バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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Bクラス戦の戦後対談とAクラス戦の初めをまとめました!
この戦争は少し長めに書こうと思います!


戦後対談+Aクラス戦1

 「さあ、戦後対談を始めるか、Bクラス代表さん?」

試召戦争は俺達Fクラスの勝利。現在は戦後対談だ。

「くっ、あんな事で俺が負けるとは・・・!」

「完全な油断だな。あんたは近衛部隊まで前線に出した。そして上階から侵入を可能にした。もう少し深く物事を考えるべきだ。」

「 ・・・」

「戦争の検討はここまでにして、本題に行こうじゃないか。

まず、俺達はBクラスの設備は奪わん。」

雄二の言葉にBクラス中がざわついた。

「だが一つ条件がある。」

「な、何だ!?」

「CクラスがFクラスに宣戦布告するならば、代わりにお前達が戦え、それだけだ。」

「・・・拒否権は?」

「あるが、この教室とはオサラバだぞ?」

 根本がうつむく。確か、Cクラス代表の小山と付き合ってるんだったか?

 「仕方ない、承知した。」

「良し、頼んだぞ。俺達からは以上だ。Fクラス、教室に戻るぞ!」

これでCクラスと言う後背の脅威を除く事ができたな。

俺も教室に戻るとしよう。 

~移動中~ 

 「まずは、お前達に例を言う。ここまで来れたのはお前達の頑張りのお陰だ、感謝する。」

 教壇に立った雄二が深々と頭を下げる。

「次に、後日仕掛けるAクラスとの試召戦争の事だが・・・今まで通り、正面から戦うぞ。」

先程の笑みが消え、アイツには珍しい真面目な顔つきになった。

「吉継、何か失礼な事を考えなかったか?」

「?特に何も考えてなかったぞ。」

「それなら良い。そこで、今までとは違って、編成や立案を高虎や吉継にやって貰おうと思う。」

「と言うことは、わらわ達は高虎と吉継の指示に従って動く事になるのじゃな?」

「まあ、そんな感じだな。」

  この大事な勝負の準備を俺達に任せる。まさか・・・

「もしも負けた時、俺達に責任を押し付ける気か。」

「ギクッ」

分かりやすい程動揺している。やはりそういう事だったか。

「雄二、俺と吉継が話してる時、お前も来い、必ずだ。」

「・・・はい。」

 これで何かあった時は雄二に責任を押し付け返す事が出来る。重荷が消えたな。

「あの、質問なんですが・・・」

「ん?姫路さん、どうしたの?」

「今まで試召戦争に勝っても設備の交換はして来ませんでした。Aクラスに勝ったら、条件次第で交換は無しとかには・・・」

「「「しない。」」」

俺と雄二、高虎の声が被ってしまう。

とんでもない、システムデスクを手放すなど余程の事が無い限り承諾はしない。俺だってシステムデスクを使ってみたい。

「俺達の最終目標はシステムデスクだ。どんな示談も応じん。」

「でも、Aクラスの人達が体調を壊してしまったりしたら・・・!」

姫路は成績が良い。だから友人が多くAクラスに居るのだろう。友を心配する気持ちは分からない訳でもない。「その気持ち、分からなくもない。だが、Aクラスなら、仮に俺達に負けてもBクラスとかには勝てる。それに、俺としてはお前の体調の方が心配だ。たまに咳き込んでるだろう?」

高虎が姫路の体調を出しつつなだめる。

「でも…」

「ここで設備を変えなければ、俺や高虎や雄二が酷い目に遭う。納得してくれ。」

「…はい、分かりました!」

 こんな意見が出るなら、Bクラスと設備を交換した方が良かったんじゃないか?今さら言っても遅いが…

「話を戻すぞ。宣戦布告をいつにするかだが…」

「明日の午後で良いだろ。俺や吉継、姫路は殆ど点数消費が無い。そうじゃなくても数教科しか使ってないんだ。できるだけ早く終わらせたいしな。」

 今回使った教科は数学と物理、保健体育。保健体育はムッツリーニだけだから実質二教科か。

午前中に補充試験をして、午後に戦争か。なかなかハードだな。

「それじゃあ、高虎と吉継、Aクラスに宣戦布告してくれるか?」

「分かった。それじゃ、いくぞ吉継。」

「ああ。」

再び俺達は教室を出た。この前の言い合いで悪印象を持たれていなければ良いがな…

~移動中~

 「失礼する。」

高虎が扉をガラッと開ける。

「…どうしたの?」

Aクラス代表の霧島が俺達を出迎える。その後ろには姫路がいなくなった事によって次席となった久保利光がいる。

更にその後ろには…敵意を剥き出しにしたAクラスの生徒(特に女子)が多数いる。

俺は高虎に目で伝える。

(随分と嫌われてる様だな。)

(これで冷静さを失ってくれればこっちにとってはありがたい。)

(ああ、そう…)

「俺達Fクラスは、Aクラスに試験召喚戦争を申し込む!」

高虎が高らかに宣言し、それを聞いた皆がざわめく。

「…開戦時刻は?」

「そうだな…明日の午後一時半で良いぞ。」

「…了解。」

 これでやることは終わったか。だが、これで帰れるとは思えないな。何故なら…

「藤堂君、少し良いかな?」

霧島の後ろにいた久保利光が、怒気を伴って高虎に話しかけたからだ。

「?どうしたんだ?」

「前に、木下さんが君に馬鹿呼ばわりされて泣いていた、と聞いたんだけど、それは本当かな?」

 ああ、あのときに走り去ったのは泣いているのを見られたくなかったからか。

「泣いていたのは知らなかったが…バカはあんただ、と言った覚えはある。」

「それで何か言うことは無いのかい?」

高虎が謝ってくれる事を期待しているのか?どう考えても謝ることは無いと思うぞ。

「あの時、木下姉は俺達の事をバカと罵った。仮にそれが真実でも、そのような人を傷付ける事を包み隠さず言ってしまう頭をしているのはバカだ。俺もアイツと同じく真実を言ったまで、何も言うことなど無い。…吉継、帰るぞ。」

「…ああ。」

俺と高虎は呆気にとられている久保達を置いて、教室に戻った。

~次の日~

 「…以上が今回の作戦だ。おのおの、抜かるなよ!」

『おう!』

あと二分程度だ。始まった瞬間とにかく急がなければ…

「良し、畳は持ったな?始まったらすぐに廊下をそれで狭めろ!」

雄二が畳を持っている奴に確認をする。

 ここで少し作戦の一部を確認だ。まずは渡り廊下をFクラスの床から剥がしてきた畳で幅を狭くする。俺達は合計点数で圧倒的に負けているので、戦線を広げたくない。

そして、その狭い道をAクラスの生徒が通り、出口に差しかかった辺りで、俺達Fクラスが大人数で襲いかかる。

廊下の幅は人一人が通れる程度まで狭くする。途中でAクラスも気付いて畳をどけたりするだろう。もしそうなったら、俺や高虎、姫路で何とか支えるしかない。

キーンコーンカーンコーン…

「始まったぞ!総員、自分の持ち場につけ!」

その直後、畳を運ぶ者達と、俺や高虎、姫路率いる先陣は廊下に出て臨戦態勢に移った。

 「皆!相手はFクラス、恐れる事なんて何も無いわ!」

畳を置き終わると、木下姉の声が聞こえてきた。少し待つと、畳の道を彼女が通ってくる。

「来なさい、藤堂!アンタなんて一瞬で倒してあげる!」

「お前ら、まずはこいつからだ!明智先生、召喚許可を!」

「はい、承認します!」

明智先生は玉の父親で古文の教師。俺も姫路も高虎も古文は得意だ。都合が良い。

「Fクラス、藤堂高虎が受けて立つ、サモン!」

Aクラスとの決戦は、互いのエース級の生徒の衝突から始まったのだ。

 


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