できれば今週中にもう一、二話書けたらと思っています。
野球大会三回戦、二年Fクラス対二年Aクラス。俺達のオーダーは以下の通り。
一番 中 土屋康太
二番 二 木下秀吉
三番 遊 大谷吉継
四番 左 姫路瑞希
五番 一 藤堂高虎
六番 右 明智玉
七番 捕 吉井明久
八番 投 坂本雄二
九番 三 島田美波
控え 須川亮 横溝浩二
一回戦から少し変えたが大幅な変更やポジション変更は無い。続いてAクラスのオーダーだ。
一番 捕 工藤愛子
二番 遊 佐藤美穂
三番 左 木下優子
四番 投 霧島翔子
五番 三 久保利光
六番 右 栗本雷太
七番 二 飯島卓也
八番 中 森兵恵
九番 一 時任正浩
控え 花岡麗 紺野洋平
一番から九番、更に控えも超豪華メンバーだ。期末で点数が上がった連中なのだろう、心してかからねばすぐにやられそうだ。
さあ、試合開始だ。まずは俺達の攻撃。教科は…保健体育か。一番のムッツリーニが打席に立つ。
『 Fクラス 土屋康太
保健体育 744点 』
VS
『 Aクラス 霧島翔子
保健体育 387点 』
倍近い差がある。流石ムッツリーニだな。
霧島の召喚獣が球を投げる。かなり速い。が、コントロールは余り良くないか。いや、まだ慣れていないだけか?ムッツリーニは身動きせず見送る。ボールだ。
二球目。霧島はど真ん中に投げてきた。ムッツリーニは難なく打ち、ツーベースヒットとなる。
「良いぞムッツリーニ!」
雄二が叫ぶ。 Aクラスへの挑発だろうか。まあいい。次は秀吉の番だ。
『 Fクラス 木下秀吉
保健体育 119点 』
霧島との差は三倍か。これでヒットを打つのは厳しいか?
霧島が投球する。秀吉はそれをバットに当てるが点数差が響いたのかほとんど飛ばずにサードゴロに終わる。
…次は俺の番か。仲間の声を背後にバッターボックスに向かう。
『 Fクラス 大谷吉継
保健体育 357点 』
点数にそこまで差は無いが、負けている。慎重に行かねばな。
「…」
霧島が俺を睨み付ける。どのような心情なのかは知らないが、手加減はしてくれなさそうだ。
そんなことを考えていると、目の前を驚く程速い球が横切る。判定はボール。
「ふむ、想定していたより遥かに速いな。」
秀吉が打てなかったのも頷ける。得点の高い姫路や高虎、雄二なら打てるだろうが、毎回これが来るなら大分キツい。
そんな事を考えている間に霧島が第二球を投げる。
「…っ、これなら。」
思い切り召喚獣にバットを振らせる。当たった。
「良し、走れ吉継、ムッツリーニ!」
ボールはライト前に落ち、向こうの栗本が取り損ねてあたふたしている。彼がボールを戻した頃には俺は二塁に、ムッツリーニはホームベースを踏んでいた。一点先制だ。
さあ、次のバッターは姫路。点数は高いし上手く行けばホームランも夢では無いだろう。
『 Fクラス 姫路瑞希
保健体育 368点 』
「…瑞希、貴方には打たせない。」
「絶対に打ちます。明久君や、坂本君、Fクラスの為にも!」
第一球、スライダーが来る。姫路、大きくバットを振るがファウル。
第二球は外角低めに投げてきた。打てないと判断した姫路は見送る。ボール。
第三球、真ん中ストレート。これを待ってましたとばかりに振り抜いた。
キーン、という音が響いてセカンド、センターの頭上を大きく越え、得点板の向こうにボールが消えていった。ツーランホームランだ。
「やった!大谷君、やりました!」
「分かった、分かったから俺を抜かさないでくれ。アウトになる。」
これで3-0。幸先良いスタートになったな。
そしてこの後高虎がヒットを打ったが玉、明久、と三振、フライと二人連続で打ち取られた。
一回表が終わり、向こうの攻撃となる。心して守らないとな…