コロッセオから医務室に運ばれた元は腕に点滴を射たれ、静かにベッドに横たわっていた。
四季達の応急措置によって一命はとり止めたものの、ダメージや疲労自体はなくせない。幾分セーブされていたとはいえ同化型が相手だったのだ、虫を殺させず更に宿主すら無傷ということはまずあり得ない。おまけに緊急とはいえ型の違う血を輸血した後遺症も少なからずある。
結果、三日もの間元は眠り続けていた。
その間に、ほのかは予てよりの約束通り特環に入ることになり、ラナも嫌々ながらも連れ添う形で入った。暫定的とはいえ、ほのかは五号指定、ラナは九号指定とされたらしく訓練期間が終わり次第即戦力として戦闘班に配属されるようだ。
“まいまい”は事後処理に駆り出されている。その能力故に彼らが使用したパソコンや電子機器から情報を集め、整理しなくてはいけないらしい。作業工程が遅かったり、何度もミスをしては怒られ、泣きながらも必死に勤めているようだ。
三人とも事情があって今はいないが、元のことは心から心配していた。
特に“まいまい”は何も力を貸せなかったことを負い目に感じており、本当は看病に回りたかったがそれは皮肉屋の上司に却下されてしまった。
結果、意識が戻らないとはいえ容態が落ち着いた元は一人、医務室に残されていた。
静寂が支配する一室。何の気配も感じなかったそこに、突如それは姿を現す。
宿主たる元の枕元に降り立つ一匹の小さな黒い蜘蛛。“大蜘蛛”という本来存在し得ない架空の蜘蛛の代名詞を名付けられたそれは、吟味でもするかのように元を見据える。
数秒の時間を置いた後、大蜘蛛に変化が起きた。
黒曜石を思わせる四つの単眼が碧に染まる。すると躯から糸が溢れ出し、宿主諸とも包み込んだ。
二m程の小型の球体は、繭にも見える。淡い光が鼓動のように躍動し、それそのものが生物ではないかと錯覚してしまう。
包まれた一人と一匹はその中で静かに眠りに着く。
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何の変哲もない普通の家庭に彼は生まれた。サラリーマンの父と専業主婦の母、ただの学生である少年というありきたりな家族構成。
代わり映えしない毎日、裕福とは呼べないがそれなりに余裕のある生活。平和であった、平穏であった。それが一生続くものだと思っていた。
だがそれはある日突然終わりを迎えた。
父の親戚だと名乗る男がやってきた。父自身言われるまで忘れていた、本当に縁遠い親戚。
その男が父と二人で話したいと言ってきた。少年は不安しか抱かなかったが、元々優しい性格の父は自分を頼ってきた相手を無下には出来ず、聞くことにした。
――それがこれから始まる地獄への引き金になるとも知らず……。
日が暮れ、本来なら太陽の代わりに月が出るのだろうが、雨雲に覆われそれすら隠れている。
ざんざんとどしゃ降りが続く中、山道を一台の車が走っている。そこにはとある一家が乗っていた。
たった一枚の紙切れによって今までの生活と家を失い、逃げ続ける日々に代わった。
雨が窓ガラスを幾度も叩きつける。それがある音を連想させるからか両親は追い込まれるように表情が険しくなっていく。その影響か車の速度がどんどん上がっていく。
あの男が現れ、相談を持ちかけられ時、父は応じてしまった。
曰く、「迷惑は掛けない、ただサインしてくれればいい」そう言って差し出した紙に父は自らの名前を書いてしまった。男のあまりな必死さに、真摯に頭を下げるものだから居た堪れなくなったのだ。
それが、所謂借金の肩代わりをするものだというのは分かっていた。しかし聞かされた額的にそう難しいものではないと思った。確かに生活は苦しくなるが、男も協力するし、終わった後は少しずつだが返してくれるという話だ。
故に乗った。人助けだと思ったからだ。
だが、たった数日で裏切られたことを思い知らされた。
一億。それが男が抱えていた本当の金額。その事実を知った時には既に男は行方を眩ませていた。
それからは、恐るべき早さで生活は悪化した。金額が金額な為早々に家を手放すことになり、借金取りから逃げ続ける毎日。最初は「なんとかなる」と希望を抱いていた、しかし時間が経つにつれそれは絶望へと変わっていく。辛い生活故にゴミを漁ったこともある。心身共に追い込まれたからか、温厚だった父は次第に良心が薄れていき、犯罪紛いのことに手を出すようになった。
金のためなら人を欺き、騙すことも厭わない。場合によっては暴力すら振るう。
その姿に、もう嘗ての父はいないのだと母と共に少年は静かに涙を流した。
叶うことなら嘗ての生活に戻りたい。
目の前の耐え難い現実に少年はいつもそう願っていた。母に愚痴ったことも、神や仏に祈ったこともあった。
そうして、彼の願いは……ついには叶わなかった。
投げ出され強打した体を引き摺りながら芋虫のように這う。
体を駆け回る痛みが熱を持ち暴れる、反して叩きつけるように降り続く雨が即時それを奪っていく。
ぼやけた視界の先に潰れて横転している車が見えた。持てる力の全てを使い、それに向かう。
雨によって滑り易くなっていた、山道で見通しが悪かった、運転手である父に余裕がなかった。様々な要因はあれど、起きた事実は一つ。
――彼らが乗っていた車が転落自事故を起こしたのだ。
隣にいた母が咄嗟に車から追い出したこと、落ちたところが木や草が生い茂り落下速度を抑えてくれたこと、それらにより無傷とはいかないが少年は奇跡的に助かった。
しかし車内に残っていた二人はどうだ?
高さにして二十m、速度もそれなりにあった。車体はひしゃげ、タイヤは裂け、ガラスは全て割れている。
誰が見ても絶望的な状況だった。しかし、それでも、泥だらけになろうとも体を酷使し這ってでも進む。
もしかしたら、あるいは、と僅かな希望を捨てずに……。
掠れる声で必死に父と母を呼び続け、ひたすら芋虫のように這って近付く。
無事であって欲しい、生きていて欲しいと何度も願いながら、ただただひたすらに……。
そうして少年が車の傍にまで寄った時――残酷な現実が待っていた。
落下したの衝撃で首はあらぬ方向に曲がり、木々の間を通り過ぎた際に刺さったのか無数の枝が体を貫いている。内臓もやられていたのか口から夥しい血が溢れており、車内は鮮血と異臭が支配する。
「あ……あ……あああ……!!」
最早、人の形をした“何か”としか名称できないものの首が動いた。僅かばかりに車が更に傾いた影響だったのだが、その視線の先には少年がいた。
「あああアアああぁぁァァああアあああアアあ!!」
その苦痛と絶望に満ちた表情を目の当たりにして、彼の心は壊れてしまった。
――一体どうしてこうなったのか?
酷く残酷な世界に
ただ平凡に、平和に生きていただけなのにどうしてこんな目に遭わなければいけない。
どうして両親は死ななくてはいけないのか? どうして父が狂わなければいけないのか? どうして家から追い出されなければいけないのか?
どうして……どうして……。
沸き上がる自問、それに対する答えなど始めから決まっている。
「アイツ、さえ……」
まともに会ったこともないのに親戚だからと訪ねてきた男。あの男が全ての元凶。
父の人柄を利用し、言葉巧みに契約書にサインさせ、借金を押し付けた。その後すぐに行方を眩まし、結果自分達は路頭に迷うことになった。
いや、それどころ最後に残された両親すら少年から奪いさった。
その上自分までも死ぬのか? あんな奴の為に?
――ふざけるな……!
空しく虚ろだった少年の胸に小さな炎が灯り、瞬く間に業火へと姿を変えた。
――ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナフザケルナ!!
直接関係のない自分達が死んで、張本人がのうのうと生きるとでも言うのか?
そんなのは間違っている……そんな世界間違っている!
否定し、証明する術は一つしかない。だから彼は願った。
貪欲に――
強欲に――
執拗に――
焦がれるほどに渇望する。
神がいないのは嫌というほど思い知らされた。だがそれでも願わずにはいられない。
此処で自分すら死んだら両親の死が本当に無意味になってしまう。
だから死ねない、死にたくない、死んでたまるか、絶対に生きてやる――!
異常なまでの生への執着。それに導かれ、聞き届ける存在が赤いコートを翻し、彼の下へと降り立った。
「ふふ、凄く強力で凶悪で強烈な匂い。こんな雨の中なのに色褪せることなく私に届いたわ」
サングラスの奥の虹色の瞳が歓喜で歪んだ。
「スパイスが濃すぎるけど、偶にはこういうのもいいわね」
呟いた後暫し閉ざしていた、しかし悦びを隠す気もないつり上がった唇がゆっくりと開く。
「――ねぇ、貴方の夢を教えて」
呼び出された、神とは真逆の存在が少年――アキラの
人外の美女は強制的に問いかけに応えさせる力を持っている。しかし少年はそれを使わずとも彼女の問いに応える。
「生きたい……生きなくちゃ、いけない……オレは……」
内側で逆巻く
「オレは……どんな手を使っても生き延びてやるッ!!」
憎悪によって黒く彩られたその夢を人外の美女は確かに受け取った。
「いい夢ね」
今まで食べた中でも格別に刺激的なそれに、しかし嫌な顔一つせず不敵な笑みを浮かべ、少年の前から姿を消した。
そして残された少年の下には一匹の虫が残された。怒りと憎しみと生への渇望によって生み出された最悪の虫が……。
虫の力を駆使して生き延びたアキラは何があっても生き残る術を探していた。最初に自分達を追っていた借金取りを使い様々な情報を集めた。そして色々な権力者とコンタクトを幾つか行い、その課程で知った円卓会のメンバーの一人を傀儡にすることが成功した。その権力を使い“虫”について独自に調べ、特環のこともその際に知った。
千差万別、様々な力を持つ虫。それらの宿主である虫憑きを管理する組織。どんな手を使ってでも生き延びることだけを望んだアキラにとってそれは無視できるものではなかった。
危険だ、しかし思惑通りに動かせるのではあればこれほど便利なものはない。
そう思い至り、そして試作段階の、突け入る隙のある支部の一つを掌握するまで然して時間が掛かることはなかった。
そこに至る過程にて特環に追われている虫憑き達のグループと接触したのは、偶然とはいえ僥倖だった。半数が特異な能力や強い力を秘めており、特環からもマークされるほどだ。特に悪魔と恐れられる“かっこう”と同じタイプの虫、同化型の宿主と知り合えたのは大きかった。その強力な力は正にアキラが求めていたものに限りなく近かったからだ。
その力を求めて接近し、信じさせるまでに相当な時間が掛かった。お陰で僅かに情に絆され、「このままでもいいかもしれない」と何度か思う時すらあった。
しかし、やはり神というのはとことん彼のことが嫌いだったらしい。
それはある日の夕暮れ時、形だけでも貢献するため視回りをしていた頃。茜色に染まる街を缶ジュース片手に歩いていると一組みの家族と擦れ違った。その瞬間振りかえり、アキラは目を見開き、息を止め、驚愕した。
恐らく買い物帰りなのだろう、食材や日用品が入った袋を抱えて歩く父親らしき男性と、娘の手を引き楽しそうに笑う母親らしき女性、そして母親に手を引かれて笑う自分と同じくらいの歳の娘、極々普通にある一家庭の風景。
山のような袋を抱えていたから気付かなかったのだろう。きっと気付いていれば男性はアキラと同じリアクションを取ったことだろう。
しかし、男性は気付かずそのまま妻と娘を連れ、去ってしまう。
――自分が不幸を押しつけた子どもと邂逅していたことも知らずに……。
燻っていた胸の炎が再燃し、呼応するようにハリガネムシがその細長い身体を撓らせた。
もう二度と出会うことはなく、ただ生き続けることだけが「復讐」だと思っていたアキラにとって、今回の邂逅は完全に予想外のものだった。
だがそれでも、「もしも」と考えない日はなかった。
もしも何処かで会ったらどうするか? 怒りに任せて首を切るか、手足を潰して嬲り殺すか。色々な殺し方を考えたが、ただ殺すだけでは気が済まない。自分と同じ目に……いや、もっと苦しませてからでないと胸に灯る炎は消えないだろう。
そのことを思い出すと考えるより先に虫が動き、見えなくなりかけてた男に取り憑いた。あまりに速かったので男と家族は気付いていない。
にやりと口の端が上がったことを自覚したアキラ、本当の意味での「復讐」を始めた。
逆巻く炎が火花と共に空に昇る。焚べられし贄は、かつて自分達を不幸のどん底に叩き落とした男と、その家族。身代わりにされた者の怨嗟が骨を溶かすまでに火の勢いを強めている。
火事に見舞われた一軒家を見上げながら復讐を遂げた少年の頬を静かに涙が伝う。
虫の力を使い金に溺れ、女に溺れ、酒に溺れさせ、最後は家族と仲違いを起こさせ、殺した後家に火を着け追う様に自殺させた。
呆気なく終わったそれに、アキラはまたも空虚感に見舞われた。復讐を遂げた達成感より、人として戻れなくなった後悔よりも強く胸に残った。
涙が出たのは、どんな形であれ「生き甲斐」がなくなってしまったからだろう。
彼に残されたのはもう……虫と、あの時願った夢だけだった……。
迫りくる瓦礫を前にしてアキラは今までの事を思い返していた。
それが走馬灯と呼ばれるものであり、結果自分の死は免れないと予想できる。
しかし、不思議と彼の心は穏やかであった。
全てを無くし、唯一残った夢は既に呪いと化していた。「それの為に生きる」のではなく「それしかないから生き続けてきた」アキラにようやく終わりが見えた。
日常を壊され、大切なものを奪われ、自己すら狂った少年は今、死を間際にして久しく忘れていた笑顔を浮かべた。
それは今までのような破綻者のものではなく、まだ両親がいた頃に浮かべていたもので、心から安らいでいるのが分かった。
そして悟った、自分が本当に欲しかったのは“不死”などではなく、“終わり”だったのだと……。禁忌に触れることで、破滅することを願っていたのだと……。
自分の本当に願っていたことを理解できたと同時に彼は瓦礫に圧し潰され、その命の灯火は燃え尽きた。
――生に執着し続けた悪夢がようやく終わりを告げた。
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早朝よりも早い時間に目覚めた元は静かに身体を起こした。
痛みは既になくなり、傷も完治しているらしいが、頭が上手く回らなく額に手を当て、大きく深呼吸する。
その後、先程まで見ていた「夢」を思い返した。
不幸にも全てを奪われた少年の夢。自分も大切な人を失ったから彼の気持ちは理解できるし、共感もできる。
……しかし。
「だからって赦されるわけじゃないよな」
きっと彼は有り得たかもしれない“if”の自分なのだ。大助達がいなければああなっていた可能性もあった。
だが、元はその道に進まなかった。
だからこそはっきりと告げねばならない、「間違っていた」と……。
早条や四季達を頼っていたら別の道もきっとあったはずなのだから……。
「赦せる……わけ、ないのに……!」
シンパシーを感じ、“彼女”のことを思い出したからか元の頬を涙が伝った。
それから暫く元は静かに泣いていた。彼女の事を思い返して、そして“もう一人の自分”の事を思って……。
どうも、ムシウタ二次はエタる。そんな風潮の中遅いながらもなんとか書き続け、今に至る私です。
ようやく一章終了。ここまで読んでくれた方はありがとうございます。そしていないかもしれませんが、投稿当初から読んでくれた方は本当にお疲れ様です。
ここまでに実に二年も掛かりました。遅いですね、はい。過去編含め八章構成で考えているのになんたる遅さ……全て終わるのにあと十年は掛かりそうな勢いですね……。
さて、折角一章終わったのでちょっとした裏話的な事を書こうと思います。ちょっとネタバレになる箇所があるかもしれませんので、そういうのが嫌な方や興味ない方は戻ること推奨します。
……とは言ってもこの作品、蜘蛛を作る際の動機とかは特にはないですね。ただ、久しぶりに読んだムシウタが面白くて熱がぶり返して衝動で書いたっていうのが大きいです。あと当初は一人称の練習用として書いていました、ですが進むにつれ一人称だと限界の所が多々あり結果三人称にシフトチェンジしました。たぶんこれからはずっと三人称で行くと思います。
主人公についてはムシウタ二次の中ではたぶん珍しい分離型。これについてはにじファンがあった当時のオリ主の大半が特殊か同化が多かったので、「分離型でもいけるだろ!」というなんかよくわからない反骨精神が働いた結果こうなりました。
“大喰い”に能力を使われるから分離型は基本不利に思えるけど、逆に考えるんだ、使われても問題なくすればいいのだと……。
原作でも言われていたけど、“大喰い”は基本的な能力は使うけど、その能力を応用することはない。つまり、使われても問題なく応用性の高い能力を持った虫にしたらいいんじゃないか? と考えた結果出来たのが“大蜘蛛”です。
一号指定には程遠い火力、代わりに高い汎用性の能力。うん、問題ないな(自己完結)。
今回の話、夢巣食う底王編に関してですが、序章的なものであり、同時に2~5、6章に至るまでの伏線とかを散りばめた回でした。
敵が強いのはムシウタではよくあること。一応最初から決めていた事があって、オリ主を弱くしたのだから元がこなたやアキラに勝つような展開にはしないという。その為、最後がちょっと御都合感あるように感じた方がいると思いますが、流石に今の段階で同化型を倒すというのは無理があったからと免罪符をつけます。
そういえば、話数が長くなると思うので詰めれる話は詰めようと考えています(数字の付いてる話数を一つに纏めたり)が、一話辺りの文字数が今以上に増えると困るという方とかいますか? もしいるようなら現状のままにするつもりです。
今後の展開ですが、二章の「夢寄り添う欠片」はbugの原作沿いになります。ただし所々オリジナル話を突っ込んでいきます。
三章の「夢外れる蜘蛛」から殆どオリジナル展開になります。
四章の「夢求める亡者」は話の都合上もあり群像劇にチャレンジするつもりです。
過去編の「夢贈る泡沫」は三章が始まる前には終わらせたいと思ってます。
五章以降に関しても大まかなプロットは出来ており、原作とは違った形で終わらせる予定です。
以上で、あとがきは終わります。
今回のような本格的なあとがきはその章の最終話に書いていくつもりです。
活動報告の方に簡易なキャラ設定もあります、興味ある方はそちらの方もどうぞ。
ここまで読んでくれた方は本当にありがとうございます。亀どころかカタツムリ並の遅さですが、これからも読んでいただけるようなら幸いです。