Aクラス戦と教師戦、一気に終わらせていただきました。
四回表は一番のムッツリーニから、教科は英語だ。
『 Fクラス 土屋康太
英語 73点 』
VS
『 Aクラス 霧島翔子
英語 344点 』
霧島の一球目は内角高めに来た。ムッツリーニも反応したが点数差が大きく押し負けてしまい、打ち上げてキャッチャーフライでアウト。
さて、次は秀吉だ。
『 Fクラス 木下秀吉
英語 122点 』
どれも基本的に3桁に乗ってるのは喜ばしい限りだ。
「…それっ」
「ぬおっ!?」
一球目は渾身のストレート。秀吉も反応できずに後ろに飛び退いてしまう。
二球目は打って変わってど真ん中にスローボール(とはいっても普通に速いが)。これなら打てると思い切りバットを振り抜いたが急速が遅かったこともありあり、打球が延びずセンターフライに終わった。
さあ次は俺だ。
『 Fクラス 大谷吉継
英語 318点 』
「ぐっ!」
霧島の召喚獣の手からのボールがすっぽ抜けてデッドボール。痛みは無いとはいえ召喚獣が痛そうにしているのは見ていて少々辛いものがある。
『 Fクラス 大谷吉継
英語 146点 』
(肩に当たっただけでこんなに減るとは…)
常々思うけど、偶にダメージの出方がおかしいときあるよなあ。運が悪い。
まあ何はともあれ出塁し、四番の姫路に後を託そう。
『 Fクラス 姫路瑞希
英語 339点 』
流石の点数だ、少し下がっていると言っても霧島と互角程度の点数を出せるとは。
「…っ!」
「きゃあっ!?」
「審判タイム!おい翔子!何やってんだ!」
またしてもデッドボール。しかもすっぽ抜けた訳でもなく明らかに姫路の召喚獣を狙ってきていた。
「…間違えた。」
「嘘をつくな!どう見てもわざとじゃねえか!おい審判、なにか言ってやれよ!」
「えっと…少し待ってください。西村先生を呼んできます。」
雄二がベンチからピッチャーマウンドに上がって自ら霧島に抗議する。審判として出席していた布施教諭は雄二の剣幕に押されて西村教諭を呼びに言ってしまった。
「吉継、これはどうなるんだろう?」
「分からん、ただ危険球で退場になる可能性はあるな。もしかしたら反則まけにするか…」
「そこまでするかな?」
「教師陣としてはこのイベントはそこまで大事じゃないだろうし、面倒になってそんな判断を下す可能性もあるだろう。それにやらかしたのが霧島だしな。」
まあ明久の言ってるようにそこまで大事にならないのかも知れんな。警告くらいで終わるのかも。…おっと布施教諭と西村教諭が戻ってきた。
「待たせて済まんな。布施先生から話は聞いた。」
そう言って深くため息をつくと、Aクラスの方へ向いた。
「今回は試召戦争のシステムを使ったから良いものの、実際の野球だと大変なことになるのかも知れんのだぞ?
「…済みません。」
「まあ今回の件で特に処分はするつもりは無いが、時間も少し押してるしAクラスの反則負けという事にさせてもらおう。」
まさかの「もしかしたら」の結果になってしまった。Aクラスの連中は当然抗議をしているが、西村教諭は気にする素振りすら見せていない。
「呆気ない幕引きだな、吉継…」
「俺もそう思うぞ、高虎…」
抗議中のAクラスと試合終了を喜んでいるFクラスの連中を横目に、物足りなさを感じつつ俺たちはそう呟いた。
昼飯を食ったら決勝戦か。教師チームがどれだけ強いのかは気になるな。
~時間経過~
野球大会決勝戦はあっさり終わった。一言で片付けると「まるで試合にならなかった」だな。
全教科で650点を超える明智先生。
理数系で800点という人外な点数を叩き出している高橋教諭。
明智先生とほぼ同等な上に運動センスが抜群な西村教諭。
こちらの攻撃はものの数分で終わり、向こうの攻撃はいつまで経っても終わらずに続き、試合が終わってスコアボードを見ていると23-0という大差になってしまっていた。
明智先生いわく「50-0を想定していたので、皆さんは良く頑張った方です」とのこと。なんというか嫌味に聞こえるな…
まあ準優勝だし、Aクラスに勝ったのだから御の字だろう。
二学期は始まったばかりだが、もう目立った催しは無いな…
本当にお久しぶりでございます。そして二年間放りっぱなしにしていた事をお詫びします。
当初は大学受験のために一年間で済ます予定でしたが、勉強不足のせいで浪人していました。
今後も忙しいとは思いますが、できる限り投稿は続けるつもりなので気長に待っていただけたら幸いです。
野球大会はこれで終わります。次の章は他クラスとの連続戦争になります。
それでは次回、またお会いしましょう。