幻想天霊伝説〜都会の悟空が幻想入り〜   作:サウザンド・J

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この小説は、東方Projectとドラゴンボールの2次創作です。

・2次創作
・遅すぎた更新
・勝手な解釈
・トラウマ回
等が含まれております。

半年以上更新出来ず、申し訳ありませんでした。


第46話「絶望の夜明け」

幻想天霊伝説 第46話

 

 

 

 

[惑星ギーク]

 

魔「だ、誰か、おぶってほしいのぜ。」

 

 

気を使い果たしたらしく、一歩も動けなかった。

 

 

文「今行きます〜。」

 

 

特に急がず魔理沙へ向かった。

 

 

早「今の攻撃、私でも無事では済みません。もし生きていたとしても重傷の筈です。」

 

「・・!そんな!」

 

 

ユニバースキングことギークは無傷だった!

 

咲夜、レミリア、レイ、妖夢からは煙で見えなかったが、早苗からはユニバースキングの姿がはっきり見えていた!

 

 

早「皆さん!まだです!」

 

ギ;「カオス・シュート」

 

ビィッ!!

 

 

直径1mのエネルギー波だ!

 

 

妖「!」

 

咲「!」

 

レイ「!」

 

レミ「! 避けなさい!」

 

文「あや?」

 

 

ギャラクシースパークを避けた4人は、止まっていても当たらなかった。しかし、

 

 

文「うっ!」

 

魔「おいおい・・、冗談キツいぜ…。」

 

「ごめんな、アリス…」

 

ゴォォッ!!

 

 

文は左の羽と腕を擦ってしまい、魔理沙は直撃した!

 

 

「魔理沙さーーん!!」

 

咲「そんな…。」

 

 

ギークの攻撃は終わった。魔理沙は・・立ったまま、死んでいた。

 

 

文「魔理沙、さん…。」

 

ギ「驚いた。少しでも今の私の力に届くとはな。」

 

レイ「…まだそんな事を言っているのか。」

 

ギ「? まだ殺しは悪だと言うのか?」

 

「私は愛する者たちを殺された。〈それ〉を倒すために仕方なく殺しているだけだ。お前も愛する者のために殺しをしているではないか。違うか?」

 

 

レイが倒した人造人間やビドーのことだ。

 

 

レイ「違う。守る為に戦う事と復讐を盾にした虐殺は別物だ!」

 

ギ「現実はそう甘くはない、いや、甘くなかった。〈それ〉を倒すためにはより強い生物を作り出すしか方法はない。しかし、どの世界へ渡っても理解されなかった。」

 

「交渉決裂による戦闘、つまり人類の戦争と同義だ。どの世界も戦争はなくならない。私がやっていることは間違いではない。」

 

レイ「それは自分の行為を正当化する為の言い訳にすぎない。」

 

「お前のしている事は、『それ』とやらと何ら変わらないぞ!」

 

レミ「そうよ。戦争を理解しているなら、正しくないことも理解している筈よ。」

 

ギ「レミリア・スカーレットごときが調子に乗りおって。」

 

「まあいい。私はこれほど交渉の余地を与えた。もう十分だ。」

 

「レイ・ブラッド、お前から殺す。」

 

バシュッ!!

 

レイ「ッ‼︎」

 

 

レイに襲い掛かった。しかし、

 

 

カチッ

 

レイ「え!?」

 

 

気づくとレイのブレスレットの転送のスイッチが押されていた!

 

そして微かに咲夜の声で「生きて」と聞こえた。

 

 

レイ「さ…咲夜さん⁉︎」

 

 

レイは、幻想郷へ転送された。

 

 

ギ「馬鹿め!」

 

カタカタカタ、ジャキッ!

 

 

左腕が変形し、肘から先が黒い刃物になった。まるで豪剣である。

 

 

咲「くっ!」

 

キキキキッ!!

 

 

咲夜は両手にナイフを握り応戦した。しかし、片腕を振るうギークにやっと追いつく程度だった。

 

 

ギ「どうした?遅いぞ。」

 

咲「(は、速い!このままじゃ…!)」

 

妖「どこを見てるんですか!」

 

ザッ!!バキィッ!!

 

 

咲夜に気を取られていたギークの背後に迫った妖夢が、両の剣を全力で水平に振った!ギークのうなじに切目を入れたと同時に、白楼剣と楼観剣はギークの硬さに耐えられず折れてしまった。

 

 

ギ「なに?」

 

咲「っ!」

 

ザッ!!バキッ!!

 

 

このチャンスを逃さなかった咲夜は、斬りきれなかった首を斬り裂くためナイフを握った手を振った!見事、ギークの首を跳ねることに成功した。

 

 

レミ「トドメよ!」

 

レミ;神槍「真・スピア・ザ・グングニル」

 

 

気を全開にし、グングニルを持ったままギークの首に迫り、

 

 

ドカーンッ!!

 

 

完全に消した。

 

 

シュゥゥ・・

 

レミ「もう、変身できないわね。」

 

妖「や、やりましたね。」

 

咲「…。」

 

ス・・バタッ

 

 

咲夜は首のないギークを前に、疲労で仰向けに倒れた。

 

 

妖「はぁ、はぁ、なんでこの程度で倒れてるんですか。」

 

咲「うるさい、わね。」

 

 

妖夢は動かなくなったギークの前に立ち、咲夜を見下ろしながらそう言った。

 

 

文「魔理沙さん!魔理沙さん!」

 

 

揺さぶっても魔理沙はピクリとも動かない。文は、耐え切れず泣いていた。

 

 

早「頭を吹っ飛ばした。これでセルのように再生はできないはず。」

 

「でも、残った胴体が何をするかわかりません。皆さん、早く信仰を!」

 

 

用意周到である。

 

 

妖「実感が湧きません。まさか魔理沙さんが…。」

 

咲「・・・。」

 

レミ「間違いなくこの手で消した。これで運命は変わった。」

 

「・・! あれは!!」

 

 

レミリアが見たものとは?

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[紅魔館 レイの自室]

 

レイ「ここは!?」

 

 

気がつくと、紅魔館にある自室の真ん中に立っていた。

 

もう一度惑星ギークへ戻ろうとしたが、ブレスレットは作動しなかった。

 

 

レイ「そうだ、みんなは…?」

 

 

紅魔館のメンバーは、大図書館に集まっているようだ。

 

 

レイ「良かった…僕も合流しないと。」

 

 

走って向かった。

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[惑星ギーク]

 

レミ「咲夜ーーーっ!!」

 

ヴンッ!!

 

 

残り少ない力を振り絞り、超サイヤ人Gへ変身し、飛んでいった!

 

 

咲「そんな、馬鹿な…。」

 

妖「(ゾクッ!)」

 

 

妖夢は咲夜の方を向いたままだったが、直感で背後の存在に気づいた。

 

そこにいたのは、

 

 

ギ「まさか、隠し味をここで披露することになるとはな。」

 

 

首が元通りになっているギークだった!

 

妖夢はゆっくり振り返り、絶望の表情を浮かべた。

 

 

ギ「邪魔だ。」

 

ザクッ!!

 

妖「ーっ!」

 

 

左腕の豪剣で、背後から左胸を刺された。

 

 

妖「む、無念…」

 

ザッ!!・・バタッ

 

 

豪剣を勢いよく振り上げ、斬り裂いた。

 

絶命した妖夢は、咲夜に倒れかかった。

 

 

咲「嘘、そんな…」

 

 

反応がない妖夢を抱いた。もう咲夜には、闘うエネルギーが残っていないのだ。

 

 

ギ「滅べ、十六夜咲夜。」

 

カタカタカタ

 

 

豪剣から普通の腕に戻し、左の手のひらを咲夜に向け気を込めた。

 

 

レミ「やめろぉぉぉ!」

 

 

爪を突き立てたが、

 

 

ゴツッ!!

 

 

気を込めていた左の裏拳で殴り飛ばされてしまった。

 

 

ギ「?」

 

 

見下ろすと、妖夢の亡骸があるだけで咲夜はいなかった。

 

 

文「大丈夫ですか?」

 

咲「私はもう助からない。早く逃げて。」

 

文「い、いや〜、霊夢さんから舞空術を教わっといてよかったですよ〜。羽が動かなくても飛べるんですから。」

 

 

レミリアが攻撃された隙に、咲夜を物陰に避難させたようだ。

 

 

咲「お嬢様、今行きます。」

 

文「本当は隠れて欲しいですが、仕方ありませんね。」

 

「霊夢さん、魔理沙さん、今いきます。」

 

ヴンッ!!バチッ!バチッ!

 

 

気を込め、物陰から飛び出した!

 

 

ガシッ!!

 

文「あっ!がっ!」

 

ギ「自分から出てきてくれて助かるぞ。」

 

 

現実は残酷なもので、飛び出した瞬間鼻から上を大きな右手で掴まれてしまった。

 

文はギークの右手を引き剥がそうともがくが、

 

 

ギ「ふん。」

 

ギ;「カオス・サンダー」

 

ピカッ!!ゴォォォッ!!

 

 

右手から高圧電流を流す技だ。

 

文は黒く焦げ、ギークが手を離しても動かなかった。

 

 

咲「お嬢様!起きてください!」

 

レミ「さく、や?早く逃げなさい。」

 

咲「お嬢様を見捨てて逃げられるわけがありません!」

 

レミ「みんなが死ぬ運命は変えられなかった。貴女だけでも生き残って…!」

 

咲「ブレスレットを使って逃げましょう!」

 

レミ「駄目よ。みんなが逃げたら、あいつは幻想郷にやってくる。そうなったら幻想郷は終わりよ。」

 

「でも、貴女一人なら許してくれるかもしれない。だから早」

 

ギ「レミリア・スカーレット、お前は私が何もせずとも間も無く死ぬ。」

 

咲「うっ。」

 

 

咲夜は恐怖した。

 

 

ギ「あれを見ろ。」

 

レミ「! しまった!」

 

 

幻想郷は夜であるということに惑わされ、惑星ギークはこれから日が昇るということに気づかなかった。

 

 

咲「お嬢様!」

 

ギ「邪魔だ。」

 

ゲシッ!!

 

咲「あがっ!」

 

 

咲夜はあっけなく蹴り飛ばされた。

 

 

ギ「トドメは刺さない。そこで主人がゆっくり焦げるサマを見ているがいい。」

 

レミ「き、貴様…!」

 

ギ「次は東風谷早苗か。」

 

バシュッ!!

 

 

早苗に危機が迫る!

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[紅魔館 大図書館]

 

レイが入ると、にとりが放送している惑星ギークの映像を凝視している紅魔館のメンバーがいた。

 

 

パ「レミィ!」

 

妖精メイドA「お嬢様!」

 

レイ「向こうはどうなってますか!」

 

美「レイくん!無事でよかった。」

 

フ「レイー!生きててよかったよー!」

 

 

泣いて抱きついてきた。

 

 

レイ「ご心配をおかけしました…。」

 

「それよりお嬢様は⁉︎」

 

パ「・・・。」

 

 

途端に場が凍りついた。

 

 

小「・・あれを観てみろ。」

 

レイ「…!」

 

 

映像には惑星ギークが映っているのだが、レイが闘っている時はなかった太陽が見えているではないか。

 

 

レイ「そ、そんなまさか…。」

 

パ「私のせいよ。星の向きを調べ忘れたから…。」

 

レイ「パチュリー様は悪くありません…不甲斐ない僕のせいです…!」

 

美「そんなことはない。その様子だと知らないと思うけど、妖夢さんと文さんはあいつに…。」

 

 

別の映像では、血だらけの妖夢がうつ伏せで、全身が黒くなった文が離れた場所で倒れていた。

 

 

レイ「そんな…二人とも…。」

 

フ「レイは死なないよね?」

 

 

顔を埋めながら言った。

 

 

レイ「………」

 

「勿論です。僕は死にません。」

 

 

決死の覚悟を交えた約束であった。惑星ギークのメンバーが全滅すれば、幻想郷が安全である保証はなくなるからだ。

 

依然、紅魔館に不穏な空気が漂っている…。

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[文々。新聞本部]

 

椛「文さぁぁぁん!!」

 

天狗a「うわぁぁぁん!」

 

 

文々。新聞本部は悲しみに包まれていた。

 

 

天狗c「・・私たちも行こう。」

 

天狗a「?行くって?」

 

天狗c「信仰を与えよう。文さんの仇を私たちが討つんだよ。」

 

天狗b「うん、どうやらあの光は信仰を与えた本人たちみたいだし。」

 

椛「信仰の方は後で上手くスルーすればいいと思います。皆さん、行きましょう!」

 

一同「うん!(はい!)」

 

パァッ

 

 

文々。新聞にいる妖怪たち全員の信仰が、一気に集まった。

 

 

 

 

•••

 

 

 

 

[惑星ギーク]

 

早「(こっちへ来た!でも離れたら、みんなが…!)」

 

神「早苗!ここは私たちに任せろ!お前は存分に闘え!」

 

早「でも、神奈子様!」

 

諏「大事な私たちの子を危険に晒すほど落ちぶれてないよ!」

 

早「諏訪子様…。ありがとうございます!」

 

ギ「ふんっ!」

 

 

右の拳を早苗の鼻に当てたつもりだったが、

 

 

早「はっ!」

 

ドゴッ!!

 

ギ「ぐっ!」

 

 

光をすり抜けた先で、逆に頭上から強烈なキックをくらった。

 

 

ギ「ちっ、八坂神奈子と洩矢諏訪子なら、信仰と東風谷早苗を天秤にかけ優柔不断になると考えていたが、そうはいかんらしいな。」

 

「しかし、あの光は何だ?感触がまるでなかった。あれが完成する前に皆殺しにしなければな。」

 

 

両者は地面に降り立った。

 

 

早「妖夢さん、文さん…、あなたは、絶対に許しません!!」

 

カッ!!ビュオォォッ!!

 

ギ「いいぞ。それでいい。お前が抗えば抗えるほど、私はより強化される。」

 

早「はっ!」

 

ビュオォォッ!!

 

 

片手で突風を巻き起こした!

 

 

ギ「・・・。」

 

早「え?」

 

 

しかし、ギークには全く効果がなかった。

 

 

ギ「私が発明した〈エネルギー順応プログラム〉はな、この肉体がエネルギーに慣れていくほど肉体が勝手にエネルギーを弾くようになっている。磁石と同じと考えてもらって構わない。」

 

「つまりだ。その程度のエネルギー攻撃はもう私には通用しないということだ。さあ、どうする?」

 

早「っ、まだです!まだ本気は出していません!」

 

ギ「あれを見てみろ。」

 

早「?」

 

 

見るとそこには、全身がほとんど焦げてしまったレミリアがいた。

 

 

咲「おじょ、さま…。」

 

 

ほぼ匍匐前進(ほふくぜんしん)でレミリアのもとへ向かっていたが、間に合わなかったようだ…。

 

 

レミ「さ・・・・ゃ」

 

咲「う、ぅぅ。」

 

レミ「逃げ、なさい…

 

 

レミリアは、灰となって消えた…。

 

 

「レミリアさーーーん!!」

 

咲「あ…」

 

早「咲夜さん!今そちらに!」

 

ギ「見るだけだ!」

 

ドゴッ!!

 

早「うぐっ!」

 

咲「…」

 

 

主人の最期の命令を遂行するため、ブレスレットを起動させたが、

 

 

咲「! そ…ん…」

 

 

攻撃による故障のせいか、上手く作動しなかった。

 

 

咲「」

 

 

そして、咲夜までもが、力尽きた…。

 

 

早「そんな、咲夜さんまで…。」

 

 

天「よし、少しは闘える。妹紅、もう黙って見てられないよ。」

 

 

よろめきながら立ち上がった。

 

 

妹「待て、少なくとも早苗がヤバくなってからだ。」

 

「それに、その身体で闘えるとか嘘つくな女たらし。」

 

天「そうも、言ってられないよ。」

 

妹「(こんなに仲間が死んでいるのに、何で平然としていられるんだ?この女たらし、いったいどんな人生を歩んだんだ?)」

 

 

早「うわぁぁぁ!!」

 

ビュオォォッ!!

 

ギ「ククク、来い。」

 

 

超ユニバースキングにより、魔理沙、妖夢、文、レミリア、咲夜が戦死した。

 

悲しみのどん底で、早苗は、妹紅はどう闘うのか?悟天は闘えるのか?レイは戦場へ戻れるのか?

 

 

第47話へ続く…。




というわけで、第46話でした!

立ったまま死んだシーンに、魔理沙の逞しさを描いたつもりでしたが、伝わっていれば幸いです。

年内になんとか投稿できました。そのため、従来とは違う時間帯での投稿となります。


ここまでのご愛読、有難う御座いました!!

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