幻想天霊伝説〜都会の悟空が幻想入り〜   作:サウザンド・J

53 / 55
この小説は、東方Projectとドラゴンボールの2次創作です。

・2次創作
・遅すぎた更新
・勝手な解釈
・見切り発車
等が含まれております。

読者の方々のおかげで何とか続けられています。いつも本当にありがとうございます。


第48話「さらば、孫悟天」

幻想天霊伝説 第48話

 

 

 

 

[紅魔館]

 

パ「…、私たちも行きましょう。」

 

妖精メイドA「本気ですかパチュリー様!」

 

妖精メイドB「これでは守矢の連中の思う壺です!」

 

美「う〜ん。」

 

レイ「もう一度僕に行かせてください。」

 

フ「ダメ!絶対ダメ!」

 

レイ「このまま僕だけ逃げ帰って終わりだなんて、虫が良すぎます!」

 

「それに、みんなのあんな姿を見せられて黙って見ている訳にはいきません…!」

 

フ「あんなのいくらレイでも勝てないよ!お姉様も、咲夜も、魔理沙も、みんなみんな、あいつに…。うぅ…。」

 

パ「じゃあレイ、貴方の能力は発動出来るのかしら?」

 

レイ「そ、それは…。」

 

 

1回目を使ってから、まだ24時間経過していない。

 

 

パ「打撃を加えれば戦闘力が上がって、エネルギー波もほぼ受け流し、その上不死身の肉体を持つ相手に、強力とは言え時間と回数に制限のある貴方の能力だけで対処出来るかしら?」

 

レイ「………。」

 

美「(パチュリー様厳しいなぁ。)」

 

フ「じゃあ、やっぱり。」

 

パ「ええ、あの光というものがどう作用するかわからないけど、私たちも協力する方がいいわ。」

 

美「守矢はどうしますか?」

 

パ「私がどうとでもするわ。レミィが居ない今は私が責任を持つから安心しなさい。」

 

美「わかりました!」

 

レイ「はい!」

 

フ「うん…。」

 

パァッ

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[地底の避難所]

 

勇「守矢の巫女が、自ら信仰の対象を移したか!」

 

 

早苗の、信仰を悟天に向けることを訴えた言葉を聞きそう言った。

 

 

燐「さとり様、私たちも行きましょう。」

 

空「いこーよー。」

 

さ「そうね。…こいしはどうするの?」

 

こ「勿論!お兄ちゃんの為なら何でもするよ!」

 

さ「わかったわ。」

 

勇「今回ばかりは協力しないとな。」

 

パァッ

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[にとりの研究所]

 

に「私たちも行こう。」

 

亜「もちっす!」

 

セ「いや、私は…。」

 

に「なんで断るの?」

 

セ「私は本来敵だ。協力はしたいがおそらくできない。」

 

亜「いやいや、私と一緒に闘ったじゃないっすか。」

 

に「そうだよ。セルはもう幻想郷の一員だよ。」

 

セ「…私も、光になれるだろうか。」

 

に「なれるよ!」

 

亜「当たり前っすよ!」

 

パァッ

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[惑星ギーク]

 

神「(どうする。早苗は死にかけ。妹紅は戦意喪失。悟天君は満身創痍。他の助け舟はなし。…打つ手はなしか。)」

 

ギ「先に死にたい者は申告しろ。楽に死なせてやるぞ。」

 

神「何をバカなことを!」

 

ギ「お前か?」

 

神「うっ」

 

 

神であってもやはり、死は怖い。

 

 

ギ「では気絶した洩矢諏訪子が最初だな。」

 

神「やめ」

 

「やめろっ!!」

 

ヴンッ!!バチッ!バチッ!

 

 

神奈子が言う前に悟天か叫んだ。

 

 

ギ「? 孫悟天、お前…。」

 

神「これは…!」

 

 

悟天の気が上がっていた。光をモノにしたのだろうか。

 

 

天「お前は、俺が倒す!」

 

ギ「無理はするな。」

 

 

およそ敵とは思えないほどの情けの言葉である。どれほど余裕なのだろうか。

 

 

神「…私の全てを、君に託す。諏訪子も連れて行くよ。」

 

 

そう言うと、神奈子と諏訪子は光となり、悟天の身体へ溶け込んだ。

 

 

ギ「…、いつの間に。」

 

 

ギークが気がついた時、既に早苗も光となって溶け込んでいた。

 

 

妹「! 女たらし!」

 

 

正気に戻った妹紅が、悟天へ駆け寄った。

 

 

妹「お前、本当に大丈夫なのか?」

 

天「うん、大丈夫だよ。俺が必ず倒す。だからさ、妹紅も力を貸してくれないかな?」

 

妹「勿論だ。今の女たらし、いや、悟天なら絶対勝てる。」

 

天「任せてよね。」

 

 

そして妹紅も光となり、悟天に溶け込んだ。そして、

 

 

ギ「…。」

 

天「はぁぁぁっ!!」

 

ヴンッ!!バチバチバチッ!!

 

 

再び超サイヤ人3へ変身した!最初とは違い、オーラとは別に全身が少し金色に輝いている。

 

 

ギ「幻想郷に反応はなくなった。つまりそれが、この幻想郷を一つにした姿ということか。」

 

天「そういうことだよ、ギーク!」

 

ギ「…。」

 

 

両者は構えた。悟天はかめはめ波の構え、ギークは両手を前に突き出した。

 

 

天「(大丈夫、みんなついてる。死んじゃった霊夢や魔理沙たちの分も、俺は負けない!)」

 

 

2つの大きなエネルギーが、宇宙で瞬いた!

 

 

天;「超光(ひかり)かめはめ波」

 

ギ;「カオス・ブラスター」

 

天「かー…、めー…、」

 

ギ「ンンン」

 

天「はー…、めー…、」

 

ギ「…」

 

「波ぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ッ!!」

 

ドンッ!!ゴオッ!!

 

 

両者の膨大なエネルギーがぶつかり合った。

 

 

天「っ!」

 

ギ「…。」

 

 

撃ち合いは互角に見えたが、

 

 

天「く、くそっ!」

 

ギ「はっ!」

 

ゴォォッ!!

 

天「ぎぎ、ぎ…」

 

バチンッ!!

 

天「うわぁっ!!」

 

 

悟天が敗れ、攻撃をモロに受けた!

 

後方に大きく吹き飛んだ悟天は、吹っ飛ばされながら超サイヤ人3がとけ、地面に叩きつけられ、仰向けに倒れ白目をむいた…。

 

その光景をにとりのスパイカメラは悲しく捉えていたが、それを観る者はもういない。

 

 

ギ「奇跡など起きない。私がそうであったようにな。」

 

 

生死を確認する為、悟天に近づいた。

 

 

ギ「完全に死んだ。だがやはり、光とやらは消せなかったようだな。」

 

 

気を失った悟天の身体には、まだ光が残っていた。しかし、宿主はピクリとも動かない。

 

 

ギ「可愛そうだな。この光は、死体の中で輝く他ない。消えるまでな。」

 

 

動かぬ悟天に背を向け、歩いてその場を去った。

 

 

ギ「それにしても、月の方で感知したとてつもない気は何だったんだ?少々焦ったが、もう居ないのなら問題ない。」

 

 

独り言を呟き歩いていると、

 

 

ギ「…これはどういうことだ。」

 

 

自分の側を横切る光に気づいた。その光はなんと、戦死した魔理沙たちから放たれていたのだった!

 

振り返るとそこには、

 

 

ギ「お前は…。」

 

 

両手を上げ、悟天の真上に光を集めた霊夢がいるではないか!

 

 

ギ「あり得ん!お前は死んだ筈だ!」

 

霊「今回ばかりは私もダメかと思ったわ。」

 

 

霊夢が無事だった理由は次の通りである。

 

 

 

 

〜〜

 

霊「もう、ダメ。身体がピクリとも動かない…。」

 

 

霊夢は夢想天生を発動させたまま、湖の底へ沈んでいた。

 

無論、夢想天生を解除すれば死ぬ。

 

 

霊「ごめん、悟天。せっかく来てくれたのに…。」

 

「もう一回、会いたかったな…。」

 

 

意を決して夢想天生を解除しようとした。

 

その時!

 

 

??「諦めんじゃねえ!悟天に会いたくねえんか!」

 

霊「!?」

 

 

その声が聞こえた瞬間、技を発動させているにも関わらず、霊夢は抱えられ異空間へ連れて行かれた。

 

その声、その手の感触は間違いなく霊夢の師匠であった。

 

 

霊「し、師匠!?」

 

師「遅くなってすまねえな霊夢。今回ばかりは助けに来たぞ。」

 

 

夢想天生をといた。

 

 

霊「え、えっと…。」

 

 

少し黙り、

 

 

霊「ごめんなさい師匠!」

 

師「? なんで謝るんだ?」

 

 

謝った。

 

 

霊「私があんな事言ったから、師匠は愛想が尽きて出ていったんでしょ?」

 

師「それは誤解だぞお。あん時偶然他の世界に行くことになっただけだ。」

 

霊「ほ、ほんと?」

 

師「ああ。にしても霊夢、暫く見ねえうちに大きくなったなあ。」

 

霊「…。その、師匠。」

 

師「なんだ?」

 

霊「流石にこのままなのは、恥ずかしいんだけど。」

 

師「お、悪りい悪りい。」

 

 

霊夢は師匠から離れ、異空間に浮いた。そして、照れ臭そうに黙った。

 

 

師「あ、そういやピンチだったな。気を分けてやるぞ。はっ!」

 

霊「!」

 

 

霊夢は全回復した。

 

 

霊「すごい。こんなの、全回復なんてレベルじゃ。」

 

師「霊夢、あれを見てくれ。」

 

 

目線の先には、ユニバースキングと闘う悟天たちがいた。

 

 

霊「なに。あの化け物…。」

 

師「あれはDr.ギークっちゅう奴が創り出したすげえ奴だ。」

 

「あれを倒すには霊夢、おめえの力が必要だ。」

 

霊「…無理よ。さっきの奴でさえ歯が立たなかったのよ。」

 

師「大丈夫。あの光が見えるよな?」

 

霊「うん。」

 

師「あれをおめえが完成させるんだ。」

 

霊「たぶん早苗が作ったモノ。確かに私ならできるわ。」

 

師「それをどうするかはおめえに任せる。さあ、行くんだ。」

 

霊「待ってよ師匠!まだ、話したいことが沢山あるのに…。」

 

師「それは、また今度な。」

 

霊「うぅ…。」

 

 

俯いていると、

 

 

ポンッ

 

霊「っ!」

 

 

頭を撫でられた。

 

 

師「大丈夫だ。おめえはもう立派に育った。胸張って闘ってこい!」

 

霊「…。」

 

 

すると霊夢は笑顔を取り戻し、

 

 

霊「わかったわ。行ってきます!」

 

 

勢いよく飛び出した。

 

〜〜

 

 

 

 

霊「悟天、あんたはまだ死んじゃダメよ。」

 

ギ「させん!」

 

ボッ!!

 

 

気弾を放ったが、霊夢には命中せずすり抜けた。

 

 

ギ「まさか、お前まで…。」

 

「だが、今更光とやらが増えたところで変わらんぞ!」

 

霊「お願い、貴方たちの力も貸して!」

 

ギ「貴方たち?」

 

 

すると、惑星ギークの至る所から光が現れ、霊夢の元へ集結した!

 

 

ギ「馬鹿な。何故お前たちまで…!」

 

 

その光は、これまで惑星ギークで、ギークの手によって葬られた別の世界の幻想少女や彼女らと親しかった者たち、加えてこの世界で戦死した月兵たちのものである。

 

月兵については、アナザーストーリーでご確認いただきたい。

 

 

霊「あとは頼んだわよ、悟天!」

 

カッ!!!

 

 

霊夢は両手を振り下ろし、光を悟天へぶつけた。そして、自らも悟天へ溶け込んだ。

 

 

ギ「み、見えん!」

 

 

そこから放たれた光は強すぎて、ギークは目を開けられなかった。

 

光が収まると、そこには…

 

 

ギ「だ、誰だ、お前は。」

 

?「…」

 

 

うっすら輝く一人の男が立っていた。

 

 

?「…っ!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

ヴゥン…

 

 

男が構えを取るとエメラルド色に光が増し、男の姿が半透明になった。

 

 

ギ「小癪な!」

 

バシュッ!!

 

 

後方へ飛び上がり、

 

 

ギ;「カオス・シャワーレイン」

 

ボボボボッ!!

 

 

10本の指先からエネルギー弾を連続で発射した!しかし、

 

 

?「っ!!」

 

ドンッ!!

 

 

真っ直ぐ走り出した男に、何故か一発も当てられないではないか!

 

 

ギ「何故だ!確実に命中してる筈だ!」

 

?「…」

 

 

ギークは、恐れた。まるで、自分の幻想郷を滅ぼした「それ」に出会ってしまったような感覚だ。

 

 

ギ「奴は、必ず倒す!!」

 

ギ;「カオス・ザ・ファイナル」

 

ギ「はぁぁっ!!」

 

ゴオオオッ!!!

 

 

指先からの攻撃を続けた上で、ユニバースキングの切り札を繰り出した!

 

それは、胸部から放たれた凄まじいエネルギー砲である。ギークも男も気づいていないが、今いる空間が歪む程の一撃である。

 

 

?「っ!!」

 

ドゴンッ!!!

 

 

男は大地を、いや、星を蹴り上げ飛び上がった!

 

 

?;「幻想・ミラクル・スマッシュ」

 

?「ーーーっ!!」

 

 

右の拳を突き上げ、エネルギー砲へ突撃した!

 

 

ギ「ば、馬鹿な!クソ!クソ!」

 

 

男は一瞬止められたかと思われたが、

 

 

ブアアアアッ!!!

 

 

一瞬にしてエネルギー砲を正面から破り、

 

 

ズンッ!!!

 

ギ「っ!!」

 

 

ギークは、胸部を貫かれた。

 

 

ギ「ソ、」

 

「ソンゴテンーーーッ!!」

 

 

ギークの、ユニバースキングの身体は溶けるように、消えていった…。

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[???]

 

幻想の魔神「まさか、私の呪いを克服するとは。こいしよりも重度なものの筈だが。」

 

 

幻想の魔神は、自分の空間から一部始終を見届けていた。

 

 

幻「こいしは我の呪いを破れずにいる。しかし彼は、克服どころかモノにした。」

 

T「そうですね。」

 

幻「?其方は?」

 

T「まあ貴方になら言ってもいいでしょうね。」

 

「私は、〈記す者〉です。」

 

幻「何を記しておられるのですか?」

 

T「真の神です。」

 

幻「真の神とは?」

 

T「多元宇宙において唯一無二の存在のことです。」

 

幻「まさか、そんなものが存在するのですか?」

 

T「はい。未確認が多数あり、全貌はまだまだ掴めておりませんが。」

 

幻「今まで確認出来た人物をお聞きしても?」

 

T「はい。」

 

「此度2度目の確認となった、宇宙の人々の意志を統一なされた命の神、」

 

「全く別の次元で奇跡的にお目にかかれた、多元宇宙の過去と未来全てを司る救(すくい)の神、」

 

「そして初の確認となる、彼ということです。」

 

幻「お名前は?」

 

T「そうですね。」

 

「幻想の魔神である貴方の、人物の存在を幻に変えてしまう呪いのお力、そして数多の幻想郷の思いを一つにした存在、幻の神と名付けさせていただきましょう。」

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[惑星ギーク]

 

幻「…。」

 

 

男は、少しホッとした表情を浮かべた。

 

しかし、

 

 

ゴゴゴゴ

 

幻「!」

 

 

まだやるべきことが、残っているようだ。

 

 

第49話へ続く。




というわけで、第48話でした!

唐突に終わったと感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、長かった第5章はこう締め括るというのは実は連載前から決まっていました(それまでのストーリーは大幅に変わりましたが)。

幻想の魔神パートは次回の予定でしたが、読書の皆様をお待たせしすぎたので、当回に執筆させていただきました。

幻の神のイメージは既に出来上がっています。完成図は盟友が全力で書き上げておりますので、仕上がれば当回に投稿致します。


ここまでのご愛読、有難う御座いました!!

追記

盟友(@rei_z0701)が挿絵を描いてくださりました。いろいろ許可をいただいたので添付します。(2023/8/14)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。