バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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夏休み編、短いですが終わりです。
次回からは二学期に入り、野球大会編になります!


夏休み3

家に帰って荷物を置き、水着や飲み物に詰め替え、制服に着替えて家を出る。ちなみに水着は昨日買ったものだ。水泳の授業では無いのだから、スク水はどうかと思ったまでの事だが。

近くのバスの停留所まで歩き、プールのある施設までバスで移動する。平日だしそこまで人は多くないだろう、と思っていたのだが、夏休みなのもあって中高生が多い。椅子は完全に埋まっていて、立つにも吊り革が足りない位だった。そんなこんなで施設に到着し、中に入る。まだ待ち合わせの時刻まで四十分はあるのに、既に高虎と島田が居た。

「島田も高虎も早いな。島田は姫路と来るものだと思っていたぞ。」

「始めの予定ではそうだったんだけどね。どの水着が良いのか迷ってるらしくて。」

「…迷うほど水着を持っているのか、姫路は。」

「何か一度に三つか四つまとめて買ったらしいわよ。」

水着って結構値が張るものだと思っているんだが…その場で決めれば良いのに何で幾つも買ったんだ。

「まあそれは良いとしてだ、吉継。雄二達は見なかったのか?」

「見なかったな。あいつらの事だしギリギリに来るんだろう。」

「だな…」

明久は下手すると遅刻するかも知れん。まあ遊びに行くだけだから多少遅れても咎めだてはしないがな。

 

~時間経過~

 

水着に着替え、プールの淵まで移動する。結果的に途中で電車の遅れがあって、姫路と明久が遅れてしまった。それでも五分程度だったので特に誰も責めたりはしなかった。

「ここに来たは良いが…何をして遊ぶかなんて考えてなかったな。」

運動神経は悪くないと自負しているが、水泳は少し苦手意識がある。泳げない訳ではないのだが、直ぐにスタミナ切れを起こしてしまうし、上がった後もしばらく頭痛に悩まされる。

「ん?吉継、どうしたの?」

「いや、何をして遊ぶか考えていただけだ。」

一般客も多いし、八人で固まって遊ぶなんて出来ないしな。ウォータースライダーにでも乗ってみるか、面白そうだし。

「ビーチボールは持って来たんだけど、これだけ混んでたら使えないかもね。」

「だな。…おっと、姫路と島田も来たか。」

女子更衣室から二人が出て来る。…ふむ。

「何よ大谷。何か変なの?」

「いや…少し考え事をな。」

分かってはいたが、差が凄いな。何処とは言わないが。姫路は出てきた瞬間周りの他の客の目線も集めてたし…というか、意外にも露出の多い水着だな。控えめな性格の姫路だからもっと布の多いモノでも着ると思っていた。

島田は…悪く言う気は無いが、予想通りだな。

「みんな集りましたし、どうやって遊びましょうか?」

「そうだな…一般客も多いし、集団で遊べたりはしない。基本的に自由行動だ。」

雄二が姫路の質問に少し考えてから答える。流石に他人に迷惑を掛けるわけには行かないし、やむを得ない判断だな。皆で来た意味があるのかが少々疑問だが…折角来たんだ、楽しむとするか。

まずはウォータースライダー。テレビで見たことはあるが、自分が滑った事は無い。というかかなり長いな…滑り終えるまででどれくらい掛かるんだ?…と、順番が回ってきたな。それじゃあ行くとするか、!

……

 

滑り終えると同時に水を飲んでしまったが、滑っている時は楽しかったし、かなりスピードも出ていた。また少し時間を置いてもう一度滑るか。

さて、他の奴らは何をして…ん?

「だ、誰か!秀吉の上の水着が外れてムッツリーニが!」

「おい、この出血量はマジでヤバくないか!?」

「…我が生涯に、一片の悔いなし…!」

…ウォータースライダーもう一度滑って、あいつら置いて帰るか。

後に聞いた話だが、西村教諭が何処からかこの話を聞き、夏休み中にも関わらず反省文を書くことになったらしい。

 

 


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