バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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次回でVSAクラスは終わりの予定です。


野球大会7

 三回の攻撃、教科は化学。そしてこちらのバッターは玉だ。

『 Fクラス 明智玉 

   化学  177点  』     

      VS

『 Aクラス 霧島翔子

   化学  399点  』

点数ではまあ間違いなく負けるか。

霧島が第一球を投げる。ボールだ。微妙な所だったが玉は良く見ていたな。

第二球、これは真ん中に来る。玉が芯で捕らえたがファール。惜しかったが、点数差を考えたらあれでも飛ぶかどうかは分からなかったな。

第三球、第四球は共にボール。これでスリーボールだが、霧島が仕組んだものではなさそうだ。

そして第五球もボール。フォアボールで玉が一塁に進む。

続くバッターは明久。

『 Fクラス 吉井明久 

   化学  83点  』

大分上がってきたが、まだ霧島には遠いか。仕方ない。

「それっ!」

第一球、ボールをバットにコツンと当てる。送りバントだ。

霧島は二人ともアウトにしようと二塁に投げるが玉が滑り込んでセーフ。明久も間に合った。

ノーアウト一、二塁。このチャンスで次のバッターは雄二。

『 Fクラス 坂本雄二

   化学   267点  』

お、中々高いな。これなら上手く行けばもう一点位は…

第一球、低めのストレート、ボールだ。

第二球、少し低めのスライダー、ん?結構遅いな。これなら…  

「よっと!」

おもいっきりバットを振り抜く。打球は左中間を抜け、その間に玉がホームに帰還。続く明久も三塁を蹴ってホームに向かったが木下の召喚獣のレーザービームのような豪速球に勝てずにアウト。何はともあれ4点目だ。しっかりと守ろう。

その後の島田はあっさり三振を取られ、攻守交代になった。

 

~~~~

 さあ、相手のバッターは森兵恵。点数は…

『 Aクラス 森兵恵

   化学  288点  』

霧島や木下の点数を見た後だからほっとするな。これなら油断しなければ打ち取れそうだ。

森は一球目、打ち返せない様なボールを打とうとして打ち上げてしまい、キャッチャーフライ。これでワンアウト。

続く時任正浩。点数は221点と割と低い。いや、これでようやくAクラスの平均位か。

こいつも難なくファーストゴロで打ち取る。さあ、打者が一巡して工藤の番だ。

『 Aクラス 工藤愛子

   化学  333点   』

お、ゾロ目だ。じゃない、割と高いな。打たれたら少し不味いが、雄二はどうする。

「……」

左目を閉じて何か考えている様子だ。敬遠するかどうか、だろうか? 

「…良し、行くぞ。」

一分程経過してから雄二が投げたのは…ど真ん中のスローボール。何をやってるんだ、アイツは…と思ったのだが、工藤はバットを少し低めに振る。

『ストライク!』

…雄二、それが狙いか。久保が何もせずに見送ったのを見て、同じくAクラスの体制に疑問を持つ工藤にも同じ事をしたんだな。目の付け所は良いが、下手したらホームランを打たれる。危なすぎるな…

結局工藤はその後の二球もボールに触れないようにスイングして三振でアウト。三回裏の攻撃は三者凡退で終わった。

4-0で俺達がリード。後二回守りきれば勝利だ。

 


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