バカと無双と下剋上   作:走り高跳び

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肝試し編は原作との状況の違いで起きません。
かなり短い話になりますが、よろしくお願いします。


夏休み編
夏休み1


期末試験も終わり、待ち焦がれていた夏休みが来た…訳でも無い。

俺達Fクラスはかなりの授業時間を試召戦争やそれの補充試験に費やしたので、その分の補習が夏休み中にあるのだ。

勿論不平不満を言う奴らは居たが、設備がAクラスなのもあってそこまで多くはなかった。

で、肝心の補習の内容だが…基本的に一学期の総復習みたいな感じだな。思っていたより授業自体は進んでいたのか、新い内容が見当たらない。折角の夏休みを潰して来たのにこれは無いだろうと思い、二日目からは雄二や高虎と謀って後ろの席に座り、携帯で話をし始めた程だ。

雄二『暇過ぎるんだが。』

吉継『だが授業時間数が合わないのは問題だしな…』

高虎『帰りたい。』

雄二『いや、俺は帰ったら翔子が待ち伏せてるかもだしな…じゃなくてもこの教室涼しいし飲み物も多いから不自由しないな。授業受けなくて良いならずっとここに居たい。』

吉継『この補習終わったら教室閉めるって言ってたぞ。』

雄二『oh…』

高虎『あと何日だ、補習って。』

吉継『明後日までだったはずだ。』

チャットの内容はこんな感じである。雄二の言う通り、この教室が夏休みの間ずっと使えたら良かったんだが…特に旅行に行く訳でも無いからずっと家に居るだけだし。

「ふう…それじゃあ今日の補習はここまでだ。後は明日と明後日だから、サボらずに来いよ。」

補習担当の西村教諭はそれだけ言って出て行った。昔みたいに小言を言わなくなったのを見ると、Fクラスとしての信頼も十分にあると見てよいだろう。

「ふう…やる気も無いのに毎日学校に来るのも面倒だな。」

雄二が愚痴を零しながら俺の席まで来る。

「チャットで居心地良いとか言ってただろ、お前。」

「居心地は良いが鉄人が部屋に居るとな…」

「ああ…」

まあ西村教諭の事だし俺達が適当に授業を流してるのは知っているだろう。注意して来ないのは俺達の事を信頼しているのか、若しくは前列に居る少し危ない奴らに注意を向けているからか…どちらにしろ怒られることは無いだろう。

「じゃあ帰るか。吉継、高虎は何処だ?」

「もう出て行ったんじゃないか?バイトやってるはずだ。」

「バイト?何をやってるんだ?」

「スーパーでお中元の包装を何とかするみたいに言っていた。」

「ああ、期間限定のバイトか…家に居ても暇なんだろうな…」

下宿に居たらそりゃあやることは無いな。俺の場合はゲームもやらないし、家に居ると冷房代ばかりかかる。これからどうするかも考えないとな…

「そういえば雄二はどうするんだ?何処かに旅行に行ったりは…」

「いや、そんな予定は無い。一ヶ月間家でゴロゴロして終わるんだろうな…」

「お前もか。まあ一度くらい明久達も呼んでプールに行くくらいはしてみたいな。」

「あ、それ良いな。明後日補習終わったら行こうぜ。姫路や島田も呼んでおく。」

「それなら俺は高虎に声を掛けておこう。」

そんなことを言いながら廊下を歩いていると、旧校舎の方に大量の段ボールを持っている召喚獣が見えた。あれは…木下や霧島の召喚獣か。

「向こうに見えるの…翔子と木下姉の召喚獣だな。夏休みも呼ばれているのか。」

「Aクラスは色々とやらかしたからな…夏休みに呼び出されても不自然じゃない。」

「少しは頭が冷えれば良いんだが…夏だしどうだろうな。」

その問いに俺ははっきり答えられなかった。何て答えれば良いのか分からなかったのもあるが、工藤や久保が考えを改めているのを見る限りまだまだ改心する望みがあるが、霧島や木下があの調子だからな。

まあそんなことは置いておいて、夏休みをどう過ごすか、家に帰ったら考えるとしよう。

 


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