幻想天霊伝説〜都会の悟空が幻想入り〜   作:サウザンド・J

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この小説は、東方Projectとドラゴンボールの2次創作です。

・2次創作
・唐突な更新
・勝手な解釈
・海
等が含まれております。

待ってました!という方、本当にお待たせしました。


最終章➖私たちの幻想郷➖
第50話「飛妖隊、出撃!」


幻想天霊伝説 第50話

 

 

 

 

[人里]

 

会議の次の日、霊夢は人里で人間たちに協力してもらえるよう説得していた。

 

 

霊「というわけよ。妖怪たちだけじゃ足りない。人間の貴方たちにも協力してほしいの。」

 

男a「そうは言ってもなぁ。」

 

男b「敵も妖怪かもしれないんだろ?そんなの俺たちじゃ戦えない。」

 

霊「…。」

 

 

やはりというか、人間たちからの協力は見込めなかった。中には、演説の後こっそり協力を申し出る者も現れたが、部隊を組むには人数が到底足りなかった。

 

妖怪たちには、文々。新聞の助力のおかげですぐに広がった。そしてそのほとんどが協力してくれることとなった。

 

中でも期待を集めたのが、飛行妖怪戦闘部隊、通称飛妖隊だった(初登場は第41話)。

 

サイヤパワーを宿していないが、高い機動力を誇る幻想郷ではトップクラスの戦闘能力を持っていたからだ。

 

 

霊「(取り敢えずここはよし。ちょっと戦線でも見に行こうかしら。)」

 

 

幻想郷と敵地の境界を見に行くことにした。

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[守矢神社]

 

早「…というわけですので皆さん、力を貸してください!」

 

妖怪たち「オォー!!」

 

 

早苗は守矢神社にて、演説を行なっていた。新聞でも告知されていたので、妖怪の山の妖怪たちはすぐに協力してくれることとなった。

 

 

早「部隊の編成は後ほどお伝えしますので、よろしくお願いします!」

 

妖怪a「早苗様についていけば安全だ!」

 

妖怪b「ああ!この前の闘いを見れば敵の妖怪なんて屁でもない!」

 

早「(なんか、私ありきになってるような…)」

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[地霊殿]

 

さ「ふぅ。」

 

燐「さとり様、お疲れ様です。」

 

さ「ありがとう。」

 

 

地霊殿のペット燐は、演説を終えたさとりに茶を淹れた。

 

 

燐「感触はどうでしょうか?」

 

さ「まずまずね。半分は協力してくれるといいけど。」

 

勇「まあ、私がいるから安心しろ。」

 

さ「それは心強いです。ありがとうございます。」

 

 

サイヤパワーを持った勇儀が部隊にいるだけでも心強い。

 

 

さ「こいしはまだ見つからない?」

 

勇「あぁ。全然見つからない。地上の連中にもきいたが成果なしだ。」

 

さ「そう。」

 

 

こいしはまた行方不明になっていた。超サイヤ人G2の力を持った人物がいないのは手痛い。

 

 

さ「こいし、いったいどこにいるの?」

 

空「よーし頑張るぞー!」

 

さ「期待してるわよ。私も闘うけど。」

 

空「大丈夫ですよさとり様!始まった瞬間に全力でドカーンですから!」

 

さ「いやそれだと私たちもタダじゃ済まないのだけれど…。」

 

空「うにゅ?そうなの?」

 

さ「前あんなに暴れたのに自覚ないの?」

 

燐「爪研ぎ爪研ぎ〜。」

 

空「あ!私も遊ぶー!」

 

さ「やっぱりここは不安しかないわ…。」

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[紅魔館]

 

フ「あ〜、緊張した。」

 

パ「お疲れ。上手く出来てたわよ。」

 

フ「ありがとう!」

 

 

フランは、紅魔館の臨時当主として集会を開き、協力を呼びかけた。

 

勿論彼女一人では荷が重いので、パチュリーが補足した上でのことである。

 

この集会により次の戦いでは、美鈴、小悪魔だけでなく、妖精メイドも戦うこととなった。

 

 

フ「お姉様と咲夜が帰ってくるって言わなかったら危なかったわね。」

 

パ「ええ。レミィあっての紅魔館だもの。それに、妖精メイドたちが一番支持してるのは咲夜だし。」

 

フ「なんだかんだ尊敬されてるのね、お姉様って。」

 

パ「…ゲホッ!ゲホッ!」

 

フ「大丈夫?最近咳多いよ?」

 

パ「大丈夫よ。レイから教えてもらったアイテムを作るのにちょっと疲れてるだけ。」

 

 

レイは既に、妹紅とチルノと共に惑星ギークへ向かってしまった。どうやらその前に、パチュリーに何かを教えたようである。

 

 

フ「何それ!教えて教えて!」

 

パ「完成した時に教えるわ。」

 

フ「え〜、ケチ!」

 

パ「レイが言うには、切り札らしいわよ。」

 

フ「レイが切り札って言うなんて、どんなすごいアイテムなんだろう?楽しみ!」

 

パ「頑張るわ。」

 

 

咳でおさえた手には、べっとりと血がついていた。

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[にとりの研究所]

 

に「遂に、遂に決まった。」

 

セ「な、何がだ。」

 

 

緊張した雰囲気だ。

 

 

に「早苗やあの時のチルノの本気モードの名前、決めた!」

 

セ「は?」

 

に「ほら、前言った桁外れのパワーアップの名前。」

 

セ「今必要か?」

 

に「当然だよ!」

 

セ「少しでも何かを期待した私が馬鹿だった。」

 

 

その「前」は、第34話にある。

 

 

に「一度の変身でフルパワーになれるあの状態は、〈ウルティメイトモード〉、に命名するよ!」

 

セ「チルノのあの技から取ったのか。」

 

に「いい名前だったからね。実はルーミア、ミスティア、リグルも、これに変身出来ていたんだ。超サイヤ人Gになれないから、誰も気づかなかったんだよ。」

 

 

その通りである。サイヤパワーが溶け込んだルーミア、ミスティア、リグルは、気を最大解放したその時、無自覚にウルティメイトモードになっていたのである。

 

 

に「そうだ。この3妖怪と区別するために、早苗やあの時のチルノ、フュージョンして生まれた桜薇は〈Lv.ウルティメイト〉っていう括りにしよう!」

 

セ「何を一人で熱くなっているんだ。」

 

 

後に、命の神を降ろした依姫も、にとりの独断でウルティメイトモードということになり、括りも〈Lv.ウルティメイト〉になった。

 

 

に「あ、悟天君はどうしようか。」

 

セ「ほう、今回は孫悟天を覚えているようだな。」

 

に「うん。そう言えばなんで忘れてたんだろう?」

 

セ「(まあ、私も一瞬記憶から抜け落ちていたがな。にとりだけでなく他の者も思い出したようだしな。)」

 

 

実はギークを倒した後、幻想郷の住民たちは全員、悟天を思い出したのである。一つになったからだろうか。

 

 

に「ただ、今の悟天君を〈Lv.ウルティメイト〉に留めるのはちょっと違うと思うんだよね。」

 

セ「確かに、あれは規格外だ。」

 

に「また考えておこっと。」

 

セ「そんなことより、幻想郷の状況はどうだ?」

 

に「それなんだけど、幻想郷の端から先が、全く別の空間になってるね。」

 

セ「なんだと。」

 

に「今のところ戦線ってことになるけど。もし敵がここを超えて幻想郷が戦場になったら、被害は物凄いことになる。」

 

セ「早急に手を打たねばな。」

 

に「うん。一週間は待ってられないよ。本当は今すぐ向こうに乗り込んで欲しいくらい。」

 

セ「私やその他力のある者だけでも乗り込むぞ。」

 

に「その方がいいね。」

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[幻想郷東部境界線]

 

霊「…何よこれ。」

 

 

霊夢もその境界線を目の当たりにした。幻想郷から先は、全く違う景色が広がっている。

 

 

霊「もし幻想郷周りの全部がこうなってるとしたら、かなり厄介ね。」

 

「早く攻撃しないと。」

 

 

にとりの研究所へ向けて飛んで行った。

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[にとの研究所]

 

霊「にとり、いる?」

 

に「いるよ。」

 

霊「境界線は見てきたわ。」

 

に「どうだった?」

 

霊「思ったより深刻よ。」

 

に「やっぱり。」

 

霊「すぐに攻撃できる妖怪たちはいるかしら?」

 

に「うーん、サイヤパワーを持ってる妖怪ならすぐに攻撃できるけど…。あ、飛妖隊ならすぐに行けるよ。」

 

霊「飛妖隊って確か、天狗たちの?」

 

に「そう。サイヤパワーはないけど強いって評判だよ。」

 

霊「じゃあ明日行かせるわ。」

 

に「は、早いね。まあ、声はかけてみるけど。」

 

霊「頼むわよ。明日の朝、博麗神社に集合と伝えておいてちょうだい。」

 

に「了解!」

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[幻想郷南部境界線]

 

翌朝、霊夢と飛妖隊は幻想郷南部の境界線に集合していた。

 

急に呼び出したにも関わらず、霊夢よりも早く集まっていたのである。

 

 

霊「随分早いわね。」

 

一「はいっ!出撃を心待ちにしておりましたから!」

 

 

この活発な女天狗は隼丸 一(はやぶさまる はじめ)。飛妖隊の中でも上位の実力者である。

 

 

霊「元気のいいこと。」

 

 

魔理沙を思い出した。

 

 

霊「全員で50人くらいはいるのね。」

 

一「はいっ!例え相手が100人だろうが全て叩き落としてみせます!」

 

二「一ちゃんちょっとうるさい。」

 

一「なっ!またうるさいって言ったぁ!」

 

 

この控えめな女天狗は二葉 鍾(ふたば しょう)。一の同期でこちらも実力者だ。

 

 

一「鍾ちゃんは静かすぎなの!霊夢さんに心配されるよ!」

 

二「うるさければいいってもんじゃない。」

 

一「なにい!」

 

霊「喧嘩しないの。」

 

一&二「す、すみません。」

 

 

喧嘩を止めながら、咲夜と妖夢を思い出した。

 

 

霊「(必ず、元の幻想郷を取り戻す!)」

 

椛「私も闘います。」

 

霊「あら、あんたは飛妖隊と闘うのね。」

 

椛「文さんの仇を撃ちます!」

 

霊「そう。最初だけは私も闘うわ。ついてきなさい。」

 

飛妖隊&椛「はいっ!!」

 

バシュッ!!

 

 

一斉に、境界線を超えた。

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[南部戦線]

 

境界線を超えた世界は、幻想郷と見た目は変わらなかった。暫く飛んだが人の気配はなく、ただ山と森が続くだけである。しかし、幻想少女たちには特別な、あるものが見えてきた。

 

 

一「あっ!あれはなんだ!?」

 

霊「! これは…。」

 

 

目の前に広がっているのは、果てしなく大きな水溜りであった。霊夢を含め、ここにいる全員が見たことないものである。

 

誰かが指示したわけではないが、気がつくと皆降りていた。

 

 

一「うわ!この水しょっぱい!」

 

二「なんで、塩水が自然界に…。」

 

椛「本当に、異世界なんだ。」

 

霊「これってまさか…。」

 

紫「そうよ、海!」

 

二「ぴゃっ」

 

霊「ほんとあんたって唐突よね。」

 

 

スキマから紫が現れた。

 

 

紫「幻想郷にはないものね。遊んじゃってもいいのよ?」

 

霊「あんたね。」

 

一「(正直、遊びたい!)」

 

二「霊夢隊長、一ちゃんが遊びたいって言ってます。」

 

一「まだ言ってない!」

 

椛「言うつもりだったんだ。」

 

一「椛さんツッコミ鋭い…。」

 

霊「あんたたち、そういえば隊長はいないの?」

 

二「隊長は、事務手続きが残ってるとかでまだ本部にいます。」

 

霊「そう。」

 

椛「! 何か来ます!」

 

 

椛は自らの千里先まで見通す程度の能力を使い、海の果てから何かが飛んできていることに気づいた。

 

 

紫「あら?」

 

椛「妖怪です。武装してます!」

 

霊「いいわ。全員倒す。」

 

一「待ってください霊夢さん!」

 

霊「?」

 

一「ここは私たちだけで闘います!」

 

霊「あら、そう。」

 

二「椛さん、敵は何人くらい?」

 

椛「ざっと、100人くらいです。」

 

一「余裕だな!」

 

二「さっさと終わらせて遊ぶ。」

 

一「鍾ちゃんも遊びたいんじゃん!」

 

椛「行きますよ!」

 

 

かくして、敵と飛妖隊との戦いの火蓋が、切って落とされた!

 

 

第51話へ、続く!




というわけで、第50話でした!

〈ウルティメイトモード〉のウルティメイトは、単純にアルティメットと名付けると特別感がなかったので、あえてこの読み方にしました。

これを決めるために、にとりと長い間熟考したのは言うまでもありません。


ここまでのご愛読、有難う御座いました!!

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