの少女は誰かしら? っと、その前に、蒼夜、例の集団はどうしたの? 戦闘があったという報告は受けたのだけど……」

 

「例の集団は読み通り賊でした。 そこの少女が一人奮闘している所を春蘭さんが助けに入り、逃げ出しましたので、今は曼成に尾行させてます。 本拠地は直ぐに見つかりますよ」

 

「良い判断だわ。……さて、話を途切れさせて悪かったわね?……まずは貴女の名前を教えてくれるかしら?」

 

華琳さんが近づき、そう少女に問うので、少女は緊張したのか、背をピンっと伸ばして自己紹介をした。

 

「は、はいっ! きょ、許褚(きょちょ)仲康(ちゅうこう)と言います!」

 

ははん?

やっぱりね。

……めっちゃ大物じゃねぇか。

そりゃ俺より腕力あるよ。

……下手したら武力すら……。

 

でもおかしいな?

許褚が仲間になる時は、典韋と一騎討ちとかした筈だが?

……でもこの陣営にはまだ典韋いねぇしな。

ってか、それ言ったら文若さんの時も色々おかしいけどさ。

 

うーむ、また前世の知識と誤差があるなぁ。

 




中途半端な所で終わってしまった。
明日投稿するんで赦して下さい。

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