バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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野球大会3

「ふむ、このまま試合が終わるなら次は不戦勝になりそうだ。」

一回戦を終えて本競技で出番の無い俺は、三年EクラスとFクラスの試合を観戦している。五回表が終わって0-0。裏の攻撃はFクラスなので恐らく得点は出来まい。実際もうツーアウトなのにランナーが無い状況だ。もうチャンスは無いな…おっと、終わったか。引き分けだな。雄二に伝えに行くとするか。

 

~移動中~

 

「そうか、なら俺達の次の出番は三回戦だな。」

「ああ。で、Aクラス対Bクラスの試合は二年も三年もAクラスが勝ったらしい。」

三年の戦力は良く分からないがBクラスに大差で勝っている。対する二年Aクラスは何故か2-0というそこまで大差勝ちではない。主力を温存していたのか…?

「重ね重ね悪いが、二年と三年のAクラス対決、姫路と見に行ってくれんか?」

「分かった。少し休んだら動くとしよう。」

開会式から何も飲んでいなくて少し頭痛もしてきたからな。まあ少し休んだら治るだろう。

おっと、高虎がリレーに出ている。アイツ帰宅部の癖に良く陸上部の奴らに付いて行けるな…

 

……

 

「なるほど。Aクラスは主力を封じ込めているな。スタメンにも控えにも霧島や木下の姿が見えん。」

「何でそんなことをするんでしょうか?」

「教師チームと、俺達が居るからだろう。アイツらの事だから俺達が勝ち上がって来ると考えて、全力を以て当たろうと言う魂胆だ。」

仮にここで俺達に勝っても何もメリットが無いんだがな…下位クラスの後塵を拝するのは嫌なのだろう。かく言う俺達も取り組む理由が中々こじつけに近いモノだったが…召喚獣を使った勝負に負けたくないのだろう、何だかんだ言っても雄二は割と単純な奴だしな。

『 Aクラス 紺野洋平

  物理   184点  』

「あれ?紺野君の点数、低くないですか?」

「恐らく一回戦で使った教科…いや、違うな。となると…」

期末の時に言っていた成績の二極化か。Bクラス上位に劣る程度と聞いていたが、ここまで下がっているのか。

「素であの点数なんしょうか。」

「だろうな。あの教室に移って、さらに設備がランクダウンしているから相当厳しい状況なんだろう。それに対して霧島や木下とかの最上位陣は成績がかなり上がっていると聞く。ここで2Aが勝ったら次は俺達とだ。主力を惜しまず投入して来るだろうな。」

「…具体的な点数は分かりますか?」

「全教科お前の数学。」

「…」

唖然としているな。つまりは全ての教科で腕輪が使える訳だからどう足掻いても苦戦することは間違いない。こちらも総合戦力は期末で大幅に底上げされたがそれでもまだAクラスには遠く及ばないからな。どうやって渡り合うかは考えないと…ん?

「そういや、三年Aクラスの代表って誰だったか分かるか?」

「えっと…高城雅春、だったはずです。私も良く顔を知らないですけど…あれ?」

「俺も今年の始業式以外見ていないが…恐らく試合に出ていないな。この試合自体に興味が無いんだろうな、恐らく。」

実際、三年生の方が召喚獣の扱いには慣れているはずなのに3-1で二年生の方が勝っている。今が四回裏で二年生の攻撃なので、後一回で試合終了だな。

「このまま行けばAクラスとか…試合とか関係なく精神的に疲れるだろうな。」

「ですね…」

姫路もこれには苦笑いするしかない。さて、五回の攻撃もそろそろ終わるし準備を始めるか。

試合はそのまま二年Aクラスが勝利した。

 

~時間経過~

 

二回戦終了から三十分後、三回戦である二年Fクラス対二年Aクラスの戦いが始まった。向こうは霧島、木下、工藤、久保と主力を全投入してきた。こちらも一回戦を圧勝で終えたメンバーで迎え撃つ。戦うからには勝たねばな。

「それでは試合を始めます。礼!」

『宜しくお願いします!』




都合により三年生はこの章で出番がありません。後々出ては来ますが…

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